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ジョイスティックレバー比べ

ジョイスティックレバー(以下レバー)は色々な商品が発売されています。ゲームプレイヤー
によって好みが分かれるところです。主催者自身はあまりこだわりは無いのですが、やはり
よく使う物は決まってきます。そこでレバー等の入っているパーツ箱を確認すると、よく使う
物、あまり使わない物含めて色々なレバーが転がっています。そこで今回はこれらレバーの
レビューをしたいと思います。

なお、これは手元にあるレバーの比較なので製造年が古い物、新しい物が混ざっています。
しかも中古、新品も混ざっているので、現行品の正確な比較ではありませんので参考程度
にお願いします。


■ セイミツ LS-32

まずはセイミツLS-32。これは近年主催者が最もよく使うレバーです。このレバーはテー
ブル筐体の頃から使われていたと思われますが、現在でも殆ど変わらぬ姿で生産、販売
されている伝統あるレバー。オールドゲーマーの中にはLS-32でなければダメだ、と言わ
れる方が多いのも納得です。外観上の特徴はレバー本体の厚みが薄い事とレバー軸
(シャフト)がかなり太い(10mmほど)事があげられます。本体の厚みが薄いと言う事は
底が浅いケースでも収まりますし、シャフトが太いと言う事はそれだけ耐久性があると
言う事でしょう。その証拠に修理再生がかなりの確率で可能です。たとえば中古のパネ
ルを入手してボロボロのLS-32が付いていたとしても、セイミツから消耗パーツを入手、
交換すればほぼ元通りになってしまいます。下の写真右は古いパネルから外したやつ。

セイミツ LS-32


■ サンワ電子 JLW

次はサンワ電子のJLW。過去に主催者が最も愛用していたレバーがこれ。サンワのテー
ブル筐体用パネルにはこれが使われていました。最も愛用する事になったきっかけは、
初めて入手した業務用ゲーム機器(と言うか筐体)に付いていたのがこれだったと言う
オチ。しかし残念ながら現在では製造中止品になってしまいました。最近までシャフトが
一回り太く、トップにボールとなすび型の握りが選べる海外仕様が入手できましたが、
どうやらこれも無くなりそうな雰囲気。このレバーは軸受け(軸を支える半円形の部品)
が金属製だったので特に耐久性があり、さびたシャフトを取り替えて、クリーニング&
グリスアップすれば、ほぼ元通りに戻す事が出来ました。他にも主催者がこのレバーを
気に入っていた理由の一つに、カスタムベースに最適だったと言うのがあります。ループ
レバーやチャンネルスイッチ、ダッキングレバー(スーパーパンチアウト用)等の製作に
非常に有効でした。あと、JLWの操作感についてですが、良くLS-32はレバーが硬め、と
言われますが、こっちの方がもう一つ硬い。テーブル筐体は屈みこむ姿勢でのプレイに
なりますから、硬めの方が確実な入力になって良かったのかも。下の写真右は初期型
です。初期型は方向ガイドの作りこみが違いました。ネジも専用デザインです。機能的
には2方向ガイドが付いていただけですが。

サンワ電子 JLW


下の写真が最近(2014年初頭)カタログから消えた海外仕様のJLW。レバー本体は同
じ物。取り付け鉄板とか、シャフトがごっつくなっています。海外ゲームにはこっちだね。

海外仕様のJLW


■ セイミツ LS-56

次はセイミツLS-56。内容的にはLS-32の小型軽量タイプと言うところか。主催者も前回
UPしたトリプルコントローラーの製作とか、ファミコン用のジョイスティック7をカスタムとか
で使用しています。操作感はLS-32に似ています。ただ、耐久性はLS-32より劣るかも。
シャフトや軸受けが小型ですからね。なお、8-4方向切り替え用のサブガイドは付属しな
い仕様ですが、実際はLS-40とかLS-55用の黄色いのが取り付け可能な様です。

セイミツ LS-56


■ サンワ電子 JLF

次はサンワのJLF。現在ゲームセンターで主流と思われるレバーです。接続をいち早く
ワンタッチ化(スイッチは基板に実装、接続はNHコネクタコネクタで行う)したのがこの
レバーの印象があります。また、シャフトカバーや方向ガイドに8角型を採用したのも
このレバーで初めて見ました。実際に最初かどうかは分からないのですが。レバーの
操作感は軟らかめ。このレバーの特徴から考えると、格闘ゲーム用として考案された
印象があります。バーチャファイターシリーズで純正採用されていますしね。ただ、この
レバーはシャフトや軸受けが小型で、消耗した中古をパーツ交換で元に戻すのは今一
な印象。主催者の手元にあるやつで試したのですが、ゲームプレイに支障が無い程度
に復活は出来ましたが、新品に比べて直立時のぐらつきが多かったです。下の写真右
は、左からLS-32用、JLW用、LS-56用、JLF用のシャフトと軸受けです。

