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ドンキーコングⅡをプレイ

主催者はドンキーコングⅡの基板を入手しました。このゲームは任天堂の初代ドンキーコング
に、アメリカのマニアがオリジナルの面を製作、追加したと言うものです。2010年ごろ?話題に
なっていたと思います。実は主催者、初代ドンキーコングがメチャ好きなのです。その昔、
スーパーマリオが出た時、ソフトの説明書を読んで非常に違和感を覚えました。キノコ王国?
ピーチ姫?なんじゃそら!マリオと言えばレディだろ!!と本気で思いましたからね。でもすぐに
逆転してマリオと言えばピーチ姫になってしまいました。その初代ドンキーコングの続編と言えば
ドンキーコングJr.ですが、あっちは今一ハマリませんでした。やっぱり初代が一番!その点ドン
キーコングⅡはファンメイドの非公式とはいえ、初代をバージョンアップした物ですから主催者と
しては興味を持たずにおれません。しかしこれを入手するにはアメリカの発売元に直接注文する
しか無さそうです。しかも届くのはドーターボード(追加基板)のみ。なので動作させるには別途
マザー(要するにドンキーコング基板)が必要なのです。注文も良く分からんが、もう一個マザー
が必要なのもかなわん。主催者はドンキーコングの基板は持っているのですが、ドンキーコングⅡ
の基板も出来れば独立した基板として持っていたいのです。理由を申しますと、やっぱりマザー
込みだと手軽にホイホイゲームの交換が出来てラクだし、比較もすぐ出来ます。それに不具合が
出た時の予備がある事にもなりますからね。そんな中、ドンキーコングⅡがマザー込みでオーク
ションに出ているのを発見した主催者はこれを入手、プレイして見ました。





さて、届いた基板はアメリカ版の純正基板でした。基板が届いたのはいいが、ハーネスはおろか
接続図すら無し。まあ図面は持ってるからいいけど。それでハーネスを作り始めたのですが、手持
ちの図面の印刷がビミョーに悪く、特に電源の+、-が擦れて良く分からん。この図面は過去に国内
版のドンキーコングを基板屋から買った時、なぜか海外版のコピーが付いてきたと言う物。過去に
コレで国内版のハーネスを作り始めたのですが、大いにこんがらがった。それで余分に付いていた
落書きみたいなコピーの方を改めて確認したら、そっちが正解だった。今回はその時付いてきた海
外版の配線図が役に立った、と言う訳です。しかし上に書いた通り印刷が良くないので、実際の基
板のパターンを確認しながら何とか配線を完了しました。下の写真が届いた基板と過去に国内版
ドンキーコングを買った時に付いてきた図面2種です。




今回のハーネスはまずは動作の確認用なのと、そもそも配線が合っているかも怪しいので、今は
使っていない古いハーネスを改造して製作。純正なので色反転基板が必要なのですが、US版は
音声アンプも必要になります。これは過去に作ったVS基板用を流用します。





ハーネスが完成したので早速動作確認をして見ますが・・・。立ち上がりません。電源投入時に
一瞬音が出るだけです。画面は全くもって真っ暗。「今回はハーネスの製作に自信が無いから
なあ~。やっちまったか?」と思いましたが、とりあえず各ICの電源端子の電圧を測ると正しく
+5Vが出ています。と言う事はドンキーコングⅡのドーターボードは生きているはずです。そこで
「海外版のマザーがダメなら、国内版に使えるのでは?」と思いなおし、国内版に移植します。
下の写真が移植した国内版ドンキーコングです。一番上が音声基板で、その下にメインCPUが
あります。ソケットからCPUを抜いてドーターボードをセット、ドーターボードのソケットに元の
CPUを挿します。これでドンキーコングⅡのセットが完了。スペースが狭いですが、問題無くセッ
ト出来ました。なお、主催者が持っている国内版ですが、これは東京の基板屋から純正品と言
う事で購入したのですが、購入当初から微妙に怪しい基板です。理由は音声アンプが付いてい
るのですが、それに放熱板が付いて無いとか、各基板を繋ぐコネクタが何か違うとか、付いて
きた色反転基板が超怪しいとかの理由です。(写真の色反転基板は後から主催者が作った物
です)。まあ主催者としては基板に任天堂と入っているし、あまり拘らないのですが。その理由は
業務用ゲーム基板と言えども普通の民生用機器な訳で、メーカーが自由に仕様変更していい
訳です。ガチガチに製品の仕様が決まっているのは、警察の外郭団体(保通協、全防連とか)の
検定試験があり、必ず申請どおりの部品、仕様でしか販売出来ないパチンコ/スロットぐらいで
す。特に古いゲーム基板の場合は、ロットごとに毎回仕様が違うとか珍しくありませんからね。




