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SEGA HIKARU基板

MAOMIと同じくJVS規格の基板、SEGA HIKARUです。NAOMIとの違いは大型筐体物と言う事でしょうか。
ソフトは”プラネットハリアーズ”が入ってます。これを何とか家庭でプレイできるように加工してみました。



まず、基板を買う時に業者の方に「取説を全ページコピーしてくれ!」とお願いしてみました。全ページは
無理でしたが、必要なページはコピーしていただきました。それを見ながら接続、確認を行いましたが
起動できずに参りました。I/Oボードが無いとエラーが出るのです。取説では専用I/Oボードが使用されて
います。立ち上げは不可能なのか?と思いましたが、基板内部にテストスイッチを発見、これにより次の
画面を確認できました。と、今度は通信エラーです。一瞬ハードの故障かと思いましたが、結局設定変更
(コミニュケーションモードをノーリンクに)で回避できました。このゲームは本来ツイン仕様でした。

HIKARU内部のスイッチ。左からリセット、項目シフト、テスト&決定。



I/Oボード無しで起動させると、この画面から進みません。



しかし、HIKARU本体のテストスイッチを押すと、システムメニューに入り、設定が出来ます。



起動確認が出来たので、専用コントローラーの製作です。本機は大型ゲーム機と言うこともあり、
大きなパネルにアナログスティック仕様です。とりあえずI/Oボードは専用品を購入。これは後で
分かった事ですが、パネルのボタンスイッチのランプの点灯に拘らなければ、普通のI/Oボードでも
問題なくプレイできるのでした。(普通のI/Oボードでもアンプ回路を組めば、ランプの点灯もできます)



今回はパネルが大きいのでI/Oボードもパネルに収納します。HIKARUとはUSBケーブルで接続。
クレジットスイッチもパネルの内側に付けます。このゲームに限っては、JAMMAで作った配線は
全く使用しないことになります。取り付け枠を作ってパネルを置いて使える様にして完了です。





■ HIKARU基板の不具合

HIKARUは故障したら修理不能です。メーカーサポートは終了しているし、修理を受け付けてくれる
業者もいません。アメリカには修理可能な業者はある様ですが、日本国内ではまず無理でしょう。
基板屋でも直したいのだが修理できず、オークションなどで叩き売って処分している様です。主催者
の持っているHIKARUも動作がヘンになりました。そこでHIKARUの不具合について考えて見ます。


HIKARUの不具合でよく聞くのがICのはがれ。オークション等で出品されるジャンクはこのタイプが
多いです。はがれているのは正方形のヒートシンク付きのIC。多くの場合紛失して基板に半田パタ
ーンだけが空しく残っています。もしICがあったとしても個人で修復するのはほぼ無理です。ICの下
面に無数の半田パターンがあり、これら全てを間違いなく半田で接続しなくてはなりません。




ICがはがれる理由ですが、これは推測の域を出ませんが恐らく鉛フリー半田を使ったからではと思
います。1990年代に環境への配慮から半田処理後の基板の洗浄をしなくなりました。洗浄剤がオゾ
ン層を破壊するためです。それだけなら多くの場合基板の半田面が汚いだけで済んだ(過去に起動
不良の問題もありゲーム基板を自己修理2のスピカアドベンチャー参照)なのですが、1990年代末期
に、今度は鉛フリーの半田が使われだしました。鉛が土壌汚染をするためです。土壌汚染は廃棄時に
埋め立て処理をするから起こる訳で、ずっと保持し続けるか廃棄時に分別すれば起こらないものです。
鉛フリー半田は土壌汚染対策に有効ですが、それ以外にいいところはありません。例を上げますと、
①半田のぬれ性(浸透性、なじみ)が悪い。②融点が高く半田処理時にパーツや基板に熱ストレスが
多くかかる。③硬化後の柔軟性が劣るので基板のそりや振動で部品がはがれる。④銀が入っていて鉛
フリー半田は高価格、等があります。信頼性の問題は自動車業界が中々採用しなかった事からも分か
ります。遊技機業界が鉛フリーを使うのはそりゃあもう環境問題に前向きでっせ~と言うアピールで
す。ちなみに下の写真はHIKARUの裏側。無洗浄と言う事もありフラックス残渣がすごい。真っ白。
基板の足も変質してボロボロになっています。実際には環境に配慮したアルコール洗浄とか水洗浄も
ありましたが、主流はやはりラクな無洗浄です。実は主催者はHIKARU基板を4枚程度見比べた事が
あるのですが、基板の裏の残渣は全部違いました。写真の真っ白の他に、べとべとなヤツとか割と綺
麗なヤツとか。本来ならみんな同じ仕上がりのはずです。試行錯誤状態だったのか。製造現場は迷走
していた印象を受けます。




