ディスカバラTV用ゲームラックの製作
以前UPした
ディスカバラTVをアーケード用に改造のコーナーでは、映らなくなったディスカバラTVの
内部基板をアーケードモニターの物と交換して、ゲーム用モニターとして復活させました。で、その後
復活させたモニターを使っているのか、と言うとまるで使っていません。理由を申しますと現在モニター
は床にジカ置きになっているのですが、そこにゲーム基板の配線をするとただでさえ片付かない部屋が
ますます散らかりますし、そんな低い姿勢ではゲームもプレイしずらいので中々使う気になれなかったの
です。この状態を解決するには、専用ラックを作って全てをまとめるしかない、と常々思っていました。
それで今回ついにラックを作る事にしました。
さてラックですが設置スペースを稼ぐのが最大の目的です。なのでとにかくスリムで圧迫感の無いデザイ
ンにします。ただスリムなラックですとゲーム基板はサイズ的に厳しいです。また、モニターは家庭用TV
の流用ですから横画面専用です。それならばネオジオが横画面専用であることからこのモニターに向きま
す。そこで本機は主にネオジオをプレイする方向で行きます。マザーはMV-1Bを使用。更に家庭用ゲーム
機もプレイする事を考えます。主催者は家庭用ゲーム機のプレイ環境は普段は準備していないので、いざ
プレイしようとすると電源アダプタやら接続ケーブルやらの掘り出しから始めなくてはならず、プレイ開
始までいつも時間が掛かっていたのです。セットするゲーム機は以前
FC、SFC、PC-E 一体型ハードの製作
で製作した3in1ゲーム機がスペース的にも丁度良さそう。それでラックのデザインですが、過去に家庭用
を遊ぶ為にNECのPC-TV用に考えたスリムなゲームラックのデザイン(下の図)があるのですが、それを
参考に今回のデザインを考えます。下に足になる台座があって上にTVが載る天板があり、それをステンレ
スのパイプで繋いでいる構造です。なお今回使用するTVはディスカバラTVなのでPC-TVより横幅が大きい
です。なのでラックの台座やら天板がどうしても大きくなってしまいますので、デザイン画ほどのスマー
トさに仕上げるのは無理と思われます。

デザインの方向が決まったら早速製作に入ります。まずは下の台座部分から。台座は30㎜角の鉄パイプを
使用して四角い枠型に組みます。以前のデザイン画ではこの部分は分割されていますが、安定度や手間を
考えると、やはり一枚物が有力。台座のサイズはTVが乗る部分より大きい方がいいだろうな~、とは思っ
ていましたが、明確な寸法は考えていませんでした。それでいざ角パイプのカットに入ると、実際にゲー
ムをプレイしたら熱くなってTVが揺れるとか無いだろうな?と思い始め、ならもう少し大きくしよう、と
言う訳で予定よりも大きく切り出し、結果47cm×45cmほどになりました。台座の角には厚めの鉄板でステ
ンレスパイプ取り付け用の基部を溶接します。

台座の枠が出来ましたら、その上に敷く鉄板を準備します。ステンレスパイプを取り付ける穴も開けてお
きます。加工が完了したらペンキを塗って台座は完成です。

台座が出来たら次はステンレスパイプの加工に入ります。パイプはφ32㎜、長さ910㎜の物を使用。パイプ
は固定できる部分の無い貫通物ですから、ネジで固定出来る様に加工します。加工はステンレスのワッシャ
に同じくステンレスのナットを溶接、更にそれをパイプの末端に溶接します。パイプに付いている張り紙を
見ると溶接使用禁止との注意書きがあります。これは溶接で分岐構造にした場合、耐荷重の保証は無い、と
言う事だと思われます。今回の使用法は末端の、更に垂直荷重での使用だから恐らく問題無いだろう、と勝
手に判断。まあこの辺りは自己責任だね。

台座、パイプが出来たら次は天板。これは木材を使用。台座と同じ色のペンキで塗装します。ここまでく
ると一応ゲームラックとしての外観は整います。それで次に問題になるのがパイプ部分の棚の取り付け。
パイプの外周をつかむ様な金具を作ってそこに棚を付ける方式がまず浮かびますが、やはりステンレスパ
イプは突起物の無い、まっすぐな状態がスマートで良い。なのでこの部分はステンレスパイプの内側に穴
を開け、そこにステンレスの丸棒で作った四角い枠を嵌めこむ構造にしました。枠にはポリカーボネイト
の棚板を作って取り付けます。あと、これは業務用ゲーム対応のゲームラックなのでコントローラーの設
置台が必要です。この部分のデザインはまだ決まっていないので今後考えます。