サンワ電子 JLF


パーツ箱を漁っていたら、一つだけタイプの異なるガイドプレートのレバーがありました。
他のはみんな下の写真左のタイプなのですが、一つだけ写真右のやつでした。4-8方向
切り替えパーツの爪固定部分に溝が切ってあり、軽いタッチで切り替えが出来るのです。
これスゲー便利なのだが・・・謎。

JLF ワンタッチ切り替え


■ セイミツ LS-40

次はセイミツLS-40。ジャンクのパネルを漁ってもあまり見かけない?レバーです。外観
はLS-32を一回り大きくした様な感じでなんかでかい印象。操作感は軟らかめでサンワ
のJLFに似た感触。ううむ。もしかしたらセイミツがLS-32を母体に格闘用にデザインした
レバーなのかも。セイミツ派で格闘ゲーマーなら正にお勧めのレバーだと思われます。
これは結構スグレ物ではと思うのだがどうだろう。主催者は格闘は殆どしないから良く
分からんのだけれど。

セイミツ LS-40


■ サンワ電子 JLF静音レバー

サンワ電子のJLFレバーの中でも、ON/OFF接点にリードスイッチを採用、カチカチと
言う音を解消したものです。実際カチカチと言う音はしないが、僅かにリードスイッチの
接点の動作音は聞こえます。リードスイッチなのでスイッチを押した時のクリック感もあ
りません。このあたりはどうなんだろう・・・。主催者は全く気にならないが気になる人は
いるかも知れない。あと、スイッチが基板化されていないのでファストン端子でスイッチ
を接続します。NHコネクタ用の中継ハーネスが付いているので、それを使えば従来の
JLFの接続が出来ます。良く分からないが、このレバーの主なる顧客は家庭でプレイす
る個人なのかな。ゲームセンターではレバーの音など考慮する必要無いですからね。

サンワ電子 JLF静音レバー


■ セイミツ LSX-31 サムトップレバー

LS-32のシャフトを長くして先端に押しボタンスイッチを付けた物です。このレバーを使っ
たゲームはナムコのアサルトが有名ですし、ややマイナーですがテクモの忍者龍剣伝に
も使われていました。しかしこのレバーも2012年ごろ販売終了しています。なにしろこの
レバー採用の新規ゲームが殆どありませんから無くなるのも仕方のない事です。なお、
アサルトに使用する場合は4方向仕様がいいのですが、別途問い合わせなければ4方向
ガイドは入手できなかった模様。下の写真左で黒いガイドがそうです。あと、セガのSDI
もグリップの形状が異なりますが同じ物です(下の写真右)。あと、グリップとレバー本体
の両方の形状が異なりますが、セガのアウトトリガーとかバーチャロンも同系統です。

セイミツ LSX-31 サムトップレバー


無くなったとは言え、ゲーム基板を持っている人や今後チャンスがあれば基板の入手を
考えている人にとっては欲しいレバーです。そこで物は試しにサムトップレバーを作って
見ました。レバー本体はLS-32を使用。スイッチ付きのグリップを製作して取り付けます。

グリップにはステンレスパイプを使用。先端に押しボタンのプッシュ部分が入る金具を製
作して取り付け。反対側にはシャフトと接続用のネジ穴付き金具を製作して取り付け。
金具はどちらもナットを加工して製作しました。グリップは金属製ですが、パイプ使用で
軽量なのでレバー本体に掛かる負担(重量)は少ないですし、強度も十分でしょう。続い
てシャフト側にグリップと接続するネジを切ります。ネジ山はM10。続いてシャフトに貫通
穴を開けます。LS-32はシャフトが太いので、ネジを切るのも貫通穴を開けるのも好
都合。最後にステンレスパイプをバフがけしてグリップが完成。

サムトップレバー グリップ製作


トップボタンは真鍮、レバー末尾のスイッチは一般的なボタン用をチョイス。グリップ
をセットすると、レバーのスプリングがやや弱い感じだったので少し強い物に取替え。
下の写真右が完成したサムトップレバー。なんだかメタリックなイメージ。オリジナル
に比べて、グリップはやや細く、かつ長くなっています。レバー本体がLS-32なので
4-8方向の切り替えも自由に出来ます。