さて、そこで修理ですが不具合の原因は、やはりICのはがれ(半田クラック)系が一番に浮かびます。
これは基板のそりや、振動が原因で発症します。ゲームセンターで筐体を移動したら動かなくなったと
聞いた事があります。そこで主催者はチップ部品用のスポットヒーターをパーツごとにあてまくりました。
半田の亀裂が閉じるかも知れません。しかし変化無し。やはりこの程度ではダメで、大型のリフロー炉
にでも入れなければ対策にならないか。次に接触不良を疑います。基板の裏があれだけ汚れていると、
コネクタの接触不良も考えられます。まず基板を洗浄します。その後コネクタに接点スプレーをかけた
り、コネクタ自身を引っこ抜いたりして様子を見ます。しかし変化無し。なお、このタイプのコネクタの
分解、組み立ては細心の注意が必要です。




その後電気的にもチェックして見たのですが、結論を言いますとROMボードにアクセスしていない。
ID認証が出来ていないようだ。良く分からないがNAOMIのDIMMボードでも同じ様な不具合が出た
事があります。一部のICを載せ換えたりしましたが特に変わらず、もう分からん。この基板はほっと
いて他のHIKARUの起動確認をこの際念行っておく事にしました。そこで出してきたのがプラネット
ハリアーズ海外版と国内版(2枚目)、更にバーチャロンフォースの国内版。それで順次起動を行って
いくと・・・
なんとプラネットハリアーズ国内版だけが起動しない。と言うかその後起動はしたけど何かヘン。
もうね、修理不能だしHIKARUはどんどん無くなっていくだけです。普通に置いとくだけでも壊れる時
は壊れるんだから対策出来ない。これも壊れる前兆かも知れない。それならば「壊れる前にROMの
互換性を確認しといたれ」と思い立ちROMの載せ換えの実験をします。腫れ物に触るように置いと
いても仕方が無いし、壊れたらそれまでと覚悟して実験します。下の写真がプラネットハリアーズ
とバーチャロンフォースの基板。ロムが多い方がプラネットハリアーズ。これは余談ですが、バー
チャロンフォースを入手した時に中を開けて基板を見ると、ロムに生きているとの紙切れが貼り付
けてありました。恐らくゲーセン内で2コ1とかやった跡と思われる。この基板も生き残りの組み合
わせなのだろう。




下の写真はプラネットハリアーズの起動画面。左の緑の文字が海外版。海外版はゲームの操作説明
が全部英語。しかしそれ以外ははぼ同じ。ここで海外版と国内版のロムを入れ替えて見ました。リー
ジョンエラーが出るかと思いましたが、そのまま起動。これはロムは全く同じ物でリージョンは本体の
バイオス書き込みで決定していると言う事です。つまり海外版のロムを買っても国内のHIKARUに挿せ
ば国内版になります。まあ、ゲームに違いは無い様なので操作説明だけの問題なのですが。




それならば国内版と海外版を繋いで通信プレイが出来るかと思ったのですが、それは無理だった。
田舎がチガウやつとは分かり合えないってか。




以前良く聞いたのが、バーチャロンフォースのユーザーは基板の保守用にプラネットハリアーズの
基板を持っていると言う情報。はたしてそれは本当に有効なのか?そこでそれぞれソフトを入れ替
えてみます。結果は・・・。長時間やった訳ではないですが、確かにプラネットハリアーズのマザー
でバーチャロンフォースのソフトは動きます。しかし逆はダメです。バーチャロンフォースのマザー
にプラネットハリアーズのソフトを挿した場合、とりあえず起動はします。しかしタイトル画面で既に
バグっています。この後デモ画面でガタガタ震えたまま、スクロールが進まなくなってしまいます。
バーチャロンフォース用のHIKARUはカスタムされていると聞いた事があります。HIKARUボードの
発注用部品№も末尾が異なる?らしいし、実際ジャンパー線が多数走っています。ジャンパーなど
異なる部位を見える範囲で同じにして見ましたがダメでした。このあたりはちょっとトライしてすぐ
元に戻したので、見落としがあったかも知れませんが。




