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ドラゴンクエスト 1/1ロトの剣

■ ロトの剣の製作

主催者は余った真鍮板でラーミアの飾りを作りました。それを友人に見せたところ”次はロトの剣だな”
と、おだてられました。しかしロトの剣の製作はかなり大変そうなので、適当に”そうだなぁ”などと
あいまいな返事をしていました。下の写真がその時製作したラーミアの飾りです。



しかしながらロトの剣の材料に使えそうな部材を発見すると、そのつど集めてはいました。そんな中、
刀身(ブレード)に使えそうな部材を入手した主催者は、とうとう製作を決意、図面を書きました。

ドラゴンクエスト 1/1ロトの剣図面

まず最初に取りかかったのは、グリップの部分です。これはφ25mmのステンレスの水道管です。
両サイドにネジが切ってあり、真鍮製のバルブが付いていました。バルブは根元から切断し、
ネジの部分だけを削って使用しています。左右で削り方が違いますが、付いていたバルブの形状が
違ったため、バルブのモールドを避けてうまくパーツ取り出来る様に削ったらこうなりました。



次は刀身です。刀身の材料は厚さ10mmのステンレスです。長さは全長1350mmほど。当初の計画では
もう少し短かったのですが、せっかくなので材料の全長をそのまま生かして製作することにしました。

さて、刀身を金属で製作するとなると、気になるのが銃刀法です。違法な物を製作するわけには
いきません。そこで本格的な製作に入る前に、警察署に製作可能か電話で問い合わせて見ました。
警察の方でもこのような問い合わせは始めてらしく、調査の上、改めて返事を頂く事になりました。

その後頂いた回答は以下のとおりです。
1. 本物の日本刀の場合、美術品としての価値がある物ならば届け出れば所持はOK。
2. 美術品としての価値が認められない刀剣類は、ただの危険物なので所持はNG。
3. 許可を受けて一般に市販されている模造刀の所持はOK。
4. 自作で本物の刀剣類を製作することはNG。(資格が要る)
5. 自作品で模造刀を製作する場合、刀身には刃が付かない事。(木材もしくは焼入れ硬化性の無い金属を使う事)。そして展示のための製作など製作目的がはっきりしており、展示した品により事件、事故が起こらない様に配慮されている事。その場合に限り、展示場へ運搬する事もOKになる。(運搬するだけでも許可が必要な場合がある)

以上の様な回答を頂きました。今回刀身にはステンレスを使いますが、型番はSUS-304と言う物で
焼入れ硬化性が無く、刃物には使えないタイプです。この事も説明して晴れてOKをもらいました。

許可が出たので、早速切り出しに入ります。切り出しにはステンレス用の刃を付けたバンドソーを
使います。もし手で切っていたら切断だけで1ヶ月以上かかるのでは?と思います。写真は書いた
図面を切り取り、ステンレス板に外形を書き写したところです。



切り出し中。材料が長いので、手で支えながら少しずつ送り込んで切断します。思ったより
スムーズに切断できてます。と言いましても、切断速度は1秒間に0.2mm程度ですが・・・。
15cmぐらい進むと材料を支えている手が重さできつくなってきます。



切断には3日ほどかかりました。写真では斜めにパーツ取りしていますが、これは材料の有効利用
のためです。残った部材が大きいほど、他に有効利用できますからね。なお、切り出した時点で
わずかに刀身が反っている事が判明。そこで刀身の両端に木材を置き、まん中で主催者がピョンピョン
飛び跳ねて反りを直しました。かなり丈夫であることは間違いなさそうです。



刀身を作る上でのもう一つの難関、ミゾ彫りです。これが終われば全工程の半分は終わった様な
気がします。主催者の持っている小さいフライスで少しずつ削っていきます。フライスの刃(エンドミル)
は10mmを使用しました。一本しか持っていないので欠けたら購入しなければなりませんが、奇跡的に?
最後まで持ちました。ミゾが彫れたらルーン文字を入れますが、こちらは完了までに5本折ってしまった。
最初などステンレスの部材に位置決めでチョン!と当てたら、それだけで欠けてしまった。(泣)



刀身にルーン文字が入りましたら、縁をサンダーで削ります。荒削り用から始めて、最後はゴム製の
磨きディスクで仕上げました。刃は付いていないのでブレードをつかんでも平気なのですが、触ったら
切れそうな風に見えます。

