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アタリ スターウォーズをプレイ

今回はアタリのスターウォーズをセッティング、自宅でプレイ可能に持ってきます。主催者は個性的
なゲームが好きなので必然的に特殊操作系が多くなります。特殊操作系のゲームはゲーム基板を
買っただけでは遊べず、ハーネスを製作したりコントローラーを準備してようやく遊べる様になるの
ですが、アタリのスターウォーズはチガウ!どうチガウのかと申しますと、まず基板を接続するハー
ネスが専用なのはいいとして、コントローラーも特殊(アナログコントローラー)。まあそれも良くある
事なのでいいとして、モニターも特殊(ベクタースキャン)!ここで一気に敷居が高くなります。そして
これらがどの様な接続なのか図面で確認すると、電源も特殊!!うう〜むぅ。なんと全部特殊。これ
は従来のシステム(JAMMA)は全く使えず、スターウォーズ用の環境を新たに作る必要があると言う
事です。感覚としてはJAMMAからJVSにも手を出す感じでしょうか。ちなみに主催者がJVSに手を出
したのはNAOMI2が出た時で、全部新品かつ一度に揃えましたからえらい金額が掛かってしまった。
そうなった経緯を申しましすと、当時乗っていた車が壊れて買い換える事になったのですが、車代を
ケチってゲーム機代をひねり出す事を思い付き、勢いで揃えてしまったのです。やはり新たなシステ
ムを構築する時は一気に揃えたいものです。そうでないといつまで経ってもゲームが起動出来ません
からね。そう考えるとNAOMI2の時は全部新品で入手出来る案件だったからまだ良かったのです。
アタリ スターウォーズの場合は物が古いだけに中々プレイ環境が揃いません。それならばいっその
事、スターウォーズの筐体ごと買った方が環境を揃えると言う意味では絶対に早いです。ただし国内
では売り物など無いでしょうからアメリカからの輸入になります。そうなると送料がどえらい事になる
でしょうし、もし入手出来たとしても筐体ごと家に置くのはスペース的にきつい。かと言ってせっかく
今まで生き延びてきた筐体を分解などしたくない。それに動作品の筐体を買ったとしても、実際どの
様なコンディションの物が来るか分かりませんから、どの道オーバーホールは必要でしょう。なので
主催者の場合はパーツ単位で入手、ボチボチ進めていました。

さて、前にバリー・ミッドウェイ トロンを起動のコーナーで映画の内容に沿った、映画っぽい演出
のゲームは当時のハードでは無理、と書きました。しかしアタリ スターウォーズは見事に再現して
ゲームマニアの度肝を抜きました。ただしそれが可能になったのは、ベクタースキャンを採用して
(要はグラフィックを犠牲にして)処理速度を得た為と雑誌に書かれていました。見た目はワイヤー
フレームでしょぼいが素晴らしいゲーム性、と言う訳です。当時スターウォーズはルーカスフィルム
が著作権を持っていました。ゲーム完成の連絡を受けたルーカスフイルムが大して期待せずに見に
行ったところ、あまりに良く出来ていて驚いた、と言う記事を見た記憶があります(うろ覚え)。ちなみ
にスターウォーズの版権は初期の頃は関連商品一アイテムに付き一社しか与えないと言うのを聞
いた事があります。たとえばプラモなら米MPC社、おもちゃなら米ケナー社と言う具合でした。これ
が日本の模型、おもちゃマニアにはきつい。全部輸入品ですから価格が高い上に供給も途切れが
ち。ルーカスフィルムはカタい事するなあと思いましたが、TVゲームだけはアタリ社のみで大正解と
思ったものです。もし他のメーカーが普通のグラフィック(ラスタースキャン)でゲームを作っても名作
にはならなかったでしょう。その後’90年頃のグラフィックが劇的に進化した頃になると、ベクタースキ
ャンは過去のしょぼい表現と言う感じでしたが、今見ると逆に個性的です。違うコーナーテーブル筐
体型ファミコンの製作
の最後の方に「スターゲイトが妙にプレイしたくなった」と書きましたが、今見る
と線だけのゲームもとてもいいものです。