ここでプラネットハリアーズ海外版にバーチャロンフォースのロムを載せて見ます。すると操作説明が
見事に英語に。バーチャロンフォースは国内だけの販売と聞いた事があるが実際どうだったのだろう。




確認後、組み付けを行っていると、ネジが入らない部分が出てきました。良く見ると基板取り付けのベース
部分が曲がっています。つーことは基板ボード自体にもストレスが掛かっている事になります。これはICが
はがれる原因になるので、まっすぐに直しておきます。なお、どのゲームのボードだったかは忘れた。




さて、プラネットハリアーズ国内版の起動不良ですが、その後は起こりません。そこで部屋に積み上げて
いつでも起動できる様にしておき、マメに起動チェックをする事にします。あまり関係無いと思いますが、
ダンボールで保護カバーを作ってシールドケースにかぶせます。そのまま積み上げると傷が付きそうだし
今まで保護カバーを作った基板が壊れた事が無いので縁起をかついでいます。クーリングファンの部分
は当然開口させます。で、2~3日おいて起動すると・・・。やはりプラネットハリアーズ国内版だけがバグ
って起動しない。やっぱコイツも壊れたってか~。うわショック!と思ってシールドケースをばらします。
そしてその状態で起動すると今度は立ち上がった。仕方なく元に戻して再起動すると、それからは安定
起動します。壊れているのか?壊れかけなのか?まあ毎日起動すると問題無いが、3日~1週間あける
と起動しない。プラネットハリアーズは電源ONから数秒間24khzの映像信号(画像はモザイク模様)が
出て、それから31khzの信号に変わり、この時点でI/Oボードチェックに入っています。24khzの時にID認
証が行われている様です。起動しない時は24khzの画面から進みません。31khzが出ればもうOKです。
う~む。最初のヤツと一緒の不具合やん。イヤな感じ。とにかく基板を分割してもう一度組むと起動しま
す。接触不良なのか?海外版とかバーチャロンフォースはいつも安定起動するから、電源とか配線では
無いだろう。ばらいたままで使えば良いのだろうが、そんなのかなわん。しょうが無いので不具合が出た
ら少しばらいて起動ポイントを探る、を1ヶ月程度繰り返した結果、素の状態でフィルターボードの取り付
け位置がずれているのを発見しました。下の写真がフィルターボードがコネクタの接続だけで自然に保
持される位置です。このままネジ止めすればボード全体にストレスがかかった状態で固定される訳で、
良くありません。ベースや基板の取り付けネジの調整でこれを最良の位置にして、かつ電源電圧を少し
上げたところ、ついに安定起動する様になりました。電源電圧を少し上げたのは、電源投入時の電圧が
低めだった為です。SEGA リンドバーグを起動にあった、電圧降下を疑った訳です。





■ バーチャロンフォースを起動

バーチャロンフォースが出たところで、今度はこちらを家庭で起動する手順を紹介します。上記プラネット
ハリアーズもそうですが、バーチャロンフォースもツイン筐体のゲームです。一台だけ持ってきて起動して
もネットワークチェックの画面から進みません。下の写真がI/Oボード等の接続を全て完了し、一台のみ
で起動した時の画面です。まず左のシステムチェック画面が出て、次にネットワークのチェックですが、
ここから進みません。




そこでテストモードに入り、キャビネットタイプを1プレイヤーに、コミニュケーションモードをノーリンクに、
更にカードR/WをOFFにします。そしてテストモードから抜けるとゲームのデモ画面が出ます。あと、バ
ーチャロンフォースのシステム構成はHIKARUが5枚で一セットです。プレイヤー用が4台とターミナル用
(カードベンダー用)で5台な訳です。ターミナル用もプレイヤー用も同じHIKARUなのですが、ターミナル
用をカードリーダーシステム無しで起動すると下の写真中の画面が出ます。これもテストモードでゲーム
スタートモードをベンダーからゲームに変更するとOKです。