サムトップレバー 自作品完成


■ サンワ電子 光センサーレバー

上の方で静音レバーを取り上げましたが、はるか以前(2001年ごろ)出ていた静音レバー
がこれ。現在の静音レバーは僅かながらスイッチの動作音がしますが、こちらは全くしま
せん。何と言うか、シャフトのケツが裏のガイドに当たる音がコトコトするだけ。スイッチの
感触を排除、ガイドに八角型を使用する事により、より高速、正確な入力を実現する・・・。
はずだったのだが、あまり出回らなかった模様。時代が早すぎたのか。主催者もすぐに飛
び付き、暫くの間、愛用していました。このレバーは高価だったので、初期に製作した豪華
仕様のコントローラーのみに使いました。しかしそのコントローラーは大きく作りすぎたの
で、結局小型3ボタンのやつばかり使う様になってしまい、しかもレバーが高価ですから、
その後作ったパネルには採用しなかったので結果的に使わなくなりました。光センサーは
パドルと同じフォトインタラプタなので機械式接点が無く長寿命との事でしたが、反面過電
圧に弱く、配線ミスやショートで一瞬で壊れました。その為?光センサーキットなる物が出
ており、修理交換が可能でしたし、一般のJLFレバーを光センサー式に改造も出来ました。


光センサーレバー FLASH1


下の写真左が光センサーレバーを使用した豪華仕様コントローラー。連射装置やら、コネ
クタ式ボタン配置変換やら、ドリームキャストコントローラーが繋げたりしますがでかすぎ。
写真右が光センサーキット。

使用パネル&光センサーキット


■ セイミツ LS-30 ループレバー

なんかどんどん古くなります。SNK怒でおなじみのループレバーですが、型番から察するに
セイミツが作っていたと思われます。型番はLS-30。このレバーは最初のループレバー作品
であるT.A.N.K.からIKARI怒に変わる時に握りの形が変わっていますが、その後も3回程度
マイナーチェンジがあった様です。T.A.N.K.の時のは知らないのですが、IKARI怒の時はロー
タリースイッチからの接続が配線ジカでした。最終的にはNHコネクタでの接続になります。
しかしこのレバーの最大の問題はレバーがクソ重いと言う事。方向入力の重さを秤で測っ
て見たら、スイッチがカチッと入るのが約550g、ガイドに当たるのが800g近くと言う重さ。
これだけ重いと疲れると言うのもあるが、強い力で操作しますからロータリースイッチの回
転止め金具の消耗が激しそう。そこでレバーのスプリングを交換して、適度な硬さに修正
するのをお勧めします。

セイミツ LS-30 ループレバー


下の写真左がIKARI怒のループレバー。ロータリースイッチからの配線は一本一本半田
付けで引き出されている。手間かかりすぎ。写真右で右側に並んでいるのが、ループ
レバーオリジナルのスプリング。袋に入ったのがお勧めの交換用スプリング。これだと
ピッタリLS-32ライクになって、本当に使いやすくなる。

IKARI怒ループレバー&スプリングカスタム


■ メーカー不詳 リーフレバー

これまた古いよく分からないレバーです。日本国内ではどんなに古いレバーでもマイク
ロスイッチを使っていますが、アメリカではリーフスイッチと言う接点そのままのタイプの
スイッチを使用したレバーもありました。このレバーがそのタイプです。メーカー記載は
ありませんし、何に付いていたのかのかも不明です。と言うか、そもそも壊れています。

リーフレバー


シャフトはすっぽ抜けるし、スプリングも欠品しています。なので本来どういう構造なのか
良く分からなかったのですが、調べたところシャフトの固定はゴムで行っているっぽい。
下の写真中央のゴムパーツに本来しっかりシャフトが固定されていた様です。修理として
は、シャフト周りのゴムがすっかり無くなっているので適当なラバー素材を詰める必要が
あります。選んだのは電気配線の圧着端子に使うカバー。サイズ的にピッタリだし、軟ら
かめで良さそう。

リーフレバー分解


ゴム周りを修理、スプリングも適当な物を取り付けます。で、直した結果なのですがシャ
フトの固定がゴムなので当然カチッとした操作感ではありません。なんかこう微妙に重い
ゴムの感じ。周りのゴムが硬くなってる為かな。う~む、これは状態のいい同等品を触ら
ない限り、本来の感覚は分かりません。ゴムパーツをそっくり作り直して自分の思い通り
の操作感にする手もあるが、今のところこのレバーを使う予定は無いし、その内考えよう。

リーフレバー修理


※さて、メーカー不詳だったこのレバーですが、一時期どうやら米国ロッコーラ社製では?
と思い当たるに至りました。理由はロッコーラ社の筐体のパネルに付いているのを見た
からなのですが、逆に言えばそれ以外の情報はありませんでした。しかし更にその後、
実際にレバーを生産したのはロッコーラ社では無く日本の会社と言う情報が。しかも評
価的にはアメリカWico社のリーフレバーのコピー品の様な位置付けらしい。品質はWico
製に比べると悪く、リーフ接点の耐久性とかが劣るそうです。この辺りの真実は今となっ
ては分かりません。まあ確かにコピー品なら製品にメーカー名が無いのも納得出来ます。