■ スターウォーズ基板を入手

主催者はまず最初にスターウォーズ基板を入手しましたが、もちろん何も出来ません。届いて数週
間経ってからようやく梱包を解き、一度基板を確認してすぐに仕舞いました。本当に「うむ。基板だ」
で終わり。だってさ何もする事無いし。本当は基板の状態とか確認した方がいいのだけれど。

下の写真がスターウォーズの基板です。基板の部品面にはグリーンレジスト(基板表面の緑色の
コーティング印刷)が無く、メッキ(ニッケルメッキ?)仕上げです。裏側にはグリーンレジストでの
印刷があります。古いゲーム基板を見ると半田がグリーンレジスト内部に入り込んでパターンが膨
らんでいたり、グリーンレジストそのものがパリパリはげたりしています。これはタイトーの古いSJ
基板がよくなっています。スターウォーズ基板は半田処理する面には塗幕は弱いがグリーンレジ
ストを使い、半田槽に浸けない部品面には品質の高いメッキ仕上げにしたと思われます。なお、
写真では左端に2枚の基板を繋げる垂直にセットした基板がありますが、これはフィルター基板な
ので無くても動作します。




■ 電源の製作

まずは基板を動作させる為の電源の製作を行います。電源がどの様な物が必要なのか図面で調べ
ると、ページをまたいで36Vだの22Vだの色々出て来て分かりにくいので、それを分かり易く簡略化し
たのが下の図です。これによると普通に入手できる汎用品で構築出来そうです。




上の図を解説しますと、まず10.6Vは電源回路で+5Vに変換され、ゲーム基板に供給されます。
10.3Vはコインカウンター用で、電源回路を通らずそのまま出力されます。次の36Vは電源回路に
入り+、-それぞれの22Vに変換、更にゲーム基板上で15Vとかに変換されます。その下の6.1Vは
コインドアのランプ用でACのまま出力されます。あと0Vを挟んで2つの25Vが出ていますが、これ
はモニター用の電源で、モニター基板内で+、-それぞれの24Vに変換されます。オリジナルの電源
基板を使うと、このあたりは一発で決まるのでラクですがトランスとかも一式入手する必要があり
ます。主催者の場合、”バリー・ミッドウェイ トロンを起動”でも書いた様に古い電源はなんか危険
な印象があってあまり使いたくないのと、オリジナル筐体でゲームを持っている訳でも無いですか
ら、そこまで拘らんでもいいだろうと思います。それで考えたのが下の図になります。なお、コイン
カウンター、コインドアランプ用は不要なのでパスしています。




早速電源の製作に入ります。まずモニター用は24Vが2つ出るトランスを使用。これはオリジナルと
同じ構成。厳密にはオリジナルより1V電圧が低いですが、実用上問題無いと思います。トランスの
場合、出力電圧は割りとラフだし、この後続く回路(モニター基板内)が両波整流なので、ここで更
に電圧が上がるからです。次に+、-の22Vですが、これは19Vのスイッチング電源を2つ使用します。
先ほどより更に電圧が低いですが、続く回路が15Vとか12Vの3端子レギュレーター。3端子レギュ
レーターは出力する電圧より供給電圧が2〜3V以上高ければOKなので問題ありません。と言うか
供給電圧が22Vで15Vの場合だと3端子レギュレーター内で7V消費される訳ですが、これは全部熱
に変わります。取り出す電流が小さければ発熱は少ないですが、限度近くだとそれなりに熱くなり
ますから、電圧差は小さい方がレギュレーターの負担は少ないはずです。次に+、-の15Vですが、
これはスターウォーズでは使わない部分です。外部から供給しなくてもゲーム基板内で作っていま
すからね。しかし図面には掲載されているのでついでに付けておきました。恐らくゲーム基板によっ
てはこれが必要になる場合があると思われます。アタリ ザイボッツを起動でも書きましたが、電源
の設計上は基板パターンの準備をしておいて、必要な場合のみ実装すると言う事でしょう。

