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スチームパンクトップ

RCAラジオラスーパーを修理

主催者はRCAのラジオラスーパーヘテロダインを和室に置いています。過去に動作品と言う事で
入手したものです。型番はAR-812。大正14年の発売です。博物館とか雑誌等で割りと有名なラジ
オです。博物館収蔵品と聞くと、レア品或いは高価な品なのでは?と思いますが、年間10万台も
生産されたラジオなので今でも多く残っていますし、その分価格も手頃だったので入手しました。
このラジオのどこが良かったのかと申しますと、何と言ってもアンティークの機械に共通のかっこ
よさ。ストイックなラジオマニア?に言わせると、回路がどうの〜とか歴史がどうの〜と言う事のみ
が話題になりそうですが、主催者の場合は何と言っても見た目のかっこよさが大事。デザインが
気に入った機械にホレる→使いこなすし維持もする、と言う訳です。昔真空管アンプの大御所的な
人が言っていたのですが「真空管アンプはいい。大きいのがごろごろ付いていて中で小さな明かり
がともる。オマケに音まで出る」。更にあるプロカメラマンも「ホレたカメラで無ければいい写真は撮
れない」。と言ってましたから入手動機としては邪道と言うよりむしろ王道ではと思います。本機の
デザインはマホガニー色のケースに金&黒の同調ダイヤルがスチームパンクっぽいと思います。

さて本機は動作品との事だったのですが、これだけ古いラジオが現在まで無傷で動作品と言う事
はまずありませんから、間違いなく手が加えられています。要は近年に修理されたと言う事ですか
ら、それならば普通に安定して使えるはずだ、と思うところです。しかしそうはいかないのがこの手
のアンティークメカ。今は動作品でもすぐに壊れるとか、鳴ると言っても現状何とか音が聞こえる
程度、と言うのも普通です。個人からの入手はもちろん、プロのレストア業者から買った物でもそう
なのです。古い機械はあちこちが順に壊れるので仕方が無いのですが。




入手時動作させると、まあ確かに音は聞こえた。ただ不安定な上に音はかなり小さい。操作が良く
分からんのもあったのだけれど。このラジオは左右に大きな選局ダイアル、その内側につまみが2
つ、下にはスイッチが2つとスピーカージャックがあります。回路図を見ると、選局ダイアルの間にあ
る2つのつまみは左側が真空管のヒーター電圧調整用、右側が音量ボリュームでした。この時代の
ラジオに音量ボリュームがあるとは意外です。別のコーナー家電機器の”5球高1低2受信機”で書い
ていますが古いラジオには音量ボリュームは無く、音量調整は同調をずらして行うのがよくあった
のです。ではナゼこのラジオにボリュームがあるのかなのですが、恐らくこのラジオがスーパーヘテ
ロダイン方式で感度が良く、更に製造されたアメリカでは放送局が乱立して同調の選択度が要求さ
れたそうですから、同調をずらして音量を下げる事が現実的で無かったからではと想像します。一方
もう一つのつまみであるヒーター電圧調整は、電池式真空管ラジオしか無かった当時は必ず付い
ていました。電池の電圧や真空管の機嫌により調整する必要があったのです。これを絞れば音量
ボリュームと同等の効果があります。ただ下げすぎるとある地点から真空管は働かなくなりますし、
逆に上げすぎると音量は増加しますが真空管の寿命が短くなります。それから下に並んでいるスイ
ッチは中央が電源スイッチで、左側がこれまた音量切り替えに使うスイッチです。ボリュームがある
のに何でまた、と言う気がしますが、このラジオは音量増幅が2段(真空管を2本使用)なので近場の
放送局を聞く時は真空管1本をOFFにして電池の消耗を防ぐ事が出来ました。

さて、それで暫く動作させていたのですが何かヘン。音量増幅が2本より1本の方が音が大きいので
す。このラジオは真空管が6本付いていますが全部同じ真空管です。なので真空管の場所を色々入
れ替えて様子を見たところ、最終段の真空管(音量増幅2段目)がどうも劣化してるっぽい。ヒーター
は光っているのだけれど殆ど働いていない感じ。幸い?真空管のガラス部と下のベースの接着が
弱く、ぐらついていたのでこの際分割し、改めて電極とベースピンの半田をやり直したりしましたが、
改善しません。エミ減(エミッション減少)なのかな。とりあえず同じ真空管(UV-199)を手配して差し
替える事にしました。で、結果は見事に音量が増加。なお真空管の動作チェックは意外と簡単です。
真空管を動作状態にして真空管自体を指ではじくのです。すると内部電極の振動がそのまま音に
なってスピーカー(ラッパ)から出てきます。