ゲームが立ち上がりました。次はコントローラーです。プラネットハリアーズはアナログスティックで
すが、バーチャロンはツインスティックです。それもグリップタイプのレバーの先端に2つのスイッチ
が付いた物を使用。つまりクレイジークライマー用とかナムコのアサルトのではスイッチが足りない
訳です。本来ならばバーチャロン専用パネルが欲しいところですが、最近はオークションでもあまり
見かけませんし、純正パネル(特にフォース用)は何しろでかい。そこでパネルはセガサターン用を
流用する事にします。下の写真左がサターン用パネルの中身。うむ。清々しいほどスッキリしてい
るぞ。これなら配線の引き出しもすぐに出来そう。と言うかI/Oボードも組み込めそう。で、配線を完
了したのが下の写真中。今回はコイン/テスト等のスイッチはパネルに付けず、JAMMAハーネス用
のスイッチボックスに接続する方式を採用。これだと加工不要ですぐに出来るし、そもそもコントロ
ーラーにあまり穴を開けたく無かった。しかしフォースは味方指示ボタンが要ります。これはパネル
に穴開けして追加します。下の写真右で右レバー上の赤いやつです。なお、I/Oボードへの配線は
I/Oボード1PのU、D、L、RとPUSH1、2が左のレバー、2PのU、D、L、RとPUSH1、2が右のレバーに
なります。味方指示は1PのPUSH3です。さて、出来たパネルを早速使って見た感想ですが、HIKA
RUへの接続はパネル内にI/Oボードが内蔵されている事もあって、ワンタッチで非常に手軽。しか
し肝心のレバーの操作感は、カチッとした感覚に乏しくてなんか今一。まあこれは仕方ないか。




バーチャロンフォースを起動したならば、ぜひカードリーダーも欲しいところ。で、次はカードリーダー
を接続します。下の写真左がカードリーダーとインターフェイス基板。インターフェイス基板は木の板
にセットされていますが、正方形の基板がインターフェイス基板で、細長い方はカードリーダー用の
電源です。また、カードリーダーのカバーを開けると奥の方にカードをセットするボックスがあります。
それでボックスを開けると、中から生カードが数枚出てきた。と言う事は、これはベンダー用のカード
リーダーだったのかな。どちらにしろ、タダでカードが手に入って儲かった。昔、中古の筐体を買った
ら中から小銭(50円玉)が結構出てきて、ご祝儀をもらった気分だったが、それと良く似た感じだね。




さて接続です。下の写真左はインターフェイス基板とカードリーダー電源の電源入力ハーネス部分。
インターフェイス基板の方は+5Vを供給するだけなので元の配線は取り外し、I/Oボード供給用から
分岐するハーネスを新たに製作して取り付けます。カードリーダー用の電源の方もAC100Vを繋ぐだ
けなのでACインレットを付けた物に取り替えます。下の写真右はHIKARUとの接続部分。これは本来
延長ケーブルを通じてHIKARUに接続するのですが、家庭でプレイする場合延長する必要は無いし、
短い方がノイズに対しても有利ですからこのまま繋ぎます。ちなみにコネクタは日圧のSMコネクタに
なっていますが、これはNHコネクタと同じピンコンタクトです。なのでそのままHIKARUに挿せますが、
うっかり逆に挿す事もありえますからハウジングをNHにしておきます。HIKARUの受け口はNHです。




インターフェイス基板をHIKARUとカードリーダーに接続したのが下の写真。結構簡単だね。




接続が完了したので早速電源を入れます。まずテストモードにてカードR/WをONにします。そして
テストモードから抜けるとカードリーダーのクリーニングを要求してきます。主催者はクリーニング
カードは持っていません。クリーニングカードが無くても、カバーを開いてクリーニングすればいい
だけです。なのでダミーのクリーニングカードを作って、とりあえず入れて見る事に。ダミーカード
はそこら辺にあった封筒をカードサイズに切って、裏側をガムテープで補強しただけの物ですが
問題無く完了。




さて、生のカードがある訳ですから、カードの払い出しも行って見ます。やり方はカードのボックス
に生カードを入れます。方向があるので注意します。そしてテストモードでゲームスタートモードを
ベンダーにします。そしてテストモードを抜けると・・・ありゃりゃエラーだ。う~む、もう一度テスト
モードに入ってフリープレイにします。すると・・・。今度はキター!!