さて、それでは実際のパーツ配置を考えます。なるべくコンパクトにまとめて扱いやすくします。そこ
で迷うのがトランスの設置場所。これはモニターに行くだけなのでモニターに内蔵させればいいので
すが、そもそもモニターをどの様に設置するか決まっていません。モニターを箱に入れるならそこに
入れればいいのですが、ゲームラックの様な物にセットするなら別置きの方が具合がよさそう。かと
言ってゲーム基板用とトランスが同じ箱ではモニター用の配線が長くなって取り回しが面倒かも。
ゲーム基板用の出力はJAMMAの部分もカバーしていますから、一般的なゲーム基板にも流用可
能です。それも踏まえた結果トランスは別置きで製作する事に決定。トランス以外の電源ユニットは
全て単品のスイッチング電源を使用します。出力は5Vが20A、19Vが3.4A、後は電圧によって変わり
ますが1〜2.3A。これはオリジナルの電源に使われている3端子レギュレーターが1Aですから問題
無いはず。しかしいざ他の基板に使用する時になって調べて見たら、その基板は1Aでは足りなかっ
た、と言う事もあるかも。まあその場合はその時考えます。で、ケースですがそこら辺にあった鉄板
を適当に曲げて一足先にケースの形にしておきました。そして後から届いたスイッチング電源をケ
ースに並べて見たらトランスも入りそうな感じ。キツキツだけど。うーむ入るのならばやっぱトランス
も内蔵させるか〜と思い直し、結局トランスも内蔵させる事に。




とりあえずトランスも入れる事にしたものの箱が狭い。こんな事ならあと1cmでも大きければ・・・。
構成としては、各電源から端子台に接続。そこからヒューズホルダーに行き、ゲーム基板に出力
します。電源からまず端子台に行くのは電源ユニットの交換を半田無しで交換可能にする為です。
ヒューズは交換の利便性を考えて外部に出す事にしました。しかし出っ張るとぶつけて壊す可能
性がありますから、この部分はケースを凹ませます。入出力やスイッチ類も同じ部分からまとめて
出します。接続、操作部分は一つの面にまとめた方が後々扱いやすいです。出力はモニター用が
モレックスのMLX4ピン、JAMMA用がJSTのVL8ピン、スターウォーズ用の専用出力はJSTのEL12
ピン。モレックスのMLX4ピンはずいぶん昔に買ったものの、まるで使わないので今回使用。まる
で使わない=他と被らないので好都合、と言う訳です。ELコネクタは19Vと15Vに使用します。ELだ
と電源用には少し弱い気もしますが、1端子当たり定格電流は10Aですから問題無いでしょう。さて
部品の配置も何とか決まったので、まずは入出力部の穴あけから始めます。下の写真左が凹型
の板金にけがいたところ。コネクタ取り付け穴の加工はパンチがあればラクですが、その様な便利
な物はありませんからドリルで抜いてヤスリで仕上げる事になります。写真中がドリルで大まかに
下穴を開けたところ。3つある内の下のがMLX4ピンコネクタ用です。これだけバカに丁寧に開けて
あります。このコネクタはそもそも音声出力の接続用に購入した物です。中空取り付け/パネル取り
付けに対応していて便利だ、と思ったからなのですが、実際のパネルへの取り付けは写真の通り
複雑な穴開けが必要です。まあ実際はこんな手の込んだ事をしなくても四角いバカ穴でいけるの
ですが、隙間だらけでみっともないですからね。その後音声用は、扱いやすいEL4ピンにしました。
今回MLX4ピンを使う事にして外形に沿った穴あけをしましたが、やっぱり大変手間が掛かった。
下の写真右が穴あけが終わったところ。全部の穴を開けるのに5時間近く掛かってしまった。




一番面倒な穴開けが終わったので全体的なケースの加工に入ります。底と側面は溶接、それ以外
はビス止めで取り外し可能にします。ここで出力表示のLEDがあった方が便利だと思い付き、急遽
追加。LEDはどのヒューズが切れたかを知るのが目的なので、ヒューズホルダーの上が一番分かり
易い。しかし板金にLEDを付けるスペースはありません。なのでヒューズホルダー自体の端に穴を
開けて表示する事にしました。さて、配線に掛かります。5V20Aの入出力はJSTのVLコネクタなので
それで接続。5V20A以外のAC接続は19Vが3Pインレット、その他はACプラグです。3Pインレットは
スペースが無く使えないのでギボシ端子で接続。ACプラグの方はスペースが無ければファストン端
子で接続する予定でしたが、こちらはスペースがあったので普通の中継プラグが使えました。下の写
真右は配線中(完了間際)の電源。なお、ケースの外装仕上げはカッティングシート仕上げにします。