なお、このラジオはラジオ本体の他、真空管6本と純正スピーカー、電池ケースと電池(これは現在の
市販電池用)と選局ダイヤル用台紙と台紙押さえリング(下の写真右)が付いていきました。真空管が
1本ボケていたのは残念でしたが音が出るのは間違い無いし、ダイヤル用の台紙(地元の放送局書
き込み用)と押さえのリング(下の写真右)まで付いていたので上々でしょう。特にリングは無くなって
いる場合が結構ある様です。




放送は受信できたものの音量は今一。上で書いたヒーター電圧調整ボリュームを上げればそれなり
に音量は増えるが上げすぎはまずい。そこでアンテナ端子に外部アンテナをつけてみます。外部アン
と言いましても、別のコーナーループアンテナ 鉱石ラジオで作ったループアンテナをアンテナ端子に
繋ぐだけなのですが。それで繋いで見たのですが全く感度は変わりません。では外部端子では無く、
アンテナコイル自身をループアンテナと入れ替えたらどうだろうと思い、内部のアンテナ端子を良く見
ると、横に外部アンテナの説明文が貼ってあります。元々このラジオ「AR-812型」はループアンテナ内
蔵、と言うのを本で読んだ事があるのですが、どの様な物か全く分かりませんでした。今回内部をよく
見ると本体後部に木の枠があり、そこから線が出ています。どうやらこれが内蔵ループアンテナの様
です。内蔵ループアンテナは内部の端子台に繋がっています。この端子の金具を外すと外部コイル
(アンテナ)が有効になる様なので、改めて先のループアンテナを繋いで見ました。すると今度は感度
が大幅に増加!こりゃいいぞ!と思ったのですが、ループアンテナは指向性があるので感度を上げる
には回転させなくてはなりません。そうなると今置いている壁際ではぶつかって無理だし、ループアン
テナ自体のデザインもなんか合わないので、実験だけにしてすぐに仕舞いました。




それから暫くは音量は少ないながらもそのまま動作させていました。ですがその後、今まで同調して
いた位置は違っていた事が判明、最良の同調点にすると音量増幅は真空管1本で十分な状態になり
ました。それからは真空管1本にしていたのですが、ある日久しぶりに2段増幅で聞くと音量は凄く大
きいがそれ以上にノイズが大きい。何と言うか音声よりもバリバリ言うノイズの方が大きく、とても聞け
たものではありません。でも「まあいいか。どうせ真空管は1本で十分だし」と思ってその時はあまり考
えませんでした。それから暫く経つと今度は音量が殆ど無い状態になりました。それで接触不良か?
と思い真空管の抜き差しを繰り返すと元通りの音量に。そう言う事が4〜5回続き、音が出なくなるたび
にソケット周りをいじくっていたのですが、その後とうとう全く受信できない状態に。使われている真空
管はUV型と言われる物で、足が短く真空管の固定は真空管のベースから横に出ているピンを使って
行います。従って電気的な接続はソケット下にある板金のバネ性で接触しているだけなのです。そこ
でソケットの板バネを磨いたりしますがこれと言って変化無し。次に周りの配線を見てみます。しかし
付いているパーツが少なく、サイドにコイルが見えるぐらいです。下の写真中でコイルが2つ映っていま
すが、パネル面の操作パーツ以外では本当にこれぐらいしか見えません。調べたところによると、この
コイルはどうやら発振コイルの様です。ではこのラジオのその他のパーツはどこにあるのかと申します
と、真空管ソケットが付いている缶の中にあるのです。この缶は”カタコーム”と呼ばれ、中はワックス
で固められています。ワックスで固められている構造上、あまり触りたく無い部分です。とりあえず調査
を続けます。上の方で真空管をはじくとスピーカーから音が聞こえる、と書きました。現在は真空管の
一番左のやつとその横のやつをはじくと音が聞こえます。音量増幅2段目と1段目の真空管です。しかし
左から3番目のやつははじいても音が出ません。この部分は今まで一番大きな音が聞こえていたので
す。すると突然状況が改善、はじいたら音が聞こえだしました。放送も受信出来ます。その際真空管を
抜きソケット端子のプレート電圧を測りました。プレート用には90Vの電池が使われています。それより
は低いのですが電圧は出ていました。しかしすぐにまた鳴らない状態になってしまいました。真空管を
はじいても音は出ませんしプレート電圧も0Vです。




