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アタリ ザイボッツを起動

今回はアタリのザイボッツを起動、プレイ可能にします。主催者がザイボッツを知ったのは
'87年ごろのファミマガ。アーケードの新作コーナーに紹介されていました。雑誌に掲載され
たのなら広く出回るかと思ったのですが、まるで見かけませんし、プレイした人の感想も聞
いた事がありません。要は出回りがかなり悪かったらしいです。その後もザイボッツに関す
る情報は殆ど無く、たまに雑誌のオールドゲーム系の記事で見る事がある程度。それら少
ない情報をまとめると、ゲームはダンジョンを進んで行く。途中アイテムを買う事が出来る。
特殊パネル採用でレバーをひねると向きが変わる。等の情報が載っています。ザイボッツ
はプレイ画面も個性的ですし、しかも特殊パネルとくれば主催者としては興味を持たずに
おれません。その後機会があって基板を入手出来たので今回プレイ可能に持ってきます。

ザイボッツタイトル画面


さて、ザイボッツの基板ですがメインボードとオーディオボードの2枚組でした。2枚組なの
はいいのですが、サイズが微妙に違うので扱いにくい感じ。そう言えば昔持っていた同じ
アタリの”ツービン”もこんな感じで扱いにくかった。本来基板は筐体の背板等にネジ止め
して取り付けるのでこれで問題ないのだろうけど、基板単体での自宅プレイでは収まり
が悪い。まあ、基板の収まり加減は後で考えるとして、まずは起動試験を行います。
基板はJAMMAでは無く、電源、映像等全て別々のコネクタから出ています。それでまず
電源コネクタのピン配列からチェックをしたのですが、使用電源がこれまた特殊。一般
的なJAMMA用では対応出来ません。配線図によると+5Vの他にAC12Vが2つと、更に
AC17Vが1つ必要になっています。こりゃ参った。こんな電源はありません。何とか手持
ちの部材で同様の電圧が作れないか考えた結果が下の写真。なんかごっついトランス
が見えております。内訳を申しますと、まず+5VはJAMMA用から取るので下の写真には
ありません。次にAC12V×2ですがこれはオーディオアンプ用の+14Vと-14Vを得る為の
物です。つまり12V-0-12Vのトランスがあればいいのですが、手持ちであったのは出力
20Aの物。下の写真左の一番右にある黒いでかいやつ。実際には出力2Aぐらいでもい
いと思うがこれしか無いし、起動試験で使うだけですからこれで行きます。で、次にAC
17V。これは探してもそんなトランスが無かった。そこでスライドトランス(下の写真左で
白い円筒形のやつ)でAC17Vを得ます。ただ、スライドトランスは俗に言うオートトランス
と言うやつで1次巻き線しかありません。つまり1つのコイルの上をスライダーが動く構造
になっており、場所により好みの電圧を得るのです。1次巻き線だけなのでAC100Vのラ
インと絶縁されていません。これでは危険なのでスライドトランスの手前に1:1のトランス
を入れてACラインと絶縁しています。それが下の写真左の一番左側の黒いやつです。

ザイボッツ用仮電源


それで通電した結果は見事に起動。最初映像はまさか24khzじゃネェだろうな、と思っ
たのですが、15khzの様で一安心。音声も問題なし。スピーカーは片チャンネルだけ
しか繋いでませんが。普通ならこれで即プレイ、となるのですが今回はそうは行きま
せん。コントロール系の配線がまだありませんからね。電源が仮の状態でコントロール
系のハーネスを作っても今後どうなるか分かりませんから、まずは電源回りを完成さ
せ、その時点でプレイ可能な状態まで持って行く事にします。

