トップページ

アーケードゲーム トップ

JVS規格のつなぎ方

”JVS規格システム”の項目にある様に、JVS規格のシステムはJAMMAと共通で作ってあるのですが、
トラブル時(特に新しいコントローラーを作った時など)は、配線をたどるのが難しく、原因究明が大変
です。また、別の場所でゲームを動かしたい時があっても、組み込まれているため簡単には外せ
ません。そこでどこでもすぐに起動できる、バラック状態の予備システムを作っておく事にしました。

なお、作例では電源はパソコン用ATX電源使用で進めています。5V→3.3Vへのコンバーターを使用
する場合でも、置き換えれば一応参考にはなるかな?と思っています。



■ 電源ユニット

まずは電源ユニットです。下の写真はセガの純正電源。JVS規格のゲーム専用なので相性は抜群。
3.3V及び5Vの電圧調整も個々に出来ますし、音声アンプも内蔵しています。しかしこの電源はやや
使いにくいです。元々筐体組込用の為かサイズがでかく、置き場所に困ります。家庭で使用するには
小さめの方が取扱いがラクです。また、電源、音声アンプの両方が専用コネクタでの接続です。
このコネクタの入手は困難なので、ハーネスつきで入手する必要があります。



そこで考えるのが、代用電源です。出力は3.3V、5V、12Vが出ればいいので、一般的なATX電源が
流用できます。電流容量は3.3Vと5Vがそれぞれ10Aも出ればGD-ROMシステムも含めて動作します。
ATX電源で言うところの250W程度もあればOKですね。電源を入手したらコネクタを変更しなければ
なりません。使用コネクタはJST(日本圧着端子)のVLコネクタで、型番は以下の通りです。

ハウジング:VLP-08V  コンタクト:BVF-61T-P2.0



本来電源は8ピンタイプと6ピンタイプの2個のコネクタを接続する様になっています。しかし実用上
8ピンタイプ一個だけの接続でまず問題ありません。市販のコンバーターでも出力は8ピン一個の
物もあったと思います。実際主催者もずっと8ピン一個だけの接続でゲームを起動しています。

コネクタは、JSTから個人でも購入する事が可能です。(ただし、10個以上になっていますが)
実際にはVLコネクタの付いたジャンクハーネスを入手して、それを接続するのが一番ラクです。
コネクタの製作には、圧着ペンチでカシメるなどの作業が必要ですからね。半田で引っ付ける事も
可能ですが、案外取れやすいので注意が必要です。半田で行う場合は、芯線の接続は半田で行う
としても、被服の方は安物の圧着ペンチでいいですから、カシメておくことをオススメします。



あと、もしハウジングにコンタクトを間違えて入れてしまった場合ですが、ハウジングの後ろから
マイナスドライバーを差し込んで、コンタクトの押さえを解除してやると引き抜く事が出来ます。
ポイントは、うまく押さえを解除している時は、力を加えなくてもスルッと抜けると言う事です。
力を加える様では、うまく解除していないので抜けませんし、コネクタハウジングを傷めます。



線の引き出し先は、電源のカバーをあけて基板のパターンを見るのが確実。主な3.3V、5V、12Vの出力
以外にも、5VSBなどの小容量の出力がありますが、これは使用しないので根元から切断しておきます。
電源によっては-5Vとか-12Vの出力が付いている場合も あります。これも使用しないので切断しておいた
方が無難。なお、ATX電源の-12V出力はゲーム基板には 今一マッチしない様で、以前アタリなど-12V
使用のゲーム基板に接続しましたが、殆ど使い物にならなかった記憶があります。ただ、JAMMAと共用
で使用することを考えているなら、-5Vは出しておいてもいいかも知れません。



あとATX電源の出力には電源スイッチ端子も出ています。緑色などの配線である場合が多いようです。
この線をGNDとショートさせると電源がONします。確認する方法は、出力端子で無いことを確かめた上、
線をGNDにショートさせます(冷汗)クーリングファンが回ればそれがスイッチです。もし、間違えて電源
出力端子をGNDに当てても、そもそも電源は入りませんから問題ないはずですし、本当に出力がショート
状態になっても、自己復帰型ヒューズ(ポリスイッチ)が働いて一時的に出力が遮断されるだけの事が
多いです。しかし、5VSBなど小容量の待機電源は常に出力がONなのでこの辺りをショートさせると壊れる
かも知れません。もし、壊れましても責任は取れませんので、あくまで自己責任でお願いします。