国内版のドンキーコングの電源を恐る恐る入れると出ました。初期画面が。これで少なくとも
ドンキーコングⅡをプレイする、と言う目的は達成出来ました。よかったよかった。さて、続け
て画面を見ているとゲームのタイトル画面になりましたが、表記はNINTENDO OF AMERICA
と出ます。うーむこれは本来のロムは使わずにドーターボード上のデータのみを使っている、と
言う事でしょうか。起動したので早速そのままプレイ。こ、コレは・・・。いやーホントに楽しい。
ドンキーコングⅡ最高!ゲームは序盤の面構成が1面がカスタム面、2面が本来の1面となっ
ています。で、本来の1面(タルころがしの面)なのですが、微妙にタルのパターンが違う様で
す。やはり本来のロムデータは使っていないと言う事なのかな。それで暫くプレイしまくってい
ると、突然画面が消えました。「オイコラ!どう言う事やねん」と叫んでしまった。しかしゲーム
は続行しているし音声も出ています。画面は数秒後に復活しました。どうも同期が乱れている
様です。これはまた、いらん手間モードに入った予感。「オレはメンテとか調整なんかしたくね
え!ゲームがしたいんだよ!!」と憤慨しますが仕方が無い。そこで液晶モニターの調整をし
たり、XRGB1を替えたりしますが、どうも安定ポイントが見出せません。


そこであまり触りたくは無いのですが、ドンキーコング基板の画像位置調整ボリュームを触って
見ます。基板を持っている方ならご存知だと思いますが、ドンキーコング基板には基板自体に
画像の位置を動かせる機能があるのです。ただしこれはワンショットトリガICを使って、強引に
タイミングをずらしているだけなので、ブラウン管ならまだしも液晶では表示出来たり、出来な
かったりするポイントが出てきます。まあ逆にそれで安定ポイントを探そう、と言う訳です。




画像が消えたり出たり、と言うのはプレイ開始後数分経ってからの事です。デモ画面では殆ど
起こりませんから厄介です。実際にはカスタム面である、1面とか3面でよく起こります。今まで
こんな事は無かったはずだ。と思いながら調整しますが、中々ポイントを見つけられません。
画像が不安定な時に調整ボリュームを指で握ると画像が安定します。これは想像ですが、どう
やら同期が外れるタイミングがある様です。この辺りに改善ポイントがあるのかも知れません。


一方、立ち上がらないUS版マザーの方も折を見て様子を見ていました。こちらはドーターボード
を抜いた跡にCPUを挿しています。初回のトライの時は電源投入時に一瞬音が出ていましたが
今は音すら出ていません。何か余計に壊した感じ。任天堂の基板は伝統的にロムの窓にロム
シールでの封印がありませんから、保管中にデータが飛んだとか?しかし同じ様な事を他の基
板でもしていますが、それでデータが消えた事は今まで無かったのだが・・・。等と考えながら、
動作中に基板を裏返して、たまたまテスターでICの電源端子の電圧を測ると電圧が出ていませ
ん。上下の基板はフラットケーブルで繋がっていますが、電源は供給されていない様なのです。
図面を見ると電源用のコネクタの記載がありますので、これの製作を行います。しかしコネクタ
の型番が分かりませんし、手持ちも当然ありません。なので適当な物で代用を考えます。とりあ
えず使えそうな手持ちのコネクタを漁ると、まず日圧のXHコネクタが候補に上がりました。この
コネクタは良く似たサイズではありますが、そのままでは入りません。そこで入る様に側面を
カッターナイフで削ります。下の写真がとりあえず作った電源ハーネスです。本来はドンキーコ
ングの上基板に電源供給用コネクタがあるので、そこから渡りの配線を作ればいいのですが、
コネクタの加工を2つもするのは面倒なのでJAMMAからジカに供給しています。で、出来たハー
ネスを接続して、今度こそはと起動して見たのですが今回も結局立ち上がらず。