電源トランスは今回の用途にピッタリなのを注文するとして、念のために基板の電源
入力部を良く確認します。すると・・・。まずAC12V×2は、トランスの0VをGNDにして
ダイオードで整流、+と-の14Vを作ってアンプの電源にしています。一方AC17Vの方は
図面では78XXに入り電源としている・・・?78XXとは3端子レギュレーターの様だが、
電源としては不確定だからその都度選定しろ、と言う事らしい。そこで念のため基板
上の部品を確認して見ると、この部分の実装はありません(下の写真左)。要はザイ
ボッツではAC17Vはいらん!と言う事です。ならば必要なのは+と-の12Vだけです。
実際には基板上で14Vを得ている様ですが、12Vでも問題無いでしょう。それならば
トランスなんてメンドくさいのはヤメてスイッチング電源で行った方が扱いがラクです。
そこで候補に挙がったのが任天堂ゲームキューブ用のACアダプタ。このアダプタは
12V出力ですし、電流も3A出るスグレ物。品質も任天堂基準だから問題無いと思うし
価格も安い。そこでこれを2台直列にして、+と-の12Vを得ます(下の写真中)。実は
ゲームキューブ用のアダプタも4種類ぐらいあり、内部に調整ボリュームの付いた日本
製から中身がスカスカの某国製まであるのですが、ここは外観をスマートにするべく
一番スカスカのやつを選択します。スカスカと言いましても、放熱板が片側に寄ってい
るので表面上、スカスカに見えるだけなのですが。こちらですと内部に線を這わせる
スペースがラクに取れるので外観がスマートになる訳です。詰まったやつの中に線を
這わすと、放熱板の熱やら組込み時の挟み込みによるショートの危険があります。

未使用パターンとスイッチング電源


電源が出来たので次は2枚の基板を上手くまとめる方法を考えます。サイズの異なる
基板どうしをがっちり固定、一枚物として扱える様にします。まずは基板端の穴の一つ
を普通のスペーサーで固定。後の2つはホルダーを作って下の基板と固定します。下の
写真左が今回作った基板ホルダー。アルミ角棒を鋸で加工して製作。上の基板はネジ
で固定、下の基板はスリットに差し込みます。そのままでは傷が付きそうなので、下基
板にビニルテープを当てておきます。残りの一つはそのままゴム足で基板の上に乗っ
かっているだけです。下の写真右がJAMMA化が完了したザイボッツ基板。トランスも
注文したのですが、絶縁とか重量を考えるとスイッチング電源の方がやはり扱い易い。

基板をスペーサーで固定


基板のJAMMA化は完了しましたが、プレイする為にはパネルの準備も必要です。
しかし調べると専用パネルが無くても普通の1レバー3ボタンでプレイ出来そうな感
じ。最初はレバーをひねると向きが変わる部分はどう言う構造だろうと思っていた
のですが、実物はレバー末尾にスイッチが2個付いているだけでした。この部分を
ボタンスイッチで代用すればそのままJAMMAでプレイ出来そうです。その場合向き
を変えるのに2ボタン、ショットに1ボタンで合計3ボタンです。そこで早速3ボタンで
プレイして見たのですが・・・。ちょくちょく操作を間違えます。このゲームはルート
の分岐点では無い、一直線の通路でも横に向く事が出来ます。つまり横を向いた
まま移動(カニ歩き)が出来るのです。横向きで移動する利点は、分岐点で対面し
た敵にすぐさま発砲が出来る事。その時ショットを押すつもりが間違えて回転ボタン
を押すと方向がこんがらがります。ショットのつもりで回転を連打しようものなら、回
転しすぎて訳分からん状態になります。う〜む専用レバーは伊達じゃ無い。やはり
ザイボッツパネルをメンテしてセッティングする事にします。下の写真がザイボッツ
パネル。真ん中の写真を見るとパネル下にえらく長いレバーですが、レバーとして
の動作は普通のレバーと一緒。ただ、末尾にマイクロスイッチが2つ付いています。
これが方向転換のスイッチです。

ザイボッツパネル


早速レバーのメンテを開始。パネルからの取り外しはM10のボックスドライバーが
使えました。ただレバー本体とナットの間が狭くて最初は入りませんから、初回の
みラジオペンチでナットを少し緩めます。レバーを取り外すとやはりちりやホコリが
出ました。下の写真右が方向転換スイッチを取り外したところ。

レバー取り外し


外したレバーを見ると以前UPしたアタリ 720°をプレイの回転レバーに良く似た
モールド。汚れ具合もそっくり。ただこちらはシャフトの軸受けが金属製で、更に
回転止めのピンが打ち込まれています。

