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'59キャデラック型ラジカセを修理

■ '59キャデラック型ラジカセを修理

主催者は'59年型キャデラックスタイルのラジカセを入手しました。この商品は1995年ごろ?ア
メリカはLAにあるPOPWORKS社より発売されたものです。これは当時日本でも販売されている
のを見ました。と言いましても、一般的な家電販売店ではなく、輸入雑貨を扱う店で見かける程度
でした。

主催者が見たのはジーンズショップ内の輸入雑貨コーナー。一目見て”欲しい”と思ったのですが
価格がバカ高い。たしか49800円だったと思う。高い、高すぎる。しかもこの手の商品(ジョー
クトイ・アダルトトイ系のデザイン商品)は耐久性などほとんど考えられていないので、すぐに
壊れる可能性が高い。それで「その内値下げしたら考えよう」と思っていたのですが、一向に安
くならない。その内にショップに見にも行かなくなり、結局入手しませんでした。しかし最近に
なって、ネットフリマで発見、キャデラックラジカセを入手する事が出来ました。




届いた商品は元箱、取説もありビックリ。ラジカセ本体を確認すると、ピンクの外装はやや焼けて
サーモンピンクになっています。一方トランク型のカバーを開けて操作部を見ると、内部は本来の
ピンクの様です。まあこれは商品説明でも謳われていたし、この程度なら十分許容範囲内です。




その次に気になったのがメッキ部分。これは今一だった。写真を撮っていないので説明出来ないの
ですが、一言で言うと掃除を数年サボった自転車と言う感じ。この部分はサビ落とし剤とメッキ磨
き剤で磨きます。それで磨いた結果ですが、サビでクローム部分が侵食されていた部分は下地の銅
メッキがポツポツと出ているのですが、遠目では気になりませんから、ぎりぎりのタイミングで助
かった、と言う事にしよう。あと実車で言うトランクのボンネット上のV字型エンブレムの片側が
折れていた。直したい部分ではあるが、手を入れると余計悪くなりそう。




さて、外装の次は動作確認です。商品説明ではラジオは動作OK、カセットはダメ、と言う事でし
た。そこで気になるのがラジオのFM部分の受信周波数。輸入品のFMはアメリカバンドの場合が多
いのです。アメリカバンドは88~108Mhzですから、このタイプを入手すると一昔前までは全く
使用できませんでした。最近は日本でもワイドFMになったので、88Mhz以上の放送なら受信出来
ます。それで現物を見ると76~90Mhzでした。ワイド化する前の日本国内バンドです。と言う事
は、わざわざ日本向けに製造された商品なのか。こりゃいいや。しかし日本語の取説を見たところ
受信周波数は76~108Mhzとなっています。う~む「商品の企画としてはこの範囲をカバーする
が、商品個々は違うで」と言う事なのか?なんという大雑把な記載なんだ。




さて次は最大の懸案、カセット。この商品、過去のオークション説明をいくつか見たのですが、全て
カセットは不動品でした。それで再生ボタンを押してみたのですが、やはり全く動作しません。と言
うかモーターが回っているのかすら確認できない。まあね、この商品でなくても25年ぐらい経過した
カセットテープレコーダーが動く事などほぼ無いですから動かなくて当然です。すぐに分解チェック
に入ります。それで中身を確認すると・・・。殆ど空っぽ。内部基板はラジカセと言うよりも小型携
帯ラジオレベル。




うわーこれで5万円近いとかサギだろ。まさにデザイン優先、技術後回し。しかしこのような製品ほ
ど後年人気があるのも事実。とりあえずカセットメカの確認に入ります。動作しない原因でまず考え
られるのは何と言ってもベルトの不良。それでベルトの在庫を確認したところ、ピッタリの物があり
ました。それでベルトを交換しようとしたのだが・・。なんか部品が落ちている。は?何だこれは。
下の写真左の緑の楕円で囲んだスプリングと白いワッシャがそう。それでこの部品の付いていそうな
場所を探しますが特に見当たりません。なのでこの部分は後回しにして、まずはベルトを交換して様
子を見ます。それで交換後モーターを動かしたところ動作は良さそう。ただベルトは元の物もそう悪
くは無さそうだったのだが、この状態で動作確認した訳では無いので、ここは交換した状態でいこう。




それで元通り組み立て、カセットを再生してみますが・・・。サッパリ動きません。やっぱさっきの
落ちてた部品が要るのかな。また分解して、もう一度動作を良く確認します。するとテープを送る回
転軸(キャプスタン)は回っていますが、巻取りリールの部分が動いていません。駆動しているのは
下の写真左の黒い歯車。良く見るとクラックが入っています。しかし歯車自体は回転シャフトにしっ
かり固定されており、クラックが原因ではなさそう。下の写真中はその部分の裏側。歯車の裏側はベ
ルトが掛かっているプーリーなのですが、問題無く回転しています。それでプーリーを外すと何やら
フェルトが(下の写真右)。




どうもこのフェルトにきつく圧が掛かり、それで巻取りリールを動かしている様だ。と言う事はさき
ほどのバネと白いワッシャはこの部分に付いていた可能性が高い。そこでこの部分にスプリングとワ
ッシャをセット、組み立てます。その場合スプリングを押さえるのは基板の裏と言う事になります。
下の写真右が押さえている状態なのですが、ホントにこんな構造なのか?




