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液晶モニター用ゲームラックの製作

アーケードゲーム用に整備した24インチ液晶モニターですが、その後適当な台(ダンボール箱)
の上に乗せて使用していました。しかしダンボール箱では強度が足りず、カドが潰れてきました。
そこでダンボール箱の上に木の板を敷いて、それ以上潰れるのを防ぎましたが、今後の使用を
考えるとこのままではダメです。もっとしっかりした台を作る必要があります。そこでゲーム筐体
ならぬゲームラックを製作する事にしました。上にモニターを置き、手前にコントローラーを置く台
を付けます。内部には今は回りに散乱している電源や基板、XRGB-1を収納する様にします。
そこで現在使用しているダンボール箱のサイズを基準にして、適当にスケッチを書いてみました。



今までですと、この様なラックは木材で製作していたのですが、今回は趣向を変えて金属で製作
します。強度を考えると金属の方が細い構造材で製作できますから、同じデザインならスリムに
作れます。今回材料は30mm角の鉄パイプにしました。もしこれが30mm角の木材だと強度的に
不安なところです。デザインが決定したらスケッチを元に正確な縮尺で図を書きます。
そして材料を購入、図面通りにカットしたのが下の写真です。



材料が準備できましたので、早速加工に入ります。図面には載っていないのですが、足の先には
高さ調整のためのアジャスターを付ける事にしました。移動させる事も考えて後ろ側はキャスター、
手前側はプレイ中に動いては困るので、アジャスターボルトにします。キャスター用の取り付けネジ
のサイズが特殊なのでどうしようか悩みましたが、どうせならアジャスターボルトも同じピッチのネジ
を使用して融通をきかせる事にしました。このネジはサイズが特殊なためか値段が高かったのです。
まずはそのためのナットを鉄板に溶接します。



続いて完成時に角パイプの開口部になる部分に蓋をします。こういう加工は最初にしておかないと
後からでは取り付けが大変です。最初に点付けで位置決めを行い、その後ジュ~ッと溶接します。



ガンガン引っ付けます。主催者はTIG溶接機を使います。歪みやねじれが起こらない様に注意
します。下の写真右が出来上がった左右のパーツ。溶接だけで7時間ぐらいかかってしまった。



ここからは左右のパーツを接続するための加工です。後で分解組み立てが出来る様に、ネジで
左右を合体させる構造にします。角パイプの内径にぴったり合うやや細いパイプを溶接。しかし・・・。



組み付けて見ると、精度的にも強度的にもいまひとつ。せっかく引っ付けたが、やっぱりやめた!



鉄のバーを短く切って、それを左右のフレームパーツにネジ止め。それに角パイプを差し込ん
でネジにて左右を固定する方式に変更しました。正確な位置に取り付けるため、Cクランプで
固定して穴あけ後、タップでネジを切ります。



接続部が出来ました。なんだかえらく手間がかかってしまった。後はパイプで左右を接続して
様子を見ますが・・・。微妙に歪んでいるらしく、ぴったりとは行かない。上の方の写真で、2つ
の左右フレームをぴったり重ねて、歪みがほぼ無いのを確認しているが、それでも僅かな
ひねりなどが影響しているようだ。



左右を連結する角パイプの長さを1~2mm調整して、無事連結したのが下の写真。



フレームが出来たら、取り付けるパネル板を切り出します。その後フレームを塗装します。
素材のままではなんだかサイバーな雰囲気ですが、ここは乗せるモニターに合わせて
ポップなイメージで仕上げます。まずはジンク(さび止め)を吹いた後、ペイントを吹きつけ。



後はアジャスターボルトの加工をします。ボルトの先に丸く切り出した鉄板とゴムを貼り付けます。
下の写真は塗装前、塗装後、仮でモニター等を乗せてみたところ。モニターは後ろ側が重いため、
ラックを移動させるために手前側を持ち上げると、モニターが後ろに転がり落ちる事が判明。
最終組付け時には、モニター固定用の穴を開けておく必要がありそうです。また、実際に基板を
セットすると、例によって?ラックのサイズが小さく、基板がまともに収納できない。くにおくんとか、
R-TYPEが斜め方向で何とか収納できる程度になってしまった。まあ、ムダにでかいよりはいいか。



さて、ここでもう一手間。セガの大型筐体物やJVS規格のゲーム基板は音声がライン出力です。
その様な基板は今までラジカセで音を出していましたが、今回の製作を機に小型の音声アンプを
作ってモニターに付いているスピーカーを鳴らします。JAMMA規格のゲーム基板では既にその様
にしていましたので、JVSでも実現してすっきりさせます。物置を探したら、以前作りかけたと思わ
れるアクリルケースが出てきました。(下の写真右)アンプを組み込むのにコレはラッキーと喜び
ましたが、実際に組み込む段階になると小さすぎて組み込めず。結局、ケースも一から作るハメに。



ラックに取り付けたパネル板は、内側は白のカッティングシート、外側はオレンジ色のプラスチック
シートにしました。内側には棚を一つもうけ、電源、XRGB-1、音声アンプ等をセットします。下の
写真左はラック前面から、写真右は後面からのもの。XRGB-1と色差変換基板の切り替えもDサブ
の差し替えでワンタッチ。画質はXRGB-1の方がいいので、基本はXRGB-1を使用。これで映らない
基板は色差変換基板で対応する様にしています。