またまた国内版の方に戻って画像の安定箇所を探します。中華製のアップスキャンを使用すると
XRGB1ではブラックアウトしていた画面がそのまま乱れた画像として表示されました。これは調整
に都合がいいぞ、と思ったのですがこちらでも特に画像が安定する訳では無く、いつまでたっても
安定ポイントに持ってけませんでした。中華製のアップスキャンにはXRGB1とかモニターでは調整
出来無い、V方向の調整が出来るので便利なのですが、画質はXRGB1の方がいいので出来れば
XRGB1で映したいところです。




画像の安定度では中華製も変化無かったので、XRGB1に戻して調整します。画像の位置調整を
左端(この場合V位置下)が切れる程度にまでずらすと一番安定しますが、これではまずいので、
何とか全部映して安定する様な調整にしなければなりません。画像が不安定になってくると画像
の端が震え出します。その状態で一度死に、メートル表示の画面(この画面は安定している)が出
てゲーム画面に戻ると、画像の位置が低くなっていたりします(上の写真ががそうなっています)。
縦画面なので水平位置が変わっているのですが、これはモニター側の設定が勝手に変わってしま
うのです。まあもう一度戻せばいいのですが、これではゲームになりません。画像の端が震え出す
と言う事はH方向が不安定と言う事なので、H方向→安定する様調整。するとその内画像が消えた
りするので、V方向→少し調整。これを暫く繰り返して様子を見ます。




画像の乱れは、時間経過?も関係してそうなので、もうワンショットトリガのコンデンサを交換する
か、と思い始めました。主催者はアタリのブレイクアウト基板を持っているのですが、あれのパドル
入力が確か同じ様な回路で、時間経過でパドルの左右が震えだしました。そこでコンデンサをセラ
ミックからフィルムに交換したら震えが止まったのです。そこでいよいよやるか、と思い立ったころ、
また急にUS版ドンキーコング基板の件でハッと思い付きました。入手した基板はロムが欠品してい
る箇所があるのですが、これは本来必要な部分だったのでは?よく思い起こして見ると、出品写真
ではロムは付いていたはず。ドーターボードがメモリを補っていて使っていないので、抜いて送って
きたのでは?そこでまたまたUS版に戻り、ドーターボードを戻してみる事にします。それで起動する
と・・・。今度は立ち上がった!出品者テメーこの野郎!手間掛けさせやがって!と言う訳で、基板
は壊れていなかったのでした。

で、US版が起動したので本来のUS版でドンキーコングⅡを遊ぶ事にしたのですが、画面はこちら
の方が安定しています。それでも画面が消える事はあったのですが、こちらは少しの調整で安定
ポイントに持ってけました。一方、安定しなかった国内版の方は元に戻したら以前の安定した状態
に調整出来ました。うーむ主催者の国内基板が良くないのかも知れませんが、ドンキーコングⅡは
本来のUS基板に載っけた方がいいみたいです。ちなみに国内版の使わないロムを抜いて、US版
と同条件にしてドンキーコングⅡの安定確認はしていない。動いたからには、もうこの件は終わり。