VLコネクタのピン配列は写真を参考にしてください。線の色はセガ準拠の、GNDは白色、3.3Vは茶色、
5Vは黄色、12Vは赤色にしました。



電源の配線を行うなら、ついでにI/Oボードや音声アンプ用の電源出力も準備したいところです。
場合によっては液晶モニターとか、連射装置、スキャンコンバーターも接続するかも知れません。
その様な時、予備に出力を出しておくと重宝します。下の写真が今回作った電源です。
予備は3.3Vが1出力、5V、12Vがそれぞれ4出力。コネクタ付きと、切りっぱなしがあります。





■ I/Oボードとの接続

JVS基板にはI/Oボードが必要です。I/Oボードを介してレバー、ボタンなどのキー入力が接続され
ますので、これが無いと全く操作出来ません。また、上にある様にI/Oボードにも電源供給が必要です。

I/Oボードに電源供給する方法は2通りあります。JAMMAの56Pコネクタから供給する方法と、下の
写真で上の方にある6Pコネクタから供給する方法です。スルー接続になっており、どちらも同じです。
56Pコネクタから供給する場合はエッジコネクタに半田付けで接続しますから、他に電源供給が
欲しくなった場合、ここから半田付けでリード線を引き出せば、3.3V以外はいくらでも出力増設が
できます。主催者の場合、実験とか予備用なので、とりあえず6Pコネクタの方をメインに使います。



余談ですが、I/Oボードにはオプションで?ビデオアンプを搭載した物があり、この場合はアンプ
用で6Pコネクタを使ってしまっています。こちらのタイプを使用する場合の電源供給はJAMMAの
56Pコネクタの方のみになります。



電源をNAOMIとI/Oボードに接続。さらにMAOMIとI/OボードをUSBケーブルで接続。簡単ですね。





■ 音声アンプとの接続

JVS規格では音声出力は、オーディオなどでおなじみのRCA端子からライン出力で出ています。ここに
一般的なアンプを接続すればOKです。主催者はパソコン用のアンプ付きスピーカーを接続しました。

しかし!ここで問題が出ました。アンプ用のACアダプタが見当たらなかったのと、ATX電源があります
から、そこからアンプに電源供給する事にしました。ですが電源用DCジャックの極性が分かりません。
(電圧は12Vの記載がありました)そこで「まあ、極性は分からないが、アンプだし音が出るか一瞬の通電
なら壊れないだろう」と、適当に電源を加えてみました。そうしたら極性が逆だったらしく、あっさり壊れ
ました。しぶしぶ中を見てみると、ヒューザブル抵抗が断線していました。ちなみにスピーカーボックス
は上部が接着されており、基板の取り出し等は困難。にもかかわらずヒューズ装着とは、メンテの事を
考えている様ないない様なナゾの構造です。とりあえず適当に抵抗と普通のヒューズを付けておきました



いらん仕事で回り道しましたが、NAOMIとの接続です。電源とライン出力をつないだだけです。





■ モニターとの接続

NAOMIの場合、モニターへの出力は15khz又は31khzです。31khzならばパソコン用の液晶モニターが
そのまま使用できます。VGAコネクタをそのままつなぎ、ATX電源から電源(12V)を供給しただけです。





■ 全部を接続

I/Oボード、音声アンプ、モニターを接続。後はI/Oボードの56Pコネクタの端子にコイン、スタート、
レバー及びボタンを接続すればセッティング完了です。レバー及びボタンはわざわざ用意しなくても、
普通のコントロールボックスが利用できます。ただし、コントロールボックスの方からの5V、12Vの
電源接続は切り離した方がいいです。ATX電源からコントロールボックスの電源に電気が逆流する
のを防止するためです。その時GNDは切り離してはダメですよ。キー入力が全てきかなくなってしま
います。そこで、I/Oボードからコントロールボックスに接続するための中間ハーネス(接続はGND、
コイン、スタート、レバー、ボタンのみでOK)を作っておくといいですね。





JVS規格のつなぎ方トップ