早速名前等を入力してカードを作成します。うまく払い出されるかな・・・。




出ました。下が払いだされたカードです。自宅でこんな事が出来るとはちょっと感動します。




ゲームに戻る為にはテストモードでまたベンダーからゲームに戻さなくてはなりませんが、一台の
HIKARUでカードの供給も読み込みも出来るのですから、これぐらいヘッチャラです。次回からの
ゲームプレイ時には作ったカードを同じカードリーダーに挿入する訳ですが、そこで思うのは読み
込み専用のカードリーダーに生カードが入っていてもいいのか?と言う事。そこで生カードはその
このままの状態で、読み込み&ゲームプレイして見たのですが、特に問題は無い様です。カード
の保管を考えると、この方がラクでいいね。


さて問題無くゲームがプレイ出来る様になりましたが、カードのインターフェイス基板がバラック
状態でまとまりがありません。そこでこれらをケースに収納してスッキリさせます。収納ケースは
カードリーダーと同じサイズの物を作り、重ねる事に決定。下の写真左が準備したケース。これ
にインターフェイス基板と電源基板を収納、外側はカッティングシートで仕上げます。写真左が
重ねたところ。うむ、スッキリサッパリしました。




ケースにまとめた理由ですが、そのままでは配線とかむき出しで何かの弾みでショートしそうとか
もあるのですが、一番の理由は場所を食う事。カードリーダーを実際手に取って見ると、その大き
さに驚きます。HIKARUと並べてもこのサイズ。なのでせめてインターフェイス部分だけでも小さく
して扱いやすくした訳です。





■ プラネットハリアーズまた起動不良に

HIKARU基板でプラネットハリアーズ国内版だけは月に一度程度起動確認をしています。それで毎回
立ち上がればいいのですが、立ち上がらない時もありました。その時はフィルターボードを抜き差し
すれば立ち上がりました。しかし最近月一の起動確認で立ち上がらない時が増えてきました。更にま
ずい事にフィルターボードの抜き差しをしてもまだ立ち上がらない事が多くなってきました。その時
は更に通信ボードやROMボードを抜き差すると立ち上がりました。また、別の不具合として起動して
暫く放っておくと、いつの間にか画面がバグっている不具合も発生する様になりました。過去にフィ
ルターボードを別のHIKARU基板と入れ替えたらやたら安定したのですが、今ではその効力もダメな
様です。

フィルターボードを徹底的に洗浄、更に電源コネクタの接触も念入りにチェックしますが、良くなる
どころかどんどん悪くなっていきます。それでフィルターボードの調整には見切りを付け、次回の立
ち上がり不良からはROMボードとその上に載っている通信ボードの抜き差しのみで確認を行う事にし
ました。それで解ったのは、今では通信ボードの抜き差しをすると100%立ち上がると言う事です。
それで2回目立ち上がり不良の時、思い切ってHIKARUボードをケージから抜き出してみました。今
までケージの上から確認するのみで、ケージから基板を引き出す事は滅多に無かったのです。それで
引き出して分かったのは・・。通信ボードが斜めになってる。通信ボードの足(カラーブッシュ)の
長さが合っていないためです。




いったい何時からこうなっていたのだろう。更によく見るとROMボードの足のカラーの位置が間違っ
ています。下の写真左で上が今回のHIKARU、下が本来のカラーの状態。それで間違えたカラーを入
れ替え、取り付け高さを正しい状態にしたのが下の写真右。




イヤハヤこんな事やったんかい情けな~。と言う訳で今度こそはと起動します。しかし・・・。まだ
立ち上がらん!ナゼ・・・?それで再度コネクタ部をよく見てみます。するとカラーブッシュの中に
通るネジが傾いています。




う~むこの程度の事で接触不良になるのか?釈然としませんがネジをまっすぐにして再度組み付けます。
それで起動したところ今度は立ち上がりました。やれやれこれで解決しただろう、と言う訳でそのまま
放置、2日後にHIKARU基板の置き場所を移動して再度起動します。しかし・・・。また立ち上がらん!
ナゼ・・・?移動の振動でコネクタの接触に影響したとか?下の写真にある通り、ネジはまっすぐです。