続いてこのラックはゲームラックなので電源も必要です。モニターやゲーム機の電源をひとまとめに出来
ればスッキリしますし、ネオジオのMV-1Bを動かすためにはJAMMA用電源も必要です。そこで電源BOX
を作ります。電源BOXは鉄板を切って曲げて四角い箱型に組みます。鉄板の曲げですが、前回(3週間前)
作った板金折り曲げ機が早速役立ちました。この部分は少し手間をかけて上部が45°に曲がったデザインに
して見ました。その後溶接で接続、コンセント等の穴を開けます。穴明けは大変面倒で、これだけで4時間
掛かった。

穴明けが出来たら電源BOXの底板と天板を作ります。底板は鉄板、天板は棚板と同じくポリカーボネイトを
使用。ケース自体の仕上げは黒いカッティングシートを使っています。底板にはJAMMA用電源を取り付けま
す。電源はサンワのSWN-7Fを使用、配線を行って電源BOXは完成です。

次にコントローラー(ジョイスティック)を置く台を作ります。この部分は最初はディスカバラTVを置く
天板から金具を出して付けようかと考えていましたが、強度を考えた結果、ステンレスの支柱にブラケット
を取り付けてそこから台を付ける事に決定。ブラケットは本来ステンレスパイプを手すりとして使用する時
使用する物。本当は上で書いた様にステンレスの支柱には突起物を付けたくなかったのですが、スマートな
デザインのブラケットがあったのでもうこれで行きます。ブラケットは左右に2つずつ取り付け、それを厚さ
10㎜のアクリルで繋いでいます。そこにステンレスで直角三角形のホルダーを作り上に台を取り付けます。
ホルダーは1.5㎜厚のステンレスで製作。ただの三角板ではデザイン的につまらんので穴を開けましたが、
ステンレスの穴明けは先の電源BOX以上に大変だった。

ステンレスホルダーの曲げ加工を行います。今迄なら先に曲げ加工をしておいて、上手く曲げが出来たのを
確認してから穴明けでした。理由は曲げ自体が大変で上手く出来ない可能性があるのと、穴を開けた後では
穴が干渉してヘンな曲がり方になってしまう場合あるからです。しかし今は板金折り曲げ機がありますし、
穴明けは曲げる前の方がし易いので今回は先に穴を開けました。曲げ加工が終わったらステンレスホルダー
をブラケットのアクリルに取り付け、更に10㎜厚のアクリルで作ったコントローラー台を上に取り付けてラ
ックの工作は全て終了です。

早速ラックにディスカバラTVとゲーム機を載せて見ます。ステンレスパイプ部の棚の上段にはMV-1Bが載り
ます。その下には3in1ゲーム機を載せます。なお一番下は電源BOXがあるだけで空いている訳ですが、ここに
はファイバーフラワーを載せて見ました。寸法的にはキツキツでしたが何とか載りました。うむ、中々上手く
まとまったぞ。これでディスカバラTV、MV-1B、3in1ゲーム機、ファイバーフラワーの3つが同一スペースに
片付いた事になります。ただ実際に出来たラックを最初のデザインと比べると、当初のスリムな感じは全く無
くなってしまいました。まあねえディスカバラTVの設置面積がPC-TVよりかなりあるからこれは仕方がない。
なお、コントローラーは以前
アタッシュケース型コントロールボックスで作ったコントローラーを拝借して
置いています。

さて次はMV-1Bを動かす為のハーネスを製作します。電源ケーブルは下から上まで引っ張るためかなり長め。
一方映像ケーブル、コントローラーケーブルはかなり短め。MV-1Bはカセットのラベルが正面を向く様に設置
する予定でしたが、ラックの横からソフト交換した方がやりやすい様なので急遽横向きに設置。その結果、
電源ケーブルが余ってしまったので下の方で丸めています。