レバークリーニング前


クリーニング&エアブローしたのが下の写真。この状態で仮組みしてレバーを操
作すると、まだ動きが非常に硬い。この硬さの原因は軸受け上部の白い円錐形
のパーツが磨り減っている為っぽい。このパーツはスプリングで常にレバー本体
に押し付けられており、レバーから手を離した時にシャフトを直立させる役目を負
っています。いわば本体に常にこすり付けられているパーツなので磨り減った様
です。最悪作り直すか?とも思ったのですが、パーツ同士の接触面積はまだ割と
残っている様なので、まずはグリスアップして様子を見ます。

クリーニング&組み立て


で、グリスアップした結果スムーズな動きに。最初は4方向は何とか入るのです
が、斜め(8方向)は硬くて無理でした。今は普通に入ります。でもこのゲームは
4方向入力なので、8方向は別に入らんでもいいのだけれど。

メンテが完了したレバー


レバーのメンテが終わったらパネルケースを作ります。これが結構面倒。だけど
オリジナルのパネルを使うのなら絶対必要ですからね。ケースはパネルの形に
合わせて木材を加工、オイルステイン&ニスで仕上げ。ケースが出来たらパネル
をカポッとはめ込みます。もちろんゲームラックに置いて使える仕様。

パネルケースを製作


オリジナルのパネルは最高だ!しかし・・・でかい。主催者としてはもっと気軽
にプレイしたい。そこで例によってザイボッツレバーを作って見ます。要はルー
プレバーのロータリースイッチのところに押しボタンスイッチが2個あればいい
のです。ただし押しっぱなしではまずいですから、操作が無い時にはセンター
に戻る様にスプリングを取り付けます。

ザイボッツレバー自作


下の写真左と中がメカ部が完成したザイボッツレバー。シャフトのひねり動作で
方向入力が入ったりしない様に、レバーのスプリングを少し強化。作例ではスイ
ッチがまだ付いていませんが、フォトインタラプタを付ける予定。フォトインタラプ
タにするのはスイッチよりもメカが小型に作れる為です。とりあえずこれでメカの
加工はいいか、と思ったのですが・・・。実はLS-32等のシャフトの末尾に金具を
付け、回転止めを利かすと、横方向にレバー入力した時にシャフトの握り玉が
ねじれます。シャフトが円運動をしている為です。下の写真右で金具が斜めに
なっていますが、シャフトの円運動とはこの事です。オリジナルのループレバー
はシャフトの軸受けがレバー本体の奥の方にあり、回転止めと近いのでほぼ
ねじれは起こりません。LS-32等を使って自作する場合は回転止め金具をクラ
ンク型に曲げると、その分軸受けに近くなり違和感が減少します。まあ実際の
ところループレバーの操作は方向入力しながらぐりぐり回すので、あまり気に
なりません。しかしザイボッツは4方向入力で、回しながらの移動はあまり無い
様な気がします。高次面になればそれどころでは無いのかも知れませんが。
つまり現状ではシャフトの円運動はやや気になります。

ザイボッツレバー1stタイプ


そこで絶対に円運動しないレバーを作る事を決意、出来たのが下の写真。レバー
入力を横にしても、斜めにしてもシャフトはねじれずにいます。上下に回転止め
を付け、レバーを横に入れた場合は上下の回転止めが同時に傾きます。これで
シャフトは円運動しませんし、ストッパーの役目も果たしている訳です。操作に
違和感もありません。しかし下にメカが増えた分、レバー入力は少し重くなりまし
た。でもこのゲームの場合、入力が安定するのでかえって好都合です。と言うか
オリジナルのレバーよりはまだまだ軽い動きです。

ザイボッツレバー改良型


握り玉はナスビ型を採用。ボール型より操作性がいいです。今回のメカはループ
レバーの回転止めにも使えます。ここで改めて最初のメカと感触を比べて見たの
ですが、最初のよりは確かにいい。しかし製作の手間を考えると、それに見合う
かどうかは疑問な気がしてきた。実際プレイを開始したら最初のでも気にならな
かったかも知れない。

ザイボッツレバー完成




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