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ファービーを修理

1998年ごろアメリカで発売されたバーチャルペットのファービーです。日本でもトミーから
発売されました。主催者は4つほど持っています。しかしこのファービー、狭いスペースに
可動部分の多いメカがギューギュー詰めに入っている為か、割と故障する様で、久しぶり
に電池を入れてみたら動かなくなっていた、と言う事をよく聞きます。主催者のは中古で
入手した物です。中古なので最初から動作不安定だったりしたので、入手時はまずメンテ
から入っていました。今回動作確認をしてみたら赤いのが動作不良になっていました。

ファービー

不具合内容は、電池を接続するといつまでもまばたきと口パクを繰り返し、止まらない
と言うもの。放っておいても永遠に治らないだけなので、今回久々に分解整備を決意。
まず毛皮をぴっぺがし、内部メカを出しますが、構造が個体ごとに微妙に異なります。
この赤いのは英語バージョンなのですが、フレーム外皮の形が異なり、毛皮の留めも
日本語バージョンは接着剤を使っていますが、これはネジ止めだけになっていました。

メカが出ましたので、ここからは電池では無く外部電源で駆動して様子を見ていきます。
するとありゃりゃ。全く動きません。仕方なくモーターに直に電源をつないで見ます。

サイドにモーターがある

それでも動きません。最初モーター軸が固着しているのかと思いましたが、単に電源
装置の出力電流が絞ってあるだけでした。いやはや。改めて電源をつなぐと、やはり
モーターがいつまでも回り続け、スタンバイ状態にならない不具合が出ました。この
症状はファービーの動作開始場所(原点位置)に復帰しないためだろうと推理。おそ
らく原点出しを行っているのは、赤外線LEDとそれを受けるフォトダイオードだろうと
目星を付けて作業を開始。赤外線LEDとフォトダイオードは下の写真の丸で囲った部
分に付いています。この間に穴の開いた歯車があり、LEDの光をフォトダイオードが
一瞬受ける様になっています。これが原点認識の部分だろうと踏んだ訳です。

赤外線LEDとセンサー

さて、この部分を出すには電池ケースやら、コネクタの接続やらを取り外す必要が
ありますが、狭いので結構面倒。しかも基板上にはホットボンドがコテコテに盛っ
てある上、基板から出ている配線もすぐにプチプチ切れていらん仕事が増えます。



下の写真左で黒っぽく長いのが赤外線LEDです。このLEDの発光は目では見えない
ので、変わりに普通のLEDを付けて点灯を確認します。その後新しい赤外線LEDを
付けて再度組み込みを行い、動作を確認しましたが・・・。

赤外線LED点灯確認

全く直っていません。仕方なく先ほどの普通のLEDをもう一度繋いで見ると、今度は
点灯せず。調べるとLEDの先にあるトランジスタがもげかかっていました。(基板の穴
部分のヤツ)配線ももろいが、パーツの足ももろい。部品のリードの質が悪いのか、
半田の乗りもえらく悪い。(絶対に鉄分が多い安物の銅線を使っていると勝手に想像)



この部分を繋ぎ、今度こそはと組み込むと、一瞬動作しましたがすぐ元の状態に。
う~む。こうなったらケータイのカメラを使用して赤外線LEDの発光を直に確認して
みます。ケータイのカメラは赤外領域まで感度があるためです。すると光っている様
な光っていない様な微妙は感じ。回路を良く見るとLEDに6mAしか流れていません。
業務用機械の場合なのですが、フォトダイオードで受ける用途では30~50mAも流し
ている事が多いのです。そこでとりあえず倍の12mA流すことにしました。下の写真
がケータイで撮った赤外線LEDの発光です。

ケータイで赤外線LED点灯確認

赤外線LEDの光量を増やし、今度こそはと組み込みますが、全く直っていません。
う~む。発光側がOKなら受光側か?と言うわけでフォトダイオードを調べたところ、
全くON/OFFしていません。ただの抵抗器に変化しています。交換が必要ですが、
フォトダイオードを外すにはフェイスのパーツなど更に多くのパーツを外さなくては
ならず正直面倒になってきた。フォトダイオードは下の写真左の囲った部分に付い
ています。・・・とか言いながらもしぶしぶ外したのが下の写真。変わりに取り付ける
フォトダイオードは、コの字型のフォトインタラプタから部品取りします。

フォトダイオード交換

フォトダイオードを交換して組み込むと、今度は本当に直りました。しかし何度も
分解、組み立てを行っているので、基板から出ている殆どのリード線はボロボロ
になっていました。それらを全て修復します。本体を組み終わりましたら、毛皮を
被せ、下を長いインシュロックで縛ります。最後に耳を糸で縫いつけて完了です。

ファービー組み付け

ここで簡単にファービー基板の解説をします。下の写真で、基板の上の方に垂直
に取り付けられている小さい基板がありますが、これがおそらくキャラクター基板。
これを交換すると性格が変わると思われます。その横の黒い丸いのは傾きのセン
サー。その下にずらっと並んでいるのはモーター駆動用のトランジスタ。入手時に
交換しています。トランジスタは壊れてはいなかったのですが、調査のため抜いた
ら、足は折れそうだしホットボンドでコテコテだしで、もう使う気になれなかったので
ついでに交換したものです。

ファービー基板



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