それでまた組み立てて動かしたのですが、まるで動作せず。アカン。その後フェルトの片方を両面テー
プでくっつけたり色々したのですがまるでダメで、結局プーリーの裏側に短く突き出たシャフトに白い
ワッシャが固定されるのでは?と思えてきた。確かに白いワッシャの中央にはシャフト径の穴が開いて
います。しかしワッシャの穴周りの肉厚は0.5㎜程度しかなく、その下に付くスプリングはかなり強い。
よく見ると白いワッシャの穴にはクラックも入っています。その様な訳で取り付けてもすぐにスプリン
グにはじかれてしまいます。これではこのワッシャはもう使えません。なのでこの部分を作り直します。
材質は真鍮、下の写真で金色の部品。下の写真右は油圧プレスにてシャフトを打ち込んだところです。




それで再度動作させると今度は動作。どうやら正解だった様です。いや~こんな構造ではそら一個も
動作状態で残っていませんわ。早送り、巻き戻しも問題なく動作します。ただ回転時にコツコツ音が
します。これは電気ノイズでは無くメカ音。先ほどの歯車のクラックが原因の様。これは仕方が無い
し、再生中は全く聞こえませんから、まあいいか。これで全ての動作が良くなったので、ここでこの
ラジカセの使用感を述べてみます。




まずオーディオ部分の操作ですが、音量ボリューム、左右バランス、トーンコントロールがあります。
トーンコントロールは高域カットのみの単純なもの。その他の機能は、ヘッドフォンジャックはあるが
ライン(AUX)入力はありません。再生音質は携帯ラジオ並で悪い。次にラジオ部分ですが、AMは感
度が高い。一方FMは感度が低い。感度のせいか、AMの方が音質がいいぞ。次にカセット部分ですが
テープ送りがやや遅い様で、なんかスローな気がする。早送り時の音声再生(キュー&レビューと言う
やつ)は無し。オートリバースとか当然なし。マイク内蔵で録音可能だがモノラル。とまあどこを取っ
ても’70年代前半のポケットラジオですな。なおこのラジカセのみの機能として、音声に合わせてテー
ルライトが点滅する、と言うのがあります。ただし小音量では動作せず、大音量の時のみの動作です。




■ キャデラック風懐中電灯

キャデラックラジカセを紹介したところで、次はキャデラック風?懐中電灯を紹介します。この商品も
上記ラジカセと同時期に売られていたもの。こちらは別の輸入雑貨専門店で見つけました。キャデラッ
クラジカセはおもちゃっぽい割に高くて手が出なかった訳ですが、こちらはあっちに比べたら安かった。
値段は7600円ぐらいだったと記憶している。それでも懐中電灯としてはバカに高いのだが、あっちを
見た後だとこっちは買える。そんな訳で当時新品で購入しました。



商品名はウイングライト。同じ様なコンセプトなので同一メーカー品かとずっと思っていましたが、こ
ちらはサウンドコレクションと言うブランドの様。アンティーク風のラジオでSPIRIT OF ST. LOUIS
と言うのがありますが、同じマークが付いています。



この懐中電灯もラジオ付き。テール部分には赤色灯も付いています。それで購入時に早速動作させたと
ころ、懐中電灯としての機能は問題無し。普通にライトとして十分使えます。ただ後部の赤色灯は点灯
しませんでした。あとラジオはAM、FMの2バンドなのですがFMはアメリカバンドなので何も電波は入
りません。FMは仕方がないとしても、後部の赤色灯が点かないのはおかしい。それで分解したところ、
内部の接触不良だった。赤色灯は点灯スイッチを後ろにスライドさせると点滅します。ただ点灯するの
では無く、点滅するとは手が込んでいます。ラジオはAMは感度良く受信します。FMは上で書いた様に
当時は使えなかったのですが、現在はワイドFMですから、ワイド帯に新設された放送が受信できます。
巡り巡って使える様になったのですね。良かった良かった。



ラジオの感度は上記ラジカセとほぼ同じ。選局は直感的で使いやすい。しかしダイヤルメカが簡素すぎ
なためか、バックラッシュが大きく、右回りと左回りでは指針の位置がずれています。それ以外にも、
視聴中に同調が徐々にずれる(ずれ易い)様です。






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