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ディスカバラTVをアーケード用に改造


”スペースエイジ”カテゴリのテレビのコーナーでは、フィリップス ディスカバラTVを紹介しています。
デザインがやたらカッコいいTVで、ブラウン管前面のバイザーも開閉すると言うこだわり様。このTV
は元々故障品だったのですが、何とか直して映る様にしました。その後アナログ放送も終わり、ディス
カバラTVを動作させる事も無くなりましたが、TV自体は仕舞う事無くずっと部屋の片隅に置いてあり
ました。それで2015年になってから久しぶりに電源を入れると、またまた映らなくなっていました。下の
写真はTVがまだ映っていた時の物で、アナログ放送の受信。




映らなくなったのを知ったからには修理しなくてはなりません。不具合症状は入手時と同じなので、以前
修理した部分がまた悪くなったのだろうと予想。それで調べたのですが、その部分は特に悪くはなってい
ませんでした。それ以外で考えると、TVの故障は基板の半田クラックが最も多いですから、その方向で
調査します。すると沢山のクラックが見つかりました。しかし修正しても一向に起動しません。それでこの
TVの故障について調べると、映らなくなる(電源系の故障)はいわば定番で、しかも相当の難物との事。
これは専門家が見ても元通りに直る可能性は非常に低い、と言う事です。

それでも暫く見ていましたが、ここでふと考えます。もし直ったとしても所詮アナログTVです。チューナー
など無用の長物ですし、それ以外の入力はコンポジットビデオが一つだけ。ゲーム機或いはDVDデッキ等
をビデオ入力で映すだけの用途です。もしこれがRGB入力が可能ならば・・・。利用価値は大きく上がりま
す。そこでヒラメキました。修理なんざ止めて内部メカを入れ替えてしまうのです。入れ替えるのはもちろん
業務用モニター。ディスカバラTVのブラウン管は14インチです。もしかしたら手持ちの14インチ業務用モニ
ターが収まるかも知れません。それで早速TVを分解、ナナオの14インチモニターと比べて見ます。下の写
真右の黒っぽい方が元のディスカバラ用ブラウン管。

なお多くの方はご存知だと思いますが、ブラウン管には高電圧が溜まっており、うかつに触ると大変危険
です。主催者もビビリながらやっています。良く分からない場合は手を出さない方が無難です。




サイズ的にはピッタリで収まりそうな予感。しかしここでまた考えます。収まったとしてもTVの筐体には僅か
なブラウン管の曲面の差により無理な応力が掛かり続けるかも知れない。それにディスカバラTVのブラウ
ン管はドットが細かい上に使用期間が短い良品です。そこでブラウン管の利用が可能か確認して見ます。
ブラウン管の規格(ソケット)がナナオの基板に合えば使える可能性があります。それでナナオのネック基
板をディスカバラのブラウン管に挿して見たのが下の写真左。うむ、規格は同じ様です。そこで次にナナオ
の制御基板を使用して実際に映して見ました。結果は・・・。残念ながらダメでした。画像サイズがまともに表
示されませんし、何か危険な音も発しています。画像サイズが異常と言う事は偏向ヨークが合わないとか?
そこでそれぞれの偏向ヨークを見比べると、偏向ヨークコイルの巻き数が結構違います。




そこで偏向ヨークも含めたブラウン管以外の部品をそっくり入れ替えて映して見ます。すると今度はヘンな
異音も無く、画面サイズも正常に出ています。




これは使えそう!そこで次に実際にゲーム基板を繋いで映るか確認します。それで接続したのが下の写真
左。ゲーム基板はファンタジーゾーン、ゲーム基板の駆動には以前紹介したアタッシュケース型コントロール
ボックスを使用しています。それで起動すると・・・。映った!映り具合は当然業務用モニター品質で上々で
す。