これはもうカタコームの中しかありません。覚悟を決めて分解します。カタコームの缶にはラジオ本体か
ら線が6本繋がっています。これは一体物の端子になっており、取り回しのいい構造です。これを外すと
本体ケースと前面パネルが分割出来ます。次にパネルからカタコームの缶を外します。この部分は13本
の線が端子台と繋がっていますから、これを全て外します。缶の中のワックスは本来ぎっちり詰まってい
るのですが、真空管ソケットの隙間から内部にドライバーを突っ込むと奥まで入ります。やはり一度分解
された様で中はスカスカ?な感じなのですが、結構重量があり実際に開けるまで状態は分かりません。




外した缶をドライバーでコジますがまるで外れません。そこで熱を加えてワックスを緩めます。やり方は
電熱器の上に鉄板を置き、その上にカタコームの缶を置いて加熱します。およそ10分ほどで松ヤニの
匂いがしてきました。そこでもう一回ドライバーでコジると今度は外れました。ワックスは底に少しあるだ
けでした。




内部には沢山のコイルとトランスが2個、後は抵抗と特殊な形のコンデンサが入っていました。全ての
コイルは巻き線を追加してテープで止めた修理の痕があります。なぜ巻き足してあるのかは不明。過去
にカタコームのワックスを除去する時にばらけた&断線したので修理したのでしょうか。全てのコイルの
線は0.1ミリ程度の太さで、それがそのまま空中配線で各端子に繋がっていますから十分ありえます。

今回プレート電圧が出ない原因は、プレートに繋がっている段間トランスが断線している為です。断線と
言いましても、プレートの端子部分で単に線が外れているのが原因なら修理はラクなのですが・・・。
トランスは真空管の1段目と2段目で同じ物が2つ付いています。断線は1段目なので、そこから真空管
のプレートに行っている部分をテスターで当たると、明らかに内部で断線しています。下の写真左の金
具から外した方です。断線しているのは一次巻線。う〜これはしんどい。修理法としてはトランスの交換
です。そこで適当なトランス(巻数比1:3)を持ってきましたがここでハタと考えます。使える可能性はある
がオリジナルから大きく変わってしまう。まあ缶の中に入れるので外観からは判らないのだけれど。どう
しようか考えながらその時ついでにトランス巻線の直流抵抗をテスターで測ると結構違います。オリジ
ナル(断線していない方)は760Ωだが持ってきたやつは130Ωとか250Ω。ここで断線したトランスを分
解して見ます。どうせ使えませんから破っても同じです。まずトランスの鉄心を外しますが軟らかいヘナ
ヘナの金属で、しかも切れ込みの入った日の字型と言う変わったもの。




断線は一次側なので内側のコイルです。そこで外したコイルの一次側を押し込むと簡単に抜けました。
こうなると修理出来る可能性があります。もし断線がコイルの巻き終わり付近だとすると、そこまでほぐし
て断線を接続、再度巻き直せばいいのです。もし断線が巻き初め付近ならそうはいきませんが。断線で
考えられるのは外部への引き出し線の部分で外れている事。もしそうなら修理はだいぶラクです。それで
その部分からほぐし始めますが・・・。全然断線していません。ちなみに巻き線は0.1mmより細く0.05mm
よりは太い。0.08mm程度と言うところか。こうなったらどんどんほぐしていきます。巻線は1ターンごとに
薄い紙(パラフィン紙)が巻かれているのですが、それが全部で計16枚ありました。つまり巻線自体は17
ターンほどある事になります。結局断線は最初の巻き始めから2ターン目の折り返し部分で断線していま
した。もうここまでほぐしたら断線を接いで巻き直すなど現実的ではありません。