何とか電源が完成。つ、疲れた。部品の取り付けから数えたら7時間は掛かった。さてチェックだ!
と言いたいところですが、モニターの準備が出来ていないのでスターウォーズ基板でのチェックは
出来ません。それにこの電源に繋ぐハーネスもまだ作って無いし。しかしJAMMAと同じ出力の部分
はJSTのVLコネクタになっていて、これは現在主催者が使っているシステムに合わせてあります。
なのでここにいつも使っているJAMMAハーネスを繋げば、この部分のみのチェックは可能です。
まずは何も繋がずに電源スイッチを入れると、最初に12VがON、続いて5V、19V、15V、とONしまし
た。LED付きなので立ち上がりの速さが良く分かる。で、次に一般的なJAMMAのゲーム基板を繋
げてチェックしたところ普通にOKだった。JAMMAのチェックをして思い付いたのは、5Vの電圧調整
ドライバーの差込穴を開けておいた方がいいと言う事。しかしなんかもう、しんどいので後でやる
事にしよう。なお、電圧調整ボリュームを普通のボリュームに変更してケースに取り付け、外部から
調整をやりやすくするのはヤメた方がいいです。過去にやったら何だか具合が悪くなり、結局電源
基板のICの交換をするハメになりました。




■ モニターを準備

ゲーム基板、電源と来たら次はモニター。モニターはベクタースキャンと言って線だけを表示する方式
です。従って背景は黒いままだし操作キャラも全て線で書かれています。この方式は’80年代中ごろ
で終わっているので今あるやつは全て30年は経過した物です。上の方で一気に敷居が高くなると書い
たのはこの為です。主催者が過去(2000年ごろ)に基板屋にゲームの在庫で問い合わせをした時、店
側から「ベクタースキャンのゲーム基板を映したいのですが、何か方法はありませんかね?」と逆に聞
かれた事があります。その時は「あれは専用モニターですね。たとえば光速船を流用するとか?」と返
答しました。それに対し先方は「光速船?」と言ったきり話が続かず、要は光速船を知らない様だった
のでそこで話は終わりました。光速船とは昔出ていたベクタースキャンモニター一体型の家庭用のゲー
ム機なのですが、実は主催者は現物を見た事すら一度もありません。モニターの方式が同じなので思
い付きで言ってみたと言うところ。昔からその様な話があるぐらいなので、モニターの入手はアメリカ
のオークション等をマメにチェックするしかありません。

それで主催者はベクタースキャンモニターを入手しました。不動品ですが・・・。それを復活させて映す、
と思っていたのですが今のところ動作しそうにありませんし、実際復活出来るかどうかも不明です。そ
れに今回のシステムは一度も起動した事の無い物の組み合わせですから、もし最初からトラブッたら
どこが悪いのか訳分からん状態になりそうです。なのでやっぱりまともに動くモニターが欲しい!と言う
訳で動作品を思い切って入手しました。それが下の写真。ウエルズ・ガードナーと言うモニターです。




■ 基板の立ち上げ

ここでいよいよハーネスの製作に入ります。ハーネスの製作はスターウォーズの図面から実際の
コネクタのピン配置に沿った製作用図面を作成し、それを元に作ります。図面を作成する理由は、
スターウォーズの図面はコネクタのピン配置順では無く、1、22、21、A・・・と信号別にピン番号が
書かれている為分かりにくく、配線時に間違いそうなのと、元が手書きの為か5とSの判別も迷う始
末。なので確認も兼ねて図面を作りました。下の図が作成したコネクタ図になります。




それで作ったのが下の写真。モニターのコネクタには映像とモニター用電源が一つのコネクタで供給
されます。モニター用電源は上で説明したAC24Vが2つです。この辺りがAC100Vを突っ込む普通の
モニターと違うところ。電源以外は音声と操作系ですが、操作系はまだこれからなので、切りっ放しの
線が出ているだけです。