ディスカバラTV(とブラウン管)は立派に業務用ゲームモニターになる事が判明しました。しかし・・・。ここで
また考えます。ナナオのモニターから制御基板だけ使い、ブラウン管だけ置いておいても始末が悪いし、そ
もそもこのモニターは他に使う予定があるのです。まあナナオの制御基板だけ入手できれば解決するので
すが、今となってはそれも難しそう。そこで一旦ナナオのモニターは置いておき、他のモニターを探します。
要はブラウン管ソケットの規格が合えばいいのです。それでオークションで入手したのが下のモニター。
東映製の中古モニターです。ブラウン管のソケットが合うので入手したのですが、ジャンク扱いの品でした。
映る保障は無い、との事でしたが動作させたところ映りました。ただ制御基板上のトランスが暫くの間ギー
ギーと異音を発します。しかしこれは動作が安定した時点で止まります。その間2〜3分と言うところでしょう
か。また、ブラウン管にはカードゲーム(ポーカー)の焼き付がありました。




とりあえず東映のモニターの制御基板をディスカバラTVのブラウン管に繋いで見ます。で、映した結果ですが
特に危険とかヤバイ事は無かったのですが、映りは先のナナオのとは結構違う。なんか発色が良くないし、
ブラウン管の両端に着磁した様なムラが出ます。着磁なら消磁器を使えばいいと思い消磁して見ますが、
一向にムラが消えません。これは元から付いていた(焼けのある)ブラウン管ではこの様な事は無かったで
すし、先ほどのナナオの制御基板でも見られませんでした。ではやはり相性の問題なのか?下の写真が東
映の制御基板で映して見たところ。左の白一色の画面は写真ではそう酷くは無い様に見えますが、実際は
結構酷く、右のファンタジーゾーンでは山の色の端が赤くなっているのが分かります。




ここでやる気を無くして暫く放置していたのですが、いい加減足の踏み場が無い状態なので片付け始めま
した。その時ついでにもう一回映して見るかと思い、セッティングをしました。その時ふと気が付きました。
ブラウン管の滲みは明らかに着磁なので磁力が影響していると思われる。磁力と言えば偏向ヨーク・・・。
偏向ヨークの位置が悪いとか。そこで偏向ヨークの位置を数ミリずらして見ると、アッサリ滲みは消えた。
なーんやこんな事やったんか。そこでまたファンタジーゾーンを持ってきて映して見る事に。ムラも消えた
ので画面を見ながら最良点に調整したところ、何だかスバラシイ発色に。最初発色が悪かったのは元の
輝度調整が強すぎた為の様でした。その後映像は入れずに2日間連続通電しましたが異常は全くありま
せんでした。

映りが良くなったのでここで色々な基板を映して見ました。それでG-NETの上海三国牌闘儀を映した時の
事なのですが、このゲームではデモ画面で背景が黒から白に切り替わる時があります。その切り替わり時
に画像が歪みます。まあブラウン管TVなので輝度が大きく変わる時に少々歪むのはありえる事なのです
が、明らかに異常です。また上で書いた電源投入時のトランスの鳴きも、輝度を上げるとより発生します。
むう〜これはどうやらブラウン管の高圧駆動回路が劣化してパワー不足になっているっぽい。モニターの
制御基板には基板ボードの一部がコゲて黒ずんだ部分があるのですが、これは部品の発した熱で徐々に
コゲたのです。当然その部分に係わる部品は劣化が考えられます。それで劣化部分を調べるか、と言いた
いところですが回路図も無いのでそれなりに面倒ですし、どっち道、交換用部品が手に入らなければ意味
がありません。なので他に使えそうなモニター基板が無いか再度探します。そうしたところ同じ物を見つけ
ました。しかし今度のは完全不動品。完全不動品の物を入手してもゴミを入手するだけでは?とも思いまし
たがダメ元で入手して見る事に。ちなみに無償でした。それで届いたモニター基板を見たところ基板のコゲ
とかは殆ど無く、状態はこちらの方がだいぶマシ。ただ妙な事に調整用ボリュームが全て抜き取られてい
ます。更に電源投入時に消磁コイルを駆動させる部品であるポジスタが破損しています。




ううむ。完全不動品の今回のやつの方が劣化は少なそう。ならば試しに前の基板からこちらにボリュームと
ポジスタを移植して映るかどうか見てみます。結果は・・・。アッサリ映った。しかも上海を映しても画像の
歪みは出ません。ただ電源投入直後の異音はやはり出るのですが、音が小さい上にすぐに止まりますから
問題無さそう。こうなると良く分からんのが入手時の状態。何だったんだろうあれは。とにかく映りは十分な
のでこの制御基板を使う方向で行きます。それで次にディスカバラTVのケースの中に制御基板が上手く収
まるか見てみます。確認した結果、下の写真左の方向なら上手く入りました。写真を見れば分かりますが、
調整ボリュームが向こうを向いています。各種調整の事を考えると逆向きが良かったのですが、それでは
裏カバーがセット出来ませんでした。でもこの向きなら十分余裕があり楽々収納が出来て基板の固定すら
不要です。ここで一旦裏カバーを閉じて見ます。元のACコードの出口部分からACコードとRGB配線が取り
出せました。