ルーン文字を彫刻

ブレードの下には不死鳥ラーミアの飾りの付いた特徴的な鍔がつきますが、ここで最初のデザインが
あまり良くない事に気づきました。最初のデザインは左側のやつで鍔の左右が一つの円型になって
います。実際には茶碗の様な広がった形をしています。そこで、右側の様にデザインを変更しました。

ロトの剣 図面変更

デザインも決定しましたので、また同じ様に材料に書き写します。鍔の材質はアルミニウムです。
段差の形をフライスでガリガリ削ります。かなり面倒なはずですが、刀身に比べたらだいぶラク。



写真左は削り終わったところ。左右がつながっています。写真中は裏側。刀身が入るスペースが設けて
あります。最後につながった左右を切り取ってサンドペーパーで細かい部分を仕上げます。

鍔パーツ加工完了

ここでブレードの根元に付くパーツを真鍮で作って貼り付けます。そして出来上がった鍔のパーツを
取り付けると・・・。中々いいではないか。なお、写真には写っていませんが、ここで刀身の末尾に穴
を開けてM6のネジを切り、グリップの末尾に付けたボルトで両方をしっかり固定する様にしています。



いよいよラーミアの飾りです。ボール紙で模型を作り、鍔の段差がいい感じに見える様に調整します。
ラーミアは厚さ2mmの真鍮。厚みもありますので、ラーミアの縁を削って段差を作り、見栄えを良くします。



さて、ここでもう一手間かけます。左の写真はステンレスのパイプと真鍮の棒。これでラーミアを
挟み、万力で締めます。するとラーミア中央がプレスされて立体的に膨らみます。効果のほどは良く
わかりませんが、きっと良くなると信じて・・・。写真右は出来たラーミアを磨きこんだところ。



後もう少しなのですが、ここから細かい(面倒な)作業が続きます。ラーミアのまん中に穴を開け、
穴回りに付ける装飾を作ります。装飾のウネウネはバランスを見ながらサイズを考え、平らでは
今一なので、中央にはリングを、装飾自身も適当に彫りこみます。装飾の交差する部分は空洞に
しましたが、物が小さいので細いドリルでいくつも穴を開け、これまた細いヤスリで仕上げました。



出来た装飾を真鍮釘をリベットにして取り付けます。ラーミアの鍔への取り付けは、ホームセンター
で真鍮の洋折れ(壁に取り付けるL字型の引っ掛け)を買ってきて短く切断、頭をマイナスネジ状に
加工して、真鍮のスペーサーで高さを調整して取り付けます。

ラーミア加工

もう、こうなってくるとロボットの様に製作しています。今やめると何年も停止してしまいそうな感じ、と
でも言いましょうか。一気に完成まで突っ走るしかありません。後は宝玉とグリップに布を巻くことです。
宝玉は人工ルビーを使用。ルビーと言いましてもベルヌーイ法で作られたものでかなり安い。ひょっと
したらアクリルより安いかもしれない、と言うぐらいの物。これが楕円な上、ダイヤカットされているので、
取付けが面倒。保持するパーツをいくつか作って、うまく固定できる物を選定して取り付けました。

宝玉の取付

最後に手芸店で買ってきた紺のリボンを巻いて、ついに完成!
完成してみると、剣としてはかなり重い。筋肉バカである勇者様しか装備できない剣になってしまった。
そんなわけでそこらへんに転がしておいて蹴飛ばしたりしたら足がかなり痛い。そこで展示用の台座を
急遽作りました。剣のカラーが金、銀、紺なので、台座の縁は赤系に。剣をセットする表面の木材は
朽ちた上、コケ等も生えたボロボロの木材をあえてチョイス。伝説の剣なのでそれもありでしょう。

1/1ロトの剣 完成

本体サイズは1m45cm、重量は4.5kgほど。製作期間は約2ヶ月でした。



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この剣を地元の小学校の趣味作品展に出したところ、先生方に大人気。子供らの反応はどうだったか
主催者は知らない(何も聞いていない)・・・。

ドラゴンクエスト 1/1ロトの剣

剣は最初は寝かせて置いていましたが、でかすぎて場所を食うので台座を立ててセットする様にしました。

1/1ロトの剣 展示台

剣は縦に長いので写真も細長くなって、全体像の掲載がし辛いですね。

1/1ロトの剣 全体像 1/1ロトの剣 ラーミア部分 1/1ロトの剣 剣先



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このたびギャラリーを追加しました。下の写真をクリックすると別枠で大きな写真を表示します。






















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