なおロッコーラ社はrock-olaと書きますので、近年はロック・オラと記載されているのを
見かけます。このメーカーはゲームよりジュークボックスで有名でしたがジュークボックス
関連ではロッコーラと書くのが一般的でしたので、こちらでもロッコーラと記載する事に
します。ネイティブの発音でもロッコーラと聞こえますしね。

で、このレバーですが、その後もう一本入手しました。まとめて入手したジャンクの中に
入っていたのです。ジャンクと言いましても今回のヤツ方がだいぶマシ。なので改めて
構造をチェックします。下の写真が今回入手したレバー。右側は分解したところ。前回
カンで組み立てた物と同じ構成。うむ、組み立て方は間違っていなかった様です。ただ
前回組み込んだスプリングは不要だった様。まあ、たしかにあってもなくても動作に関係
なかった。




構造は分かったので次は操作感。しかし触ってみると、これまた前回修理したものと
ほぼ同じ。もっとこう違う感覚を期待していたのだが、ちと残念。今回入手したジャンク
品の中には、他にもレバーやらトラックボールやらが多数入っていたのですが、その
中にリーフレバーのゴムだけと言うのもありました。比べて見ると取り付けピッチは同じ
様です。なので試しに交換して見ます。下の写真の右側がパーツで入っていたゴムの
軸受けです。




交換して見るとこっちだと操作が軟らかい。最初は「おっこっちの方がいいじゃん」と
思ったのですが、よく考えたら今はレバー単体の状態で操作しています。もしこれを
パネルに取り付けたら、くにゃくにゃ過ぎるのでは?と言う気がしてきた。レバー操作
が軟らかいのは単にゴムの厚さが薄い為です。上の写真で右のはゴムの円周部分
のホリが深くなっています。とりあえずゴムはオリジナルの状態に戻しておきます。

上でロッコーラ社の筐体に付いているのを見た、と書きましたが主催者はロッコーラの
ゲームを一つ持っています。ゲーム名はニブラー。もしかしたらニブラー筐体にもこの
レバーが付いていた可能性があります。つー事はこれでニブラーを操作すればオリジ
ナルの感覚が味わえると言う事かも。そこで物は試しにニブラー用パネルを作ってみ
ます。下の写真がニブラーの基板。小さめで扱いやすい。こちらもJAMMA化してあり
ます。




早速ケースの加工。ケースはゲームラックにセット出来るいつものサイズで製作。
パネルのデザインはニブラー筐体を参考に似せた物を製作します。そこで思うのは
ロッコーラのパネルはレバー取り付け基部に別パーツ(鉄板?)らしき物が付いてい
る事。これは無くてもいいのですが、せっかく作るのだからこの部分も再現します。
下の写真右のパーツです。ただオリジナルと違いプラスチック製。鉄板だと焼付け
塗装でもしない限り、すぐに塗装がハゲハゲになりますからね。




出来ました。パネル内はレバー一本だけのシンプルな構造。本来はパネルがもっと
横に長く、1P、2Pのスタートボタンがもっと外側にあるのですが、構造上取り付けは
無理なので小型の押しボタンスイッチで代用しています。




さて、出来たからには早速プレイ。ここでニブラーについて簡単に説明します。ニブラー
はパックマン系のドットイートゲームです。迷路にあるドットを全部食べれば面クリアに
なります。特徴はドットを食べると自身の体が伸びる事。そこで自分の体をパクッとやる
とミスになります。操作は4方向レバーのみ使用。ゲームは止まる事が出来無いのと、
エサを食べずにいると時間が物凄い勢いで減りますので、正確な操作でサッサとクリア
する必要があります。その代わり?壁にぶつかってもぐるぐる回り続けるだけでミスには
なりませんし、お邪魔キャラもいません。なおエサを食べると時間の減り方はスローに
戻ります。




ニブラーは当初は4方向レバーで操作していました。しかしゲーム中のレバー操作が有効
なのは曲がり角だけなのと、マイキャラの動きが結構速い事もあって、一回曲がるだけで
いいのを2回くるんと回ってしまい自分をパクッとやってしまう事があります。そこで試しに
8方向レバーでも操作して見ました。と言うのもこのレバーは8方向にも入りそうな感じだっ
た為です。それでセイミツLS-56で操作して見たのですが、4方向よりややミスは増えそう
ですが、そう極端には変わらない、と言うイメージでした。それより壁の無い3面等で斜め
に入れると自動でギザギザ動作になり斜め方向に移動します。下の写真左がゲーム開始
時の1面でその横2つが3面です(液晶に映している為か画像の右端が少し流れています)
ゲームをプレイする限り斜め方向にも受け付けている、と言えそうです。4方向レバーで下
の様にギザギザに入れるのは実際大変です。そこで次に完成したニブラーパネルで操作
して見たのですが、レバーの動きがゴムの軸受けで制限されていて重い為、結果的にい
らん方向に入りづらくミスが減る、と言う印象。ただこれは今日のプレイ感覚なので、日を
置いて改めてプレイしたら印象は変わるかも知れませんが。なお、このレバーでの8方向
入力(斜め入力)はレバーが固い為か、実際のプレイでは入りませんでした。