さてついに基板の立ち上げです。まずはモニターの通電試験をします。これは映像入力を繋がず電源
だけ繋いでヘンな煙が出たりヒューズが飛ばないか見ておくのです。ここで動作がヘンだとドツボです。
とりあえず電源を繋いでスイッチを入れると、モニター基板のLEDが点灯して高圧が出始めました。特
に異常は無い様です。しかしこの手のモニターの場合、電源投入だけならOKだが、映像信号を入れた
ら煙が出た、と言う事もありますから油断は出来ません。しかしこのまま見ていても何も進みませんか
らいよいよ基板を繋ぎます。そして電源を入れると・・・。何も映らず。・・・ドツボです。と言うかそもそも
モニターに映像信号が行っていない様な感じがします。なのでモニターは一旦置いといてゲーム基板
の方を見てみます。まずは電源電圧をテスターで測りますが問題無い様です。そこで仕方なくオシロを
引っ張り出してきて見る事にします。まずはパワーオンリセットから。これは以前UPした”バリー・ミッド
ウェイトロンを起動”でも危うく引っかかりそうになった部分。で、見てみるとパワーオンリセットが働い
ていません。そこで図面を追うと、パワーオンリセット回路に10.3Vを繋ぐ必要がある様です。上の方で
10.3Vはコインカウンター用と書きましたが、まさかこんなところに必要だったとは。そこで10.3Vに繋が
る部分に12Vを仮で繋いで見ます。本来より電圧が高いですが、元々非安定電源の部分ですから問題
無いでしょう。そして改めて電源をONすると、モニター基板のLEDが消えて画像が出ました。いや〜良
かった。これで電源、ゲーム基板、モニターの動作確認が取れました。




■ コントローラーの整備

スターウォーズは専用のアナログコントローラーを使用します。ヨークコントローラーと呼ばれています。
ヨークコントローラーはX-Y、2軸のボリューム式なので一般的なアナログレバーでもプレイ出来ると思わ
れますが、出来るならばオリジナルのヨークコントローラーでプレイしたいもの。なので主催者もヨークコ
ントローラーを入手しました。これまたジャンク品ですが。ジャンクの内容を申しますと、グリップがばらけ
て部品が欠品しており、スイッチやハーネスもボロボロです。ヨークコントローラーは要はハンドルコント
ローラーなので左右に旋回(ロール動作)するのですが、この部分のボリュームがギアごとありません。
更にグリップの握り部分も傾くのですが(ピッチ動作)この部分は固着して動きません。




下の写真左はパネル下のロール動作の部分。左右方向のボリュームはともかくギアまで無いのはきつい。
写真中はハンドルカバーを開けたところ。グリップが取り付け軸を中心に傾く構造です。こちらはボリューム
自身の固着らしく、ギアのセットボルトを緩めてボリュームから抜いたところスムーズに動きました。しかも
ギアそのものは無事な様です。これは助かった。続いて写真右は右グリップを開いたところ。過去に何度か
修理されていますが結構ボロい。ちなみに右側はまだマシな方で、左側はそもそもグリップのフタ自体が欠
品していました。欠品しているパーツは丸ごと自作する予定でしたが、同じアタリのロードブラスターのコン
トローラー(激しくボロ)がオークションに出ていたのでそれを入手、グリップの部品取りにしました。




修理はまず無くなっているロール動作のギアから。この部分はまず使えそうなギアが無いか探しました。
その結果、相手側とかみ合うギアは見つけたのですが、本来の物よりサイズがやや大きい。本物は恐らく
ギアの最大直径が30mm程度だと思われるのですが、35mmほどあります。ギアの付くボリュームの取り付
け穴が長穴なのでギリギリ使えるかどうかと言うところ。しかもこのギアは2段歯車なので実際使うにはギア
を2つにぶった切って中心に穴を開け直すと言う大掛かりな加工が必要。うーむ苦労しそうな割にはどうも
今ひとつと言う感じなので、こちらを使うのはヤメて他に使える物が無いか探す事にします。それでもし適当
な物が見つからなければ最悪ギアの自作も含めて考えます。と言ってもギアの自作は大変です。手順を説
明しますと、ギアカッターをフライス盤に取り付け、インデックステーブルに材料を挟んで刻んでいくのですが
それにはまず適合するギアカッターを入手して、更にギアカッターの取り付けアーバーの自作もしなければ
なりません。更にそこから上手く製作出来るまで試行錯誤を繰り返す事になります。下の写真が今回使用を
見送った2段歯車です。