ほぐした線はヨレヨレでしかも古いですから再利用はしたくありません。そこで主催者は新しい線を発注
しました。0.08mmのポリウレタン線です。巻き直すのなら巻線機もあった方が能率がいいだろう、と言う
事で今回巻線機も作りました。下の写真左がそうです。急遽作ったのでカウンターは付いていません。
写真右は線を全部ほぐした巻枠とパラフィン紙、それから注文したポリウレタン線です。ポリウレタン線
のリールは5円玉程度の小さな物ですがこれでも100mあります。ポリウレタン線は200m入手しました。




さて、製作した巻線機を万力にセット、巻き始めます。巻き方はどうするか悩んだのですが、オリジナルと
同じ方式(密着巻で1ターンごとにパラフィン紙を挟む)にしました。適当に巻いていたのではコイルの直径
が太くなるし、巻き数も良く分かりません。パラフィン紙を挟むと絶縁効果も上がると思いますし、ターン数
も分かって好都合です。しかしその場合は綺麗に密着巻で仕上げなくてはなりませんからこれはしんどそ
う。下の写真左は開始から2ターン目の状態。う〜はっきり言ってメチャ細かい&神経を使う作業。写真右
は8ターン目。まさかこの後この部分で悪夢が起ころうとはこの時点では気付かなかった。巻き作業は10
ターンで100mを使い切りました。1巻を使い切ったので、ここでテスターで導通を確認します。すると・・・。
導通が無い。ま・さ・かの断線。どう言う事だ。と言うかどうしよ。断線した物は使えませんから仕方無く
ほぐし始めます。巻線機のセットを逆にしてリールの方に巻き取るのです。きちんと巻くのは相当えらかっ
たが、元のリールに巻き取るのも結構えらい。こっちは適当に巻取るだけなのに。それで2ターンほど巻き
戻し、先ほどの8ターン目に差し掛かると、そこの折り返しターンの部分で線が切れました。この部分で断
線していたのです。オリジナルのコイルも折り返し部分で断線していましたから、僅かな力加減で線が
ダメージを受けたんだな。しかしほぐし始めて割とすぐの部分だったので助かった。この部分を接続、更に
2巻目を接続して合計15ターンほど巻きました。オリジナルよりやや少ないのですが、15ターン目で線を切
ってしまったのと、直流抵抗を測ったら890Ωほどで元よりも高くなっていましたから、もうこれでヤメました。




下の写真左は巻き終わったコイル。巻数はおよそ3000回ほど。これだけ巻くのに昼の3時前から初めて
深夜の0時ぐらいまでやってましたから、合計9時間は掛かった。それで次はこれが2次側にセット出来る
かだが・・・。巻いたコイルを2次側にはめて見た結果は、写真右の通りスカスカ。何でだろ。まあキツキツ
よりいいか。隙間には紙テープを巻いてぐらつきを無くします。




元通り鉄心をはめ、恐る恐る組み付けます。その都度テスターでの断線チェックも行います。切れていたら
即作業中止です。作業はトランス2つを合体、更に真空管ソケットの台座に固定して配線。それで最後に断
線の確認をしてOKならいよいよカタコームの缶にはめます。取付け時は熱を加え無くてもそのまま入るか
と思ったのですが、缶の底に溜まったワックスの分だけ高さが高くなってしまい、上手く収まらなかったので
やはり電熱器を使ってはめる事に。




それで全てを元通りに組み付け、いよいよ音出しを行います。結果は・・。ガンガン鳴ります。下の写真左は
修理をする前のヒーター電圧調整ボリュームの位置です。3時の方向です。写真中は現在の位置。11時よ
り手前なのですが、音量はこの位置で同じです。ウホ!これは凄い!と言う事で真空管をもう1本はめて音
量増幅を2段にします。すると音が出ません?ハテ?そこで真空管を6本はめた状態で音量増幅スイッチを
OFFにして音量増幅1段にしますが、音は鳴るもののやはり先ほどより音は小さい。これはヒーター調整ボ
リュームをもっと上げると改善しました。2段増幅の時も同じで、ヒーター電圧ボリュームを上げるとガンガン
鳴りました。う〜む真空管は5本の方が消費電流的に有利な様です。