■ バリー・ミッドウェイ社 レバー

次はバリー・ミッドウェイレバーです。バリー・ミッドウェイと言えば別のコーナー”バリー・
ミッドウェイ トロンを起動”
でゲームを取り上げています。あちらは特殊レバーですが、
それの一般型と思われるのがこれ。特徴はとにかくでかい。トロンの方は大型グリップの
付いた特殊操作系ですから大きくても納得できますが、こっちは特殊でもないのに同じ大
きさ。本体の四角い金属部は10.5cm角です。ちなみにアメリカ純正のパックマン用です。




レバーに付いている2つの板金パーツはスタートスイッチ接点。このレバーは基本8方向
なのですが、リーフタイプ接点を押すパーツの直径を小さくしたり、リーフの取り付け角度
を変えると4方向にも出来ます。さて操作感ですが、でかいから重いと思いきや以外にも
普通。LS-32よりやや固いか、と言う程度です。




■ コインコントロール社 レバー

レバージャンクの中にまた良く分からないレバーが入っていました。良く分からないと申し
ましても、メーカー名は記載があります。コインコントロール社です。




このレバーの特徴は操作感がやたら軽い事。正にソフトタッチ。横からエアガンでシュッ
と吹いたらカチッと入った。あとレバーシャフトが長い。レバー基部から握り玉のてっぺん
まで9cmあります。家庭用では無く業務用のレバーだとは思うが色々あるなぁ。




■ 照光式 レバー

以前主催者はJAMMA/JVS対応コントロールボックスを製作しました。そこでレバーと
ボタンを光らしたのですが、ボタンはともかく、レバーの発光は主催者の方法では問題
がありました。何と言うか、無意識の内にシャフトを回転させているらしく、シャフトの中
に通っている線がねじれていました。その内ねじ切れて光らなくなってしまいました。
そんな中、最初から光る仕様のレバーがあるので入手してみました。

主催者の方法以外でレバーを光らす事を考えると、シャフト末尾にラッグを付けて電源
を供給、回転させてもOKにするか、シャフトの下部から照光する方法が考えられます。
出回っているレバーはどうやら下部から照光する方式っぽい。で、下の写真が届いた
レバー。う~む・・・。箱付きでなんかニイハオな感じ。色は青をチョイス。

照光式レバー


レバーは握り玉の直径が約40mm。シャフトの太さも約13mmと太め。やはり?下から
照光、透明なシャフトカバーで上部握り玉を照らす方式でした。シャフトが太いのは透
明のシャフトカバーが太めな為です。レバーの動作は非常に軽い。アタマがでかいの
で本来もう少し重い方がいい感じ。レバーの裏側は微妙にセイミツっぽい作り。下の写
真左が発光部。写真右がシャフトの下側から見たところ。そこで今一な部分を発見。

照光式レバー分解


シャフト下の軸受けが金属と言うか、タダのワッシャ。これでは本体側がすぐに磨り
減ってしまいます。これはイカン!と言う訳でパクリ・・・もとい、参考にしたと思わ
れるセイミツLS-56のパーツを取り付けると、これがピッタリ。ただ、シャフト下部の
仕上げが荒く、ギザギザ状なので今度は下の軸受けがすぐに磨り減りそう。なので
今度はシャフト下部を磨きまくってスムーズな動きに。このレバーのスイッチ基板に
は出力コネクタが2つ付いています。基板中央のがサンワ/セイミツ、端にあるのが
3番ピンがGNDのピン出力なのですが、2つも必要ありませんし、どうせならマイクロ
スイッチ基板もセイミツでいけるんじゃないの?と思い付きLS-56の基板をはめると
またまたピッタリ。なんかもう、このまま行きます。ちなみに取り付け板金はLS-32
のベース(セイミツベース)にLS-56の取り付け穴が開いていると言う物でした。
ここで発光させて見ます。入手したレバーの場合、照光はレバーの透明樹脂部分
から出ている2ピンのコネクタに接続します。この部分の構造は何種類かあります。
恐る恐る電圧をかけると、8Vぐらいから光り始め、どうやら12Vが定格の様です。
この類の照光は辺りが暗くないと良く分からない場合がありますが、昼間の室内
でも一応認識は出来ました。