さて動作もOKになったのでハーネスを仮組から本来の物に組み替えます。いつもの通り、アルミ
アングルで一体化させます。そこでどうしようか迷うのが、下基板への電源用ハーネス。今のまま
でもいいのだけれど、上基板から下基板への渡り線の方がスマートにまとまります。それで本組み
は渡り線で行く事に決定。その渡り線ですが、下基板のコネクタ(黒いやつ)は受け側で、上基板
の送り側コネクタは白いやつでタイプが違います。それに仮組みで使用したXHコネクタは側面を
削る必要があってどうも今一です。そこでもっと合うコネクタが無いか探して見ました。その結果、
同じ日圧のEHコネクタがほぼそのまま使える事が判明。なので早速これの10ピンを手配、ハーネ
スの製作に入ります。そのまま使えると言いましても、黒い方に使うにはサイドのモールドは削る
必要があります。しかし先ほどのXHに比べたらラクなのものです。しかもEHは送り側の白いコネ
クタにも使えますし、両方の逆挿し防止にも対応。これは使えます。




電源の渡り線が出来たので次はJAMMAハーネス。下の写真の通り、メチャちっさくなっておりま
す。主催者の方法だとハーネスの断線はまず無いし、線材の節約にもなります。電圧降下の点か
らも線が短いのは有利なはず。しかも収納にも便利なのでオススメなのです。しかし残念ながら
他の人がやっているのは見た事ないけど。




いやーこれでやっと落ち着いてゲームがプレイ出来ます。ここで全部ではありませんが、ドンキー
コングⅡのゲーム内容を紹介します。下の写真左は1面(25m)です。移動するコンベアの上を渡り
レディの所まで行けばOKです。コンベアの速度とジャンプマン(マリオ)の移動速度が微妙に異なる
ので調整しながら進みます。次は3面(75m)。2面は通常の1面ですからここでは割愛します。この面
では左右に油田の灯火が燃えていますから、左右にそれぞれ4つずつあるコックを閉めれば灯火を
消す事が出来ます。灯火が消えたなら、その部分に乗り、そこからコングの桁に移れますからレディ
の元に行けます。その横は4面(100m)。これは従来の2面と同じですが、クリア方法は違います!
写真を見れば分かりますが、レディの前まで行くのです。オリジナルのドンキーコングではレディの
前まで行かず、その下の桁でクリアになってしまいます。主催者も「どうせなら前まで言ってクリアに
すればいいのに」と、ずっと思っていましたから、正に(コイツァ分かってる!)と思いましたよ。次は
5面(125m)。これのクリア方法は最初良く分かりませんでした。しかもグッと難しくなります。この面
には今迄無かったハートが落ちています。ハートは一つ取るごとに違う場所に現れますから、それ
を全部取ります。取ったハートはちょうどタイム表示の部分にある滑車に貯留され、重さで下がりま
すからジャンプマン(マリオ)が反対側に乗っても下がりにくくなり、素早く移動すればレディの所に行
けます。難しいのは、下のコンベア3段の渡りタイミングが数ドットの猶予です。あと時間が結構厳し
い。しかしつい何度もやってしまいます。その横(一番右)は6面(150m)です。実はここは写真を撮
りながら通しでプレイして初めて来ました。なのでまだクリアしていない。最初の渡りでストンと落ちて
死んだので、ゲームの概要も良く分かっていません・・・。なお、ゲームのクリア方法とか手順が知り
たければネット検索すれば出てくるのですが、主催者はあまりやらないです。手元に現物を置いて
それで確認すればいいですからね。未知のゲームを買う時も、特に調べずに買って現物を前に「コレ
は分からん」と、首を傾げています。まあ性分ですね。話は変わりますが、プレイしながらの撮影は
いつもながら忙しすぎてかなわん。プレイ画面をキャプチャ出来る機器は持ってませんから、一人で
プレイしながらの撮影なのです。何より写真が上手く映っていて良かった。。




なおドンキーコングⅡは、2面クリアごとにパックマンショーならぬドンキーコングショーが表示され
ます。製作者の拘り(と言うかドンキーコングに対する愛着)にはホント敬服します。



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