そして次の日、電池ケースの確認をしました。下の写真が付属していた電池ケース。木の箱に端子が付いて
います。右が中身。単一電池が3本と9Vの006Pが10本、これとは別にラジオ本体にも単3が3本入っています。
それぞれA電池、B電池、C電池と言われる物です。当ラジオは電池式なので当然電源スイッチが付いている
のですが、スイッチで切断するのはA電池(ヒーター用)のみ。高圧のB電池は繋がったままです。これは怖い。
分解調整時には電池スナップをいくつか外しておく必要があります。それで改めてラジオの電源を入れて動作
させたのですが音が途切れます。電池に繋がる線を触ると復活します。ハァ〜まだイカンってか。これは電源
のケーブルが切れかけているのだろうと思い、チェックするのですが一向に見つかりません。テスターで見ても
断線はしていない様だし、ラジオの端子部でも電圧は出ています。





試しに怪しそうな線の繋ぎ目(線を突き合わせて縒り合せ、布テープを巻いてあるだけ)を切断、半田で繋ぎ直
して見たのですが、線がすっかり酸化しており中々半田が乗りません。何とか繋いで再度電源を入れると、今度
は全く鳴らない事態になってしまいました。電源ケーブルをいくら動かしても全く鳴りません。それで焦って図面
とか引っ張り出しますが、まるで分からず。もう他の部分に原因があるのでは?と思い始めますが、ここで落ち
着いてよく考えます。「この様な状況では、原因は今触った部分にある事が殆どであり、ここで手を広げると余計
に状況を悪くするのは常識ではないか」。そこで改めて線の継ぎ目をこの際片っ端から剥がしていきます。する
と今まで鳴らなかったのが一瞬ですが鳴りました。やはり継ぎ目がいかん様です。そこで他の線も全部半田で
付け直すか、と思ったのですが、今度はやり方を変えて半田では無く圧着で接続する事に変更。この様な接続
は圧着の方が簡単確実です。使用した圧着端子は普通のY型端子のYの部分をニッパーで切り取り、圧着部分
だけにしてそこに突き合わせて圧着。圧着した後は布製のアセテートテープを巻いておけば、外観は修理前と
ほぼ同じ仕上がりになります。




それで再度電源を入れると今度は安定して動作しました。そこで次に真空管を6本にしたのですが、ヒーター調
整ボリュームの位置が5本の時と同じです。ケーブル接続部が接触不良で電圧降下が発生、動作が不安定にな
っていた様です。いや〜これで悶々とした気持ちから開放され、安心して常用出来ます。地元にはHNKと民法が
計4局あるのですが全てが受信出来ます。NHKは電波が強いので音声増幅は1普段で、民法の一部は弱いので
2段が有用です。最初の方で書いた、2段だと雑音が多くて聞き取れない、と言う問題も改善されています。これ
は結合トランスが断線して音声信号の行き先が迷路になっていた物が、何とか鳴っていた為に起こった現象だっ
た様です。修理は完了しました。今回の修理のポイントとしては、電源線の接触不良が出たのが日を置いた翌日
だったのが助かった。カタコームを組み込んだ時に出ていたなら事態はもう一つややこしくなっていたと思います。

さて、その後このラジオを使って見た感想ですが、真空管ラジオにも係わらず音はすぐ出ます。電源スイッチをON
してヒーターのボリュームを回すと同時に音が出ます。これはヒーターがタングステン系で、要は電球みたいな物
ですから立ち上がりが速いと思われます。正にトランジスターラジオ並で使いやすい。それから古いラジオによくあ
る、ロウくさい臭いがありません。ロウと言うのはロウソクのロウです。臭いの原因はパーツの一部がパラフィン含
浸されている為と思われますが、このラジオは該当パーツが無いし、カタコームのワックスも常温では臭いがあり
ません。主催者の場合、この臭いはパーツが劣化して故障したイメージしかありませんから、臭いが無いのは結構
な事です。最後にこのラジオの音ですが、ハッキリ言って悪い!修理の結果ガンガン鳴る様になったので余計に分
かる(笑)。これはそもそもラジオの設計が高音質志向で無い事と、スピーカーもマグネチックタイプで周波数特性
が悪いですから仕方の無い事です。音声増幅が1段ならまだいいのですが、2段だと人の声を聞き取るのもモゴモ
ゴした音になり聞き取りにくい。ピアノの演奏等は旋律が溶けて細かい音程が良く分からん。音で比べると前出の
5球高1低2受信機の方が上です。まああちらは出力用真空管が112A。これは純然たるオーディオ用ですからね。
しかし感度や選択度はこちらの方が断然上で、さすがのスーパー方式です。






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