映らなくなったTVが業務用モニターとして使える様になりました。この状態でゲームプレイが可能です。
それで使ってみて感じたのですが、やはり電源スイッチはTVに元から付いている物が使えた方が便利。
そこで基板のスイッチ部分を切り出してTV内部にセットして見ます。すると思ったよりラクにセット出来た
のでこれをそのまま使います。スイッチ基板を使うのでしたら他のスイッチをコインとかテストスイッチに
使えば更に使い勝手が良くなりそうです。下の写真は切り出したスイッチ基板とそれをTV内部にセットし
たところ。配線も引き出してあります。取り付けには元から有る穴を使い、TVケースの加工は無しで行け
ました。




スイッチ基板をセットしましたが、ディスカバラTVのスイッチは押している間だけONするタイプなのでその
ままでは使用出来ず、ON状態を持続させる必要があります。その場合自己保持回路を作らなくてはな
りませんが、自己保持回路用の電源も必要になります。別途ACアダプタを使ってもいいのですが、まず
はTV内部から電源が取れないか探して見ます。すると下の写真左の中央に映っている、大きめの電解
コンデンサに13Vの電源が来ている事が分かりました。なのでこの部分から電源を引き出します。また、
各種調整用のボリュームが奥の方を向いている為に調整がやりにくくなっているのですが、実際にこま
めな調整が必要なのはブライト調整ぐらいで、他のはそう触らなくても支障はありません。なのでブライト
ボリュームだけ線を引き出し、本体裏にでも付けられないか実験して見ます。それで線を引き出したのが
下の写真右。ノイズを拾うとかが懸念されたのですが、動作させたところ特に問題はありませんでした。




さてここで電源の自己保持基板を作ります。スイッチは電源とテスト、サービス、コインがあれば十分なの
ですが、もう一押ししてコンポジットビデオ入力と音声アンプも内蔵する事にします。ビデオ入力と音声ア
ンプがあれば、ゲーム以外のDVDデッキ等も接続出来て用途が広がりますし、TVのスイッチが全部で9つ
もありますから、ビデオ切り替えで有効利用しようと言う訳です。それで作り始めたのですが・・・。まず自己
保持回路とRGB切り替えの部分を作って切り替え実験をしたのですが、切り替わりません。というか画像が
出ません。切り替えはアナログスイッチを使っています。同期とRGBは別型番のICです。とりあえず同期回
路は直結にして切り替え回路から放し、色信号だけの切り替えをして見ます。しかしまだ出ません。ハテ?
ここで試しにRGB信号のGNDを他から切り離し独立させると、ナゼだか良く分からんが画像が出ました。
出たと言いましても画質は全然ダメで、ブライトがメチャクチャです。その後色々実験しましたがちっとも良く
なりません。ちなみに波形等は見ていない。そこまでする気がありません。バッファを入れてバイアスを正
しくかけたら行けるかも知れませんが、基板に実装スペースがありません。ちなみにクロストーク(信号漏
れ)も酷く、切り替えても画像が見えます。なんかもうこれ以上やるのが面倒になってきました。もうアナロ
グスイッチはヤメてリレーで行きます。映像関係を機械式接点でやると接触不良が起こりやすいのですが、
今よりましです。それでアナログスイッチを取り外し、リレーに置き換えて動作させると一発でキレイに出ま
した。当然クロストークも無くキレイに切り替わります。しかしリレーコイルを動作させた方の接点使用時に
垂直同期が乱れる時があります。リレーの接触不良か?と思いましたが同期配線を直結させても出ますし
画面を良く見るとリレー切り替え時に画面のサイズが若干変化しています。これは・・・。原因は上で書いた
TVの制御基板から電源を取った為でした。別途ACアダプタにしたら安定しました。アナログスイッチの時に
GNDを切り離したら画像が出たのもこれが原因かも。実は制御基板から大元の電源ON/OFF用の電源を
取った場合、電源の制御は出来無い(OFFは出来るがONが出来無い)事に気付いたのですが、画像の切
り替え実験はそのままでやっていたのです。これがいけなかった。下の写真は画像切り替えがOKになった
ので、ビデオコンバーターを接続してビデオ入力の映り具合を確認しているところ。モニターの制御基板は
アーケード基板に合わせてありますから、予想通り?画面は暗かった。RGBアンプを入れるのがいいので
すが、ブライト調整でほぼ問題無い画面になりました。とりあえずこれで行きます。