希望通りのギアを販売してくれる会社は中々見つからなかったのですが、ひょんなことから偶然発見しまし
た。小原歯車株式会社(KHK)と言うメーカーです。しかもホームページから1ヶ単位で注文可能。そこで主
催者は使えそうな物をいくつかまとめて入手しました。下の写真左が今回発注したギア。4ヶ映っています
が、下に2つ並んでいるのが今回必要なギアです。この2つは同じサイズで材質違いの物。ギアのサイズは
モジュール1の28歯。2種の内、金色(真鍮製)の方は恐らくそのまま使えます。本来ならこれだけでいいの
ですが、かみ合う相手の歯車がプラですから耐摩耗性を考えるとプラ同士の方がいいかも。で、プラ製の方
も入手しました。ただプラ製の方はセンター穴が小さく、そのままではボリュームが付きません。かと言って
センター穴を広げて使うのは強度的に無理です。もしプラ製のを使うなら、アタッチメントを製作する必要が
あります。なお、上の2つは60歯と15歯。これはハンドルカバー内の小さい方のギアと、相手側の大きなギ
アの補修用として使えるか評価用に入手。写真右は先の2段歯車と今回入手した物(真鍮タイプ)のサイズ
を比べたところ。




ここで届いたギアを実際の場所に置いて見ます。下の写真左は真鍮製28歯。うむ、ピッタリだ。しかしよく
見ると、買ったギアは歯のサイズが僅かに小さい気がする。そこでハンドルカバー内に付く小さいギアも
並べて見比べます。(写真右)ギアの歯のサイズはモジュールと言う単位で表します。今回モジュール1と
言うサイズを購入した訳ですが、本当にこれで合っているのかは分かりません。実際モジュール1は僅か
に小さい様です。ただし回転はスムーズです。使えない場合はかみ合わせが見るからに悪く、実際まるで
使えませんから今回のモジュール1は十分許容範囲でしょう。




下の写真は同時に買った60歯と15歯のギアを比べたところ。60歯はほぼ同等に見えます。一方15歯の
方ですが、オリジナルのギアは実は14歯。これは商品リストに14歯が無かった為15歯を購入したのです
が、これを見るとやはり歯のサイズは小さい様です。で、この15歯のギアが使えるかどうかなのですが
軸穴の加工等は必要ですがたぶん使えると判断。今回の使用法ではギアの組み合わせは一段で、しか
もボリュームを回すだけです。この用途ではギアの歯の一つ二つ増減しても殆ど違いは分かりません。
予備パーツとして使えそう、と言うだけで価値があります。




さて、ここでパネルを分解してクリーニングします。そして改めて組み立てに入ります。




まずはパネルのクリーニング。スターウォーズのパネルは元々くすんだ様なデザインなので、汚れていて
もあまり変化無い・・・。と思いますが、いつもの洗剤で少しこすったらやっぱ汚れてる。下の写真左は半分
だけ汚れを落としてみたところ。写真右はクリーニングが終わったパネル。例によってひび割れやらめくれ
がありますが、致命的にダサい訳でもないのでこのまま行きます。




パネルをばらして軽量になったところで、ついでにここでパネルの台座を作ります。パネルのレストアを仕
上げてからでは取り回しが大変ですからね。それでパネルのセット法なのですが、本来スターウォーズの
パネルは斜めにセットされます。しかもパネル上半分は鉄板の形状が小さい。これを取り付ける台座を箱
形状で製作するとなんかごっつくなりそう。そこでなるべくサッパリとまとめる為、骨組みだけの鉄枠を作っ
てセットする事に決定。下の写真左はパネルのサイドを支える枠。このままでは寂しいので枠には若干の
装飾を施して組み立てます。いつもならここで塗装するのですが今回は無し。材質そのままの質感で行き
ます。スターウォーズのパネルにはこの方が合っていると思います。写真右が完成した取り付け枠です。