ついにラックが完成。白とオレンジの組み合わせがスペースエイジ的だと思うのですが、いかが
でしょうか。こうして見るとコントローラーのデザインが合わないのと、コントローラー自身が上に
置いてあるだけなのでプレイ中によく動いてしまいます。動かないように固定したいところです。



こうして出来上がって見ると、ラックを分解する事はほぼ無さそうな気がします。となると、
最初から全て溶接で組み立てた方がラクで良かったかな。



■ ローリングメカの製作



ラックも出来てプレイ環境が整うと、やはりこれで「縦画面のゲームもしたい~」と思います。
最初はそこまで考えていなかったのですが、やはり縦方向にもセッティングできる様にしてみ
ます。このモニターは視野角が広いので縦方向にセットしても画面の認識性は良さそうです。

さて、どうやって縦方向に変換するかですが、現在はネジにて裏板に固定してあります。これ
をそのまま縦方向にセットする事は出来ません。取り付け高さが足らず、下の電源部にぶつ
かってしまうためです。それにモニターの固定ネジを外して取り付け方向を変えるのは重くて
大変です。やはり変更時はクルンと回すのが理想的。そこでその様なメカを考えて見ます。

回転させるためには中心に回転軸が必要です。しかし、モニターは重いですから、外周部を
キャスター等で保持して安定させます。取り付け高さの方ですが、回転させるためには対角
線の寸法をクリアしなくてはなりませんから、単に縦方向に取り付けるよりも更に高さが必要
になります。取り付け高さが足りないのは、かさ上げするしかありません。ただ、横方向での
使用時は現在の位置がプレイし易いので、この位置でもセッティングできる様にしたいところ。

早速部品集めです。まずキャスターを買ってきます。一番小さいプラキャスターを選択。次に
回転軸ですが、軸が細いよりも太い方が安定度とか耐久性が増すと思われます。そこで採用
したのがステンレス製のサニタリー配管に使われる部品。これを使って軸受けに加工します。
下の写真左がパイプのサイズ見本とつば。写真中が加工途中。写真右が完成した軸受け。
ステンレスなので加工がしんどい。



下の写真左が出来た回転軸をステンレス板に取付け、更に木の板に取付けたところです。
回転軸をステンレス板に付けた理由ですが、キャスターの車輪が接触する部分なので磨耗を
防ぐのと、モニターが付いて回転する側でもあるので補強も兼ねています。写真中はモニター
に取付けたところ。回転軸の先に固定側との接続金具も付けてあります。写真右は固定側
の取付け板。キャスターも取付けてます。この2つを合体させるとローリングメカの完成です。



二つを合体させてモニターの背板に仮で取付けてみました。回転はスムーズで良かったの
ですが、取付けている背板の強度が足りない気がしてきた。モニターの重量を支えるために
ローリングメカ固定側の板の下に適当なあて木をしたのですが、あて木の根元が当たって
いるパネル部分がわずかに凹んできたのです。ローリングメカを付けた分モニターの重心
が前に来ていますし、回転動作までする様になったので、より負担が増えた感じです。



これはイカン!と言うわけでラックと同じ材質でモニターのスタンドも作り直してみました。
ううぅ~むう。強度的にはバッチリの様だが、本当に作り直す事を考えると、内部に電源
やら色々入るし、実際えらい手間だぞ。予定では一週間で終わらせるはずだったのだが、
絶対に無理。どうするワシ。



しかし悩みながらも、縦方向と横方向でモニターの高さを変える昇降メカを考案中。



最初は昇降メカも木製のモニタースタンドに付ける予定でした。しかし回転させるだけでも
グラグラしている様なところに、更に昇降メカを付けるなど無謀な気がしてきた。考えた末、
モニタースタンドも作り直す事にしました。下の写真左から、今回作った鉄のスタンドに昇降
メカの金具を付けて塗装を行い、電源と色差変換基板の収納部を木で作ったところです。
デザインは前と同じで行きます。写真は右に行くに従い、基板をセット、OSD操作パネルと
前面カバーの取り付け、化粧パネルを貼り付け、昇降メカを取り付け、と進行しています。

前面カバーのRは前回は木で作りましたが、今回は塩ビの水道管を半分に割って製作。
アルミ製のOSD操作パネルと白い化粧パネルは、前回の物をひっぺがして再利用。



いよいよモニターを付けますが、その前にラックにスタンドを固定します。2度目の製作
なので、その点は抜かりなく?スタンドに固定用のナットが付けてあります。写真中が
モニターを取付けたところ。ここで昇降メカの仕組みを説明しますと、ローリングメカの
固定側がステンレス製の丸棒の間を上下する構造になっており、上への押し上げは
スプリングを介して行う様になっています。スプリング下部の固定位置を変更した後、
モニター本体を上下させて位置を変えます。スプリングでモニターの重量のバランスを
取っている感じです。写真右がセッティングが完了してゲームを起動したところ。
いや~2週間半の間、ゲームは出来ないし、部屋は散らかりっぱなしで、落ち着かない
日々が続いていましたが、これでようやく?充実した日々が送れると言うもんです。



以前から大きな画面でやって見たかったジョイフルロード。真ん中は試しにやってみた?
縦スクロールのメルヘンメイズ。ううむ。レバーも斜めにしなきゃ。写真右は横方向で
一番低い位置にモニターをセットしたところ。木製の時と大体良く似た高さになったかな?





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