さて、家庭用(3in1ゲーム機)を映すのなら、やはりRGBで映したいところ。3in1ゲーム機のRGBケーブルは
任天堂のRGBマルチ21ピンですから現状のDサブ15ピンでは繋がりません。そこでRGBマルチ21ピンコネクタ
を新たに増設します。入力切替等は特に無く、Dサブ15ピンとそのままパラに繋がっているだけです。

RGBマルチ21ピンを増設すると問題になるのが音声。今迄RGBはゲーム基板専用でしたから音声アンプ無しで
スピーカーでした。しかしRGBマルチ21ピンでは音声はライン出力ですから音声アンプが必要になります。そ
こでRGBマルチ21ピン使用時はビデオ入力時の音声アンプを働かせる様にします。やり方はRGBマルチ21ピン
コネクタのAVコントロール入力の電圧を拾って音声アンプ切り替えリレーを動作させる様に改造します。

さて改造が終わりました。早速動作させてみたところナゼか?ビデオ入力からRGB入力に切り替わりません。
ハテ?切り替え部分は何も触っていないのだが・・・。良く分からんが、切り替えスイッチボードをディスカ
バラTVから外して改めて操作したら普通に切り替わった。元々スイッチボードからの配線はかなり短く、無
理して引っ張って接続しているのが良くなかったのかも。そこでスイッチボードの配線を新しく長めで作り
変えました。これでセットしたところ切り替えは良くなりました。それで早速TVを組み立て、再度動作させ
ます。しかし今度は画面を明るくすると横方向に画像がビビる事が判明。う~む以前から画像の輝度が大きい
とビビる傾向はあったのですが、今回のは酷い。やっぱモニター基板がボロいのがいかんのか?と思ったので
すが交換用が有るわけでも無し。これは結局モニター基板の主ブライト調整を絞る事でまずまずの状態に持っ
て行く事が出来ました。普段の調整(モニターの裏に出してあるボリューム)はサブブライト調整なのです。
やれやれこれで完了だろ、と思い再度組み立てて次にファミコンを映してみるとこれが今一。なんかコントラ
ストが低くて色も悪い。これはモニター基板のRGBバイアス調整で最良に持って行きました。よし、もうこれ
で悪いところは無いぞ、と思ってもう一度ファミコンのスーパーマリオを映すと、画面の左1/3のあたりにヘン
な縦線が一本入っています。なんじゃこりゃぁ~と思い仕方なくまたモニターをバラきます。多分これは内部
に転がしてあるビデオ-RGB切り替え基板用のACアダプタのノイズを拾っているのでは?と思ったので、今迄
転がしてあったACアダプタを両面テープでモニター後部に固定したところノイズは消えました。いや~RGB
マルチ21ピンコネクタの増設と切り替え基板の音声部分の改造が終わったらすぐに終了するはずだったのです
が、それから不具合連続で完了までに6回ぐらい組んではバラきを繰り返してしまった。中々一発では決まら
んのう。
ともあれ、まずまずの状態になったので色々なソフト(ファミコン)を映してみます。この手のTVの色調整
で役に立つのがスーパーマリオ。色調とかよく覚えている上に、ブロックの茶色とか背景の青が僅かなボリ
ュームの変化で大きく変わるので、この手の調整にもってこいです。それでスーパーマリオ準拠で調整後、
各ゲームを映してみたのが下の写真。全体的にややコントラストがきつめですが、かなり綺麗に映りました。

そんな中、一つだけ今一なソフトが。それが下の写真。ソフトはバブルボブル2。タイトル画面が横方向に
ビビっています。モニター裏に付けてあるサブブライトの調整では改善できず、根本的な調整が必要な様
です。しかしまずいのはタイトル画面だけでゲーム画面ではまるで問題ありませんし、他のソフトの映り
がかなりいいので、もうこのまま行きます。

次にRGB出力を持つファミコン以外の家庭用ゲーム機を映してみたのが下の写真。ゲーム機によって信号の
強弱はありましたが、ほぼ綺麗に映りました。ただタイトル画面で白一色のものはやはり部分的に歪む物が
ありました。

ラックは完成しました。部屋もスッキリしました。このラックは背が高いので立ってのプレイになります。
もし座ってのプレイを考えるのなら、背の高いスツールが必要になりますが、これはまた後で考えよう。
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