ハンドルメカの組み立てに入ります。まず欠品しているボリュームの準備。これは以前”アナログコントロー
ラーの製作”でも書きましたが、業務用ゲーム機に使用される回転がかなり軽いタイプの物を使います。回
転が軽い方がセンター復帰に好都合ですし、軸の固着防止の点からも有利と思います。今考えると、ロール
動作のボリュームがギアごと無かったのはボリュームが固着、それを無理やり回したらギアが割れ、結果
両方共取り外したのでは?と想像。それに対しピッチ動作の方は前の持ち主&主催者の両方が殆ど触らな
かったので助かったと思われます。ピッチ用ボリュームも固着していますから同じ物に交換します。下の写真
左のやや小さい方が今回交換するボリュームです。なお、今回使用するボリュームを分解して内部を見たと
ころ、抵抗体が通常のカーボン塗布では無く、表面がガラス質っぽい抵抗体でした。これは耐摩耗性と何か
関連があるのでしょうか。下の写真右は元から付いていたボリュームを分解したところ。むむむ。カーボンの
粉末がたまっているぞ。これが固着の原因か?




ハンドルメカの部分も分解してクリーニングします。それで上のパネルのクリーニングに使った洗剤をこちら
でも使ったら、ロール動作の回転止めゴムまで数秒で溶けてしまった。どんだけ強力な洗剤なんだ。しかし
内部の古いグリス(半分固まっている)を除去しなくてはなりませんから仕方が無い。溶けたゴムはほぼ同
じサイズの物がたまたま見つかったのでそれを取り付け。




クリーニングが終わったのでグリスアップして組み立てます。ロール動作のボリュームに付くギアは、真鍮製
の物がそのまま無加工で使えたので採用。ただ組み付けた後、実際に動作させると若干コトコト音がします。
この部分にも後でグリスを塗って様子を見よう。




スターウォーズに使われるヨークコントローラーのハンドル部分は、アタリ社の他のゲームにも使われていま
す。しかしゲームによっては内部メカが異なっている場合があります。例えば今回部品取りで入手したロード
ブラスター用コントローラーはハンドルカバー内に可動メカが無いのでグリップのピッチ動作は出来ませんし、
左右のロール動作はボリュームでは無くフォトインタラプタ。なのでスターウォーズには全く使えません。しか
しハンドルグリップ自体は流用が可能です。実はグリップのボタン部分の穴の大きさがやや違ったりするの
ですが、内部のマイクロスイッチとかフタの組み付けのネジ穴は同じでした。主催者のグリップパーツの型番
を見たところ、右グリップの取付け軸側が040090−01A、フタが040093-01Aでした。念の為パーツリストの型
番を調べてみたらパーツリスト記載のナンバーとは既に異なっていました。これは改良されたと言う事でしょ
うか。下の写真右(041149-01A)はロードブラスターの右グリップのフタで型番が違います。しかし今回のグ
リップ(040093-01A)の代用で取り付けは出来ました。まあ右側は元からあるので使いませんが。




グリップの組み立てに入ります。グリップにあるボタンスイッチ(親指で押すやつ)は2つ共欠品していましたか
ら、ロードブラスター用から部品取りします。しかし取り付けるとぐらぐらです。これはそもそもスターウォーズ
の物とはパーツ形状が違う様です。しかも根元が磨耗して細くなっているので余計にぐらつきます。もう、この
パーツを使うのはヤメて丸ごと作り直すか、とも思ったのですが、ネジ箱をあさってみたら、つば付きのカラー
を発見しました。そこで磨り減ったボタン軸の部分を均一に削ってこれをはめ、オリジナルと同じ形状にする事
にします。写真左が完成したボタンをグリップにはめたところです。




