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スチームパンクラジオ

■ スチームパンクラジオ

スチームパンクをイメージして製作したラジオです。回路構成は昔一般的だった5球スーパー。
ごらんの通り真空管ラジオです。真空管は最も大きいST管と言うタイプを使用しています。

このラジオを作るきっかけですが、主催者は以前から真空管が目立つデザインのラジオを
作りたいと思っていました。ごく初期のラジオを除くと、その様なデザインのラジオはありません。
理由は内部メカ(シャーシ)の部品配置がメーカー品でも自作品でもほぼ決まっていて、
例えば同調ダイヤルは手前側に、真空管は後側に並んでいます。これでは真空管が目立つ
デザインは実現出来ないわけです。そこで一般的なシャーシ構造はあきらめ、デザイン優先の
構造を考えた結果、同調ダイヤルの上に真空管を並べるというアイデアがうかびました。



この方法ですと、回路的にもそれほど不安定になることもなさそうです。さらにデザインを
考える内、木材と真鍮を使用したスチームパンク風デザインにする事を思いつきました。

最初に前面パネルを製作しました。製作法は、真鍮版にデザイン画を描きます。その内側に
ドリルで穴をたくさん開け、それらをつなげて大きな穴を抜き取ります。それをヤスリで仕上
げてデザイン通りのパネルに仕上げます。左の写真が完成したパネルです。右の写真は
パネルに合わせて製作した本体ケースです。真ん中に開いた穴はスピーカー取り付け用です。



ケースが出来たら、次にスピーカーダクトを作りました。スピーカーが後ろ向きに付くので、ダクトで
開口部を前向きにします。ダクト後部の形はカーブさせたデザインにしたかったので、薄いベニヤ
板を水につけて柔らかくした後、シャコ万力で固定しました。これだけで丸一日掛かってしまった。



ダクトが出来たら、ラジオの横幅と奥行きがほぼ決定なので台座を作りました。木枠に御影石を乗せた
構造です。御影石は昔使用した半端品なのでヘンな形でしたが、無理やり四角形に収まるようにします。



ここで本体は一旦小休止して、受信用のメーターを作りました。スチームパンク風デザインに
改造して取り付ける様にします。まともなメーターは高価で、改造するのは忍びないので、
安いラジケーターを使用します。写真右は本体にメーターを取り付けるためのフレームです。



また木工に戻ります。スピーカーの開口部を作ります。出来たらダクトに接続します。



左の写真は後側のパネルにスピーカーとダクトを取り付けたところです。これを後側に差込みます。
右の写真は前面パネルを取り付け、配線を行ったところです。下にあるのは電源トランスです。



さあ、ようやく配線までこぎつけました。左の写真はメーター用のゼロ点調整ボリューム、
右の写真は本体と真空管部を接続しているところです。



一応配線が出来たので、ここで動作確認をして見ました。しかし・・・。殆ど受信できません。
メーターの動きも、最初は振れますが徐々に振れなくなってしまいます。真空管部を一旦分解して
再調査です。部品を変えたりして見ましたが、一向に改善しません。デザイン優先で作っているため
作業性が悪く、この部分を一度ばらして再度組み立てるのになんと6時間も掛かってしまった。
結局、不具合の原因は真空管が一本ボケていた。別の真空管に差し替えたらパッと直ったのでした。



真空管取り付けホルダーと、真空管部を結合したところ。この作業が一番エキサイトします。



完成!製作期間は一ヶ月少々でした。





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