照光式レバーカスタム


そこで以前作った照光レバーと今回のを取り替えるかと思ったのですが、この際下部
から照らす方式で照光レバーをもう一度作って見ます。製作ベースはまたまたLS-32。
選定理由は取り付け板金と本体の間にスペースがあって、発光部の組み込みが出来
そうな為。LEDは最初はチップタイプで行こうかと思いましたが、思いの他スペースが
あったので通常のタイプでトライします。まずはLS-32のシャフトを7φ程度に削ります。
次に外形10φのアクリルパイプを切断、シャフトカバーにします。次にLEDをセット、
発光させたのが下の写真右。

照光式レバー自作


シャフトカバーと握り玉をセットして発光させた時の握り玉の光り具合ですが・・・。
う~ん今一つ。シャフトカバーと握り玉のボスネジが同じサイズなので光を遮って
いるのかも?そこで試しにぶっといシャフトカバーを製作、試して見たが・・・。

照光式レバー実験中


結果は僅かに光量が増えただけ。下の写真中央では、LEDにフタをしてどの様に
見えるか実験しています。写真ではまずまずの光り具合だが、周りが明るいと良く
分からないと思う。シャフトカバーと握り玉がレンズの様な働きもしている様だ。

照光式レバー照度チェック


最終的にシャフトカバーにゲタを噛ませ、LEDの上に乳白のプラ板をセット、上に
透明のディスクを置いたところまずまずの結果に。下の写真で中央が点灯前、
右が点灯中。明るい日中だとこんなもんです。隣の青と比べても遜色無い程度
だと思う。もっとでかい握り玉を使うとかすれば更にいいのでしょうが、扱いにく
い様では困りますからこの辺で妥協します。

照光式レバー自作品完成


■ サンワ電子 JLMアナログレバー

2015年にサンワ電子から新しくアナログレバーが発表されました。形式はJLM。業務用
のアナログレバーは通常ボリューム使用ですが、こちらは磁気センサーを採用との事。
主催者も早速入手して見ました。




業務用アナログレバーとしては定番のJLK-GF2-ATがあります。下の写真で右にある大き
いやつです。これはプラネットハリアーズで正式採用されている物で、モンキーボールや、
アフターバーナークライマックスの物もグリップの形状が異なりますが同じ品です。JLMは
中央にあるやつ。かなり小型、同じサンワのJLFレバー(左のやつ)と大差無い感じです。




JLMは磁気センサー使用との事ですが、磁気センサーと言えばホール素子が思い当た
ります。過去に”ドリームキャストを修理”の記事の中でドリームキャストのコントローラー
のアナログスティックがどうやらホール素子の様だ、と書きました。業務用では過去に
アタリ社がホール素子のアナログレバーを自社のゲームに採用した事があります。

さて届いたレバーを早速チェックして見ます。レバーは上部が可動メカ、下部が出力基
板になっているのですが途中空間が開いています。うむ、正に磁力で制御している感じ
がします。基板部を分割してカバーを開けると、出てきた基板は意外にもシンプル。




さて早速ゲーム基板に繋いで見ます。ホール素子は素子そのままの出力ではゲーム基板
の入力レベルに合致しないのですが、最近の素子はアンプを含む各種回路までワンチップ
になっているらしいし、サンワが作っているレバーですからゲーム基板との接続は考慮され
ているだろうと判断、ジカにゲーム基板に繋いで見ます。まずはJAMMA規格のゲームから。
繋いだのはパワードリフト。通常だと+5VとGNDの間に5kΩのボリュームを入れ、その間の
電圧を読み取っているのですがどうでしょうか。

まずはテストモードでアナログ入力の数値変化を見たところ、普通に変化しています。(下
の写真左)。おぉ良かった受け付けている。しかし変化量が少ないです。まずレバーに触れ
ないセンター位置だと80H。左右に倒すとそれぞれ4DH~ADHまで変化しました。ここで過
去に作ったアナログコントローラーに繋ぎ替えるとこちらは3AH~D7Hまで変化、やや広い。
まあ変化量が小さくてもゲームが出来ればいい訳です。それで次に実際のゲーム画面で
試すと・・・。うぅ~むAコースが選択出来ません。やっぱ電圧変化が狭いのでAコースまで
ハンドルが切れないのです。このまま少しだけゲームをプレイしましたが、ゲームプレイ自
体はそれほど違和感は無かったです。古いレースゲームはゲーム上のハンドルの分解能
が少ないですからね。