左側のグリップのフタはロードブラスターの物を使いますから、ボタン穴のサイズを合わす必要があります。
穴のサイズは使用するボタン軸に合わせます。上で加工したボタン軸はオリジナルと同じ形状にしましたが
本当はポリキャップの様な軸受けを作って付けた方が耐摩耗性の点からは有利です。ロードブラスター用の
ボタン穴は大きいですから、ボタン部分には本来その様な部品があったのかも知れません。もしそのパーツ
もある場合は大きい方に合わせる事になります。大きい方に合わせる場合はドリルやヤスリで削ればいい
のでラクですが、今回は小さい方に合わせるのでやや面倒。やり方はまずグリップ側にタップを立てます。
そしてアルミで同サイズのネジを作り、ぴったりと組み合わせてエポキシ系接着剤で固定。接着剤が固まっ
たらアルミのネジを半分に切って仕上げます。取付け面にタップまで立てるのは確実に固定する為です。




メカ的な加工は終わったので最終組み立てに入ります。マイクロスイッチは消耗しているので全て取り替えま
す。スイッチが付いたら配線を行います。今回取り付けたボリュームには3Pのコネクタが付いているのですが
これは相手側に対応するコネクタを付けてそのまま利用する事にしました。グリップのシャフト内を通る配線
にはスパイラルチューブを通して保護しています。なおハーネスは元から付いていた物を再利用しています。




各パーツのメンテが出来ましたのでパネルを台座に取り付けます。ヨークコントローラーのハーネスの先端
はコネクタになっていますが、元来固定されていないブラブラ状態。筐体取り付けならこれでいいのですが
コントローラーは独立して扱います。これで宙ぶらりんではその内断線しそうなので適当な鉄板に固定しま
す。これでヨークコントローラーの整備が完了しました。




最後の加工としてスターウォーズ基板のヨークコントローラー部分のハーネスを仕上げます。この部分は今ま
で切りっ放しだった部分です。ヨークコントローラーとは特に延長などせずこのまま繋げます。やや短いのです
が、必要に応じて後で延長ハーネスを作ればいいですからね。それでヨークコントローラー完成後、テスター
でボリュームの抵抗値の変化をチェックして見ました。すると変化に偏りがあります。最大で2.5kΩぐらいです。
ボリュームは5kΩですからセンターが出ていないのですが、とりあえずそのまま基板を立ち上げます。ゲーム
は無事立ち上がり、早速プレイします。ヨークコントローラーの各ボタンもOKです。基板を入手してから本当に
初めてのプレイです。お、おうスバラシイ・・・。ちゃんと動くしプレイ出来る・・ニュートラル位置は左に寄ってる
けど。で、暫くプレイした後テストモードに入り、コントローラーのテスト画面でハンドルを回した後にテストモー
ドを抜けるとセンターが出ていました。どうもオートアジャストされたっぽい。で、その後続けてプレイした感想
を申しますと、コントローラーは床に置いただけなのですが、ある程度の大きさがあり安定しているので非常
にプレイしやすいです。その後10回以上夢中でプレイしたのですが、こうなるとやっぱりきちんとしたラックなり
台なりが欲しいところです。この辺はまた今後考えよう。




■


最初の方でベクタースキャンモニターの代用について聞かれた、と書きましたが専用モニター以外にもオシロ
スコープで映せます。2現象でリサジュー機能を使えばOKです。やり方はオシロスコープのX-YをON、CH1を
スターウォーズ基板のX出力に、CH2をY出力に繋ぐだけです。画面サイズは測定電圧調整で合わせます。




下の写真が映してみたところ。工夫とか一切必要無くアッサリ映ります。ただ普段は映らない線が全部描か
れるので画面としてはややこしいです。信号線だけの接続で、色信号はパスしていますからね。




映したついでにプレイしてみました。線が多いのはいいとして、自機のショットビームが映りません。これは
残念だ。と言うか敵をやっつけたのかどうかもややこしくてよく分からん。下の写真右はデススターの爆発
シーンですが、これは上手く映りました。話は変わりますが、オシロがベクタースキャンモニターの変わりに
なるのなら、ベクタースキャンモニターがオシロのモニターになるのでは?と思います。結論を言うと、なる
らしいです。ただごく低周波域に限ってらしいですが。理由はオシロが静電偏向なのに対し、ベクターモニ
ターは電磁偏向だからだそうです。






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