画像切り替えはOKになりましたのでビデオコンバーター使用時の音声アンプを作ります。上の写真を見る
と、基板に約半分の空きがあります。ここにアンプ部分を作ります。ただ面倒なのはディスカバラTVの音量
ボリュームはメーカー品に良くあるボタン式である事。わざわざボリュームの為に回路が要るし、そもそも
主催者は作った事が無いのです。それで良く分からんが使えそうなICを手配して適当に組んで見ました。
結果は音量を上げるとセットノイズ(ザー音)が多いが無事動作。丁度いい音量ではあんまり聞こえんから
もうこれでいいわい。ボリュームICには音量に応じたLED出力も出ていますので、ついでにこちらも配線。




何とか電気工作部分が完了しました。下の写真左が今回作ったシステムです。ビデオ入力はTVに元から
有る端子を流用しています。後はこれをTVに組み込みます。RGB入力用のDサブ、ゲーム基板に繋ぐコイ
ン、テスト、サービスとスピーカー用のコネクタ、TVの基板から引き出したブライト調整ボリュームをTVの
裏に付けます。ブライトボリュームは元アンテナ入力用の丸い穴を利用しています。




いよいよ最後の組込みです。いや〜今回も手間取った。主催者は工作自体を楽しむ気は余り無く、とっと
と終わらせたいタイプなので、もう集中的にやりました。組込みはTVの制御基板、自作の基板、ACアダプ
タがありますが、全て固定せずTVの中に放り込んであるだけです。TVのケースを結合する時、ブラウン管
部分を下に向けたりしましたが割と安定しており、中で暴れてショートとかの可能性はとりあえず無さそう。




さて、完成しました。まずは色々なゲーム基板を映して見ました。それで感じたのですが、色彩がとにかく
ハデ!近頃は液晶画面ばかり見ているから特に思うのですが、もし液晶が印刷だとするとブラウン管は
ステンドグラスの様なイメージです。下の写真ではタイトル画面のナイトメア・・・の文字が本当にキラキラ
と金色っぽく感じます。ただ素子やらコンバージョンの関係から画像のシャープさは桁違いに液晶の方が
優れているのですが。




次はビデオ入力。ここではファミコンを映しています。画質はビデオコンバーターを通していますから先の
RGBの様には行きませんが、ビデオ入力としては十分です。ここでゲーム基板からのRGB信号を入れて
ビデオ入力とRGBを交互に切り替えましたが、クロストークは全く発生しません。さすがリレー。アーケー
ドの場合入力レベルが高いですから、リレーでも十分な気がしてきました。




ここで映りにくい基板を映して見ます。まあ制御基板が東映製の業務用ですから、そこそこ映ると予想。
下の写真左からエキシディのサーカス、ロッコーラのニブラー、バリーミッドゥエイのトロン。これらは液晶
+アップスキャンでは中々映らないのですが、さすが一発で映った。下の写真は接続して電源を入れた
だけで、調整等一切していない状態です。




最後にこのTVに似合うと思われるゲームをいくつか上げて見ましょう。まずは左からワンダーモモ。
なぜワンダーモモなのか?そりゃあもうヘルメット繋がりです。次は同じくナムコの源平討魔伝。TVの
中に婆さんが映ると何かこうボロブドゥール遺跡を連想させます。その次、魚ポコ。やっぱキャラの顔
がアップで映るとヘルメットらしくていいね。次はティンクルスタースプライツ。これもキャラの顔アップ
でチョイス。しかし魚太郎(魚ポコ)を見た後だとやや弱い。ヘルメットに映える、キャラの顔がアップで
出るゲームは意外と持っていないのであった。





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