では次にJVSで試します。こちらも入力デバイス自体は同じ物を使用しますからJAMMAと
大差無いと予想。ゲームはアフターバーナークライマックス。それでいくとやっぱ左右の
移動範囲が狭い。繋いですぐゲームをプレイしたところ3面の渓谷がかわせませんでした。
そこでこちらもテストモードに入り数値を確認すると、54H~abHまでの変化。これはX-Y
共にほぼ同じ数値です。どちらにしろ電圧の振り幅が足りないので、サンワのアナログ
レバー用アンプ基板を繋いで振り幅を拡大して見ます。すると・・・。振り幅が00H~ffH
まで目一杯振っています。これでゲームをプレイすると普通にプレイ出来ました。試してい
ませんがパワードリフトも恐らくOKです。しかし良く考えたら、JVSではコントローラーの
アナログ電圧の振り幅に対しゲーム基板側でキャリブレーション調整が出来るはず。そこ
でアンプ基板を外しキャリブレーション調整を行ったところ、そのままで問題無くプレイ
出来ました。




このレバーの操作感ですが軟らかいです。単体で触った時にはあまり意識しなかったの
ですが、ゲームをプレイすると感じます。一般的なボリューム使用のアナログレバーは
入力時ボリュームを回転させていて、シャフトがセンター復帰する時には逆回転させてい
ます。つまりレバーが戻る時にも抵抗があってその分ゆっくり戻る力が働く訳です。磁気
センサー方式ではセンター復帰時の抵抗は全くありませんから、軽くピョコンと戻る訳で
す。フライト用としてはもっと抵抗があった方が操作は安定しそう。ただ一般的なデジタル
入力用としても使えそうなデザインですから、(シャフトの傾き角度は大きめですが)デジ
タル/アナログ共用レバーとして使うなど面白い事が出来そう。その場合、静音スティック
としての機能も持ちます。

なお”フライトコントローラーの製作”のコーナーで、ゲームによってはレバーの動きに対し
操作キャラの動きが逆になるのでボリュームの電圧の極性を変える必要がある、と書きま
した。このレバーの場合、XとY個々に電圧極性を切り替えるのは無理と思った方が良さそ
うです。ワンチップ化された素子を使っていますからね。では極性が合わない場合使えな
いのか、と言うとまだチャンスはあります。実はアフターバーナークライマックスでも最初
左右の動きは合っているのですが上下の動きは逆でした。そこでXとYの配線を入れ替え
てレバーを90°回転させた状態で使ったところ上下左右全ての動きを合わせる事が出来
ました。


■ SUZO 誘導レバー

これまた謎のレバーです。これは過去に入手したアーケードジャンク品詰め合わせの中に
入っていた物。形状も変わっているし、内部には基板が入っていてコネクタ接続になってい
ます。このレバーは今まで放置していましたが、今回初めてハーネスを作って動作検証を
してみます。




下の写真はレバーの裏カバーです。良く分からないがメーカーはSUZOでいいのか?




カバーを外すと何やら複雑な回路が組まれた基板が。これは只者では無い感じ。多くの場合、
訳分からん商品の出所は訳分からんメーカーな訳で、当然適当な作りです。しかしこれは一流
メーカーが作ったと思える作りです。それで調べるとやはりSUZOと言うメーカーの品でSUZOは
一流メーカーの様。で、この商品はsuzo inductive joystick(誘導レバー)と言う物らしい。基板
上にコイル状の渦巻きパターンがあり、レバーのシャフト末尾には磁性体が付いています。渦
巻きパターンはシャフトの貫通穴周りとその周辺に8つありますが、磁性体を近づけると中心の
渦巻きパターンから周囲8つの内の2つに励起され、ONすると思われます。ううむ光センサー
レバー等、通常のマイクロスイッチ以外の物はたまにありますが、これは初めて見た。




早速ハーネスを作り動作を見てみます。しかし・・・。上と右が入ったままで動作しません。
基板にはICが2つ付いています。片方はロジック、もう片方はオペアンプなのですがロジック
ICが熱いです。基板のコネクタ端子にはジカに半田付けした痕があるのですが、どうやらそ
の時に電源の接続を間違えたのでは?と思われます。そこでICを交換するか、と思ったので
すが、念の為ICソケットにします。付いているロジックICが74HCTLS02と言うあまり聞かない
シリーズが使われている為で74HCTLSどころか74HCTも手持ちが無いので基板上はソケット
にして、取り合えず74HC02をはめます。ついでにオペアンプの方もソケットにしておきます。




それで再度実験すると今度は動作しました。このレバー基板にはボリュームが4個付いてい
ます。一つは4/8方向切り替えで、この部分は裏カバーに穴が開いている為、外部から操作
出来ます。後の3つは感度調整でレバー角度に対するON位置を合わせます。調整が悪いと
入りっぱなしとか斜めに入りやすいとかになります。実際の調整は結構微妙で最良点は限定
されます。微妙と言う事はシャフトの可動部が劣化したりゴミが詰まった状態では意味が無
いので、メンテした上で調整する必要があります。