もうアカン。カラーブッシュでの固定はやめて超小型のOリングとフランジナットで固定して様子を見
る事にします。これならばコネクタの結合位置で基板が固定される訳で、コネクタハウジング内のピン
コンタクトがバカになっていない限り、接触不良は起こらないはずです。それで結果ですが今のところ
起動不良とか起動中に画像がバグる等の不具合は出ていません。しかしまだ2週目なので本当に直った
のかはまだ不確定です。3年間ぐらい一度も不具合が出なければ直ったと言えると思いますが、どうな
るでしょうか。




さて上記の次の日、起動実験を行いました。すると・・・。またまた立ち上がらん!ナゼ・・・?仕方
なく通信ボードを刺し直して再起動します。しかしまだダメ。次にROMボードも抜き差しします。する
と立ち上がりました。やっぱコネクタが接触不良なのか?念のためパーツクリーナーで洗浄、ブラシで
こすっておきます。それで起動すると、また立ち上がらなくなってしまいました。画面を見ると映像信
号は24khzから31khzに切り替わっている様です。本来ならここでI/Oボードのチェック画面が出るはずで
すが、何も出ないのです。試しにROMボードを刺さずに起動するとエラー3が出ます。表示が出ると言う
事はHIKARUマザー自体は起動しているのか。続いてテストスイッチを押すと普通にテストモードに入れ
ました。どうもマザーは正常っぽい。マザーが正常ならROMボードの不良なのか?そこでバーチャロン
フォースのHIKARUにROMボードを刺したところ取りあえずはゲーム画面が出た(この組み合わせでは
途中でバグるけど)。マザーは起動するしROMも正常なら、これらの接続コネクタしかありません。そ
れでマザーのコネクタの確認のため、HIKARUボードをケージから取り外します。その時発見しました。
ピンコンタクトが曲がっとるやんけ。通信ボード→ROMボード→HIKARUマザーと繋がる部分のコネク
タです。




ふぁ~いらん事して2次災害ってか。それとも元々曲がりかけていたのを潰したのか。しょうが無いの
で直します。やり方はコネクタハウジングを外し、ピンをまっすぐにしてから再度組み立てます。ハウ
ジングの外し方は、メスハウジング(基板の半田面の方、写真では上)を持ち上げます。この時点で
オスハウジングがフリーになるのでそのままオスハウジングを引き抜きます。




下の写真が引き抜いたところ。引き抜いた時点で曲がったピンがある程度矯正された様だ。そのまま
まっすぐに修正します。




ピンを修正したらオスハウジングをはめ込みます。続いて半分抜きかけのまま置いてあったメスハウ
ジングをはめ込みます。この時メスハウジングには、必ずオスハウジングを組み合わせた状態ではめ
込みます。これをしないとメスハウジングにピンコンタクトが上手くセットできません。下の写真右
が修正が完了したコネクタ。




それで起動すると普通に立ち上がった。基板自体は問題無いのは分かった。やはり各ボードの結合の
問題なんだな。


さてその後ですが、10日ぐらいは調子が良かったものの、まだ起動不良が出ます。起動不良の時に各
基板の抜き差しをすると普通に起動するのも変わらずです。何かここまでやったら、もうコネクタの
接触不良を疑うのはムダな気がしてきました。それで考えを変え、試しにROMボードの上に乗っかっ
ている通信ボードを取っ払って動作させて見る事にしました。通信ボード上のLEDの点灯も毎回バラ
バラで良く分からん動作だなぁ、と思っていたのです。主催者宅ではシングル稼働ですから、もし立
ち上がるのであればゲームに影響は無いと思われます。それで実行すると・・・普通に立ち上がりま
した。下の写真が取っ払った通信ボード。




で、その後ですが起動不良は一度も発生しておりません。3日放っておいても、2週間放っておいても
問題無く立ち上がります。こ、こいつが原因だったのか!しかし・・・。そんな事があり得るのか?
主催者はHIKARU基板を多い時は5台持っていましたから、合わないやつと入れ替わっている可能性
があります。また、通信ボード自体の不良、或いは通信ボードのコネクタの不良の可能性も考えられ
ます。しかし原因が分からずとも立ち上がるのならもうこれでいいや。電源投入して立ち上がらない
時のガッカリ感は相当なものですからね。スムーズに立ち上がるのが全てにおいて優先です。

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