さてこのレバーの操作感ですが、レバーシャフトが長い&傾斜角度が狭めなのと、接点が入っ
た感触は当然ありませんから特にクイックな操作感です。無駄なストロークとかばたつく感じが
殆ど感じられず、僅かなドット移動とかコマンド入力に向きそう。主催者の元に来る前にはどの
様なゲームに使われていたのか興味深いところです。

※なおSUZOですが良く見たらカバーのモールドにロッテルダム、ホラントとありました。どうやら
オランダのメーカーの様です。ただ現在ではアメリカのゲーム機器メーカーであるHappと合併
してSuzoHappとなっている様です。


■ 国産 リーフレバー

上の方で「日本国内ではどんなに古いレバーでもマイクロスイッチを使用・・・」と書きましたが
なんと国産のリーフレバーを入手しました。日本でこんなのがあったとは驚き。ただ残念なの
はレバーの製造メーカーとか使われていたゲーム名が不明な事。




通常リーフレバーは軸受けにゴム製のグロメットが使われています。それがリーフレバーの
操作感に繋がっている訳です。しかし日本製のコレはチガウ!ゴムなんてヤワな物は使わ
ないぜ!と言う訳で可動メカはフルメタル構造。なんか渋いぞ。入力方向はリーフ接点の取り
付け角度の調整で4方向にも8方向にも設定可能(下の写真では8方向)。




操作感は硬めのアナログレバーと言うのが近いかな。レバーを引くとスプリングをビョーン
と引っ張っている感じがして、放すとビョーンと戻る。まあそれは少し言い過ぎかも知れま
せんが、少なくともゴムを使ったリーフレバーよりクイックです。当然カチカチした感じは全
くありません。下の写真左はメード・イン・ジャパンの証シール。右はシャフトの方向ガイ
ド。こんな部分まで金属。さすがにここは樹脂の方が耐摩耗的にいい気がする。




■ バリー・ミッドウェイ 2方向レバー

バリー・ミッドウェイ製の2方向レバーです。リーフスイッチタイプ。これはアメリカのギャラガ
筐体に使われていた物です。通称ギャラガレバー(勝手に命名)。




このレバーの入手時はシャフト欠品、更にシャフトが通る可動鉄片がひん曲がっている状態
で、完全ジャンクでした。それで「まあ2方向だし使う事も無さそうだから処分するか」と思った
のですが、暇つぶしに分解して曲がった可動鉄片を修正して見ました。すると思いの他、う
まく直ったのでもう一押ししてステンレスでシャフトも作りました。そして動かして見ると・・・。




スバラシイ操作感。今まで触った事が無い感覚。何と言うか、粘りがあるのにポップな感じと
でも言いましょうか。方向入力時には粘りがあり、戻る時にはポンッと戻るのです。これで
ギャラガとかやったらメチャ楽しそう。この感覚を知ったからには処分なんてとんでもねぇ話
だ。で、あまりに気に入ったのでもう一つ手配(下の写真で左側)。今度のは一応完品です。




届いたレバーを見ると先に修理した物よりシャフトが少し短かった。前回修理品のシャフトの
長さをどうするかは今後考えよう。で、届いたレバーですが完品と言いましても、やはり年代
物です。シャフトも磨耗してガタがあります。そこでこちらもメンテを行います。下の写真は
分解したところ。これで全てのパーツです。この後洗浄を行います。




さてパーツの洗浄が完了しました。下の写真左はスイッチ接点。接点はリーフタイプな訳です
がシャフトをセンター復帰させるスプリングもリーフ(板バネ)。このレバー独特の操作感は、
板バネにより得られているのです。板バネの反発の強さは取り付けネジにより調整出来ます。




洗浄が終わったので組み立てに入りましたがシャフトがヘンです。可動鉄片のセンターピン
にぶつかります。もし最初からこの様な構造ならセンターピンに何らかの痕が付いているは
ずですが、痕は全くありません。更にシャフトに付いている磨れた模様と可動鉄片との結合
部が合いません。どうやらこれは別のシャフトを適当に組み合わせてでっち上げた様です。




このままではガタも多いし何よりセンターピンが消耗してしまいます。なのでこちらも新た
にシャフトを作る事にします。材質は例によってステンレス。長さもオリジナルに準じた物
にします。前回の時は何も調べずに勢いで作ったのです。今回作ったのは下の写真左の
短い方。何かえらく短い気がする。ひょっとして間違えたか?で、それをそのまま組み立
てたのが下の写真右。やはりえらく短いが改めてオリジナルの写真を見たらそちらもこの
様な感じで間違いは無かった。




※なおこのレバーですがギャラガだけで無くギャクシアンにも使われていた様です。つー
事はあっちが元祖か。




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