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ラジオ・オーディオ

■ ウエルトロン2004

丸いデザインで有名なオーディオ機器、ウエルトロンです。主催者が持っているのは2004型。
ウエルトロンのシリーズは、テープデッキが8トラックテープと言うタイプの物が多いのですが、
2004型は一般的なカセットデッキが搭載されたタイプです。




入手時は外観は綺麗でしたが、テープデッキは不動品でした。ウエルトロンに限らず、古いデッキは
ほぼ間違いなく動かなくなっています。モーターから動力を伝えるゴムベルトが経年変化で劣化して
ボロボロになってしまうためです。主催者は早速分解、デッキメカを見てみました。テープを送る軸に
溶けたゴムがへばりついていたり、早送りのベルトは伸びてへろへろになっていました。




幸い、テープを定速で送るための軸(キャプスタン)に接触するピンチローラーは無事でした。
劣化したゴムを全とっかえして、晴れてカセットテープも使用可能になりました。なお、ラジオは
最初から動作OKでした。ちなみに裏の電池ボックスの蓋を開けると、AUX入力もあります。




テープをガシャリと差し込むと勝手に再生開始します。早送り、巻き戻し、イジェクトはテープ下の
1ボタンで全て行います。このデッキメカはどう見ても昔のカーステそのものです。
そう言えば8トラックテープも主な用途はカーステかカラオケでした。





■ パナペット70

これまた丸いデザインで有名なパナペット70ラジオです。ただの中波ラジオなのですが、
デザイン最優先で作られたところにこだわりが感じられます。




小型ラジオですが、手間のかかる糸かけダイヤル機構が使われており、
しかも丸型の筐体に収まっています。今では絶対にない手間のかけようです。





■ パナペット73 R-47A

こちらは四角いパナペット。こちらもしっかりしたダイヤル機構が付いています。




入手時はダイヤル窓に擦り傷がありました。凸レンズ状に大きく出っ張った形状ですから傷が
付き易い部分です。主催者はサンドペーパーで傷を消した後、コンパウンドで磨きました。
傷はほぼ消す事ができました。





■ ナショナル/パナソニックRC-6500

パナソニックのRC-6500型ラジオです。このラジオは特徴的な透明ダイヤルと時計が付いています。
入手時はほぼ未使用品の様でしたが不動品でした。分解したところ、スピーカーのボイスコイルが
断線していました。同じサイズのスピーカーに交換して修理完了です。




下の写真にあるシースルー機構とは、アクリル板の外周を駆動して時計などの指針を動かすメカです。




ラジオはAM-FMの2バンド。このラジオに合う卓上アンテナをセットしてみました。





■ タクトプレーヤー

卓上型のレコードプレーヤーです。極めてポップなデザイン。




この手の安価なプレーヤーは一般的にトーンアームが重く、レコード盤の消耗が激しいのですが
このプレーヤーは軽量に出来ていますので安心してレコードがかけられます。バランスウエイト
も付いていますが、これは気休め程度で効果のほどは?です。




ターンテーブルの駆動はリムドライブ。リムのゴムの状態は良好です。ポップなデザインから
絶対トランジスター式だと主催者は思っていましたが、開けたらどっこい真空管式でした。




カバーをすると、出っ張りの一切無いトランク型になります。




■ タクトプレーヤーの修理

タクトプレーヤーですが、さすがに古いので色々問題が起こってきます。このプレーヤーは
デザインもいいし、17㎝のシングル盤(ドーナツ盤)の再生には最適なので常用することに
決めたのですが、使い始めると色々と不具合が出てきました。そこでタクトプレーヤーの修
理を行います。


まず最初に気づいたのは、他のプレーヤーで聴いた場合とタクトプレーヤーで聴いた時とで
再生音が違うと言う事。何か音が足りない感じなのです。調べたところカートリッジはステ
レオ用が使われていたのですが接続は片チャンネルだけでした。これでは聞こえない音があ
って当然です。なのでこれはモノラルタイプに交換しました。それ以外にも高音がチリチリ
とかなり出ます。この場合、カートリッジ出力に500kΩ以上の抵抗を直列に繋ぐと改善する
と言うのを過去に見た事がありますので繋いで見ました。結果は確かに改善はする様ですが
当然出力も下がって使い物になりません。なのでこの方法はやめて出力トランスに高音減衰
用コンデンサを付けて対応しました。下の写真丸印のコンデンサです。




それで暫くは良かったのですが、今度はターンテーブルの回転が不安定になってきました。
起動直後は回らず、回っても針を落とすとそれだけで止まってしまう状況です。ただしずっ
とこのままでは無く、10分以上経過すると正常になるのです。これはリムドライブのリムの
ゴムが硬化してきていて結果モーターの回転が上手く伝わっていないのが原因です。時間が
経ってゴムが馴染んでくると正常になる様です。この場合リムの交換が必要ですが、今更入
手など不可能ですから、自分で何とかするしかありません。うわぁ~リムの作り直しかあ。
面倒くさいのう~。と思っていたのですが、まずはゴムの硬化を改善する方向で対処して見
ます。やり方はカーショップなどで売っているアーマオールを塗布するのです。アーマオー
ルは樹脂系の劣化を改善させる効果があります。




それで塗布して動作させると・・・。ターンテーブルが全く回転しません。オイオイどう言
うこった?リムを再度確認すると、アーマオールを塗布した事によりゴムの摩擦が無効にな
り、ツルツル滑って回転しないのでした。そこでゴシゴシとアーマオールを拭き取りますが
まだ改善しません。結局のところアーマオールが浸透し、その結果摩擦が復活するまでには
何日かかかる様でした。それでその後の結果ですが、やや良くなった様な気はするものの、
ゴムの伝達が悪いのは相変わらずで改善と言うには程遠いものでした。そこでリムを自作す
べく材料を探し出し、後は作るだけになったのですが「まあ、その内でいいや」とか思って
放置状態に。その間も相変わらずゴムの伝達は悪いのでもう一度アーマオールを塗ったりし
ていました。それでいよいよ作るか、と決心して試しにレコードをかけると何か調子がいい
です。ハテ?長時間かけてアーマオールが浸透、好結果をもたらしたとか?うんそうだきっ
とそうに違いない!と言う訳で、この部分はこのまま行きます。

さて次の不具合ですが17㎝のレコード片面の再生が終わるころ再生音がメチャ小さくなりま
す。またパチパチと言うノイズも発生します。これは電子回路っぽいのでここで回路を調べ
ます。下の図が回路図です。非常にシンプル、電源トランスすらありません。




対策としてはまず全ての電解コンデンサを交換します。それから下の写真右の中央にあるネ
ジが上の抵抗器に接触しかかっていましたので、これを遠ざけます。このタイプの古い抵抗
は両サイドの膨らみ部分がリード線の引き出し部になっています。この部分に接触すると容
易に漏電します。




これでもう問題は無いな、と思ったのですが今度は再生中に音量が不安定になる不具合が発
生。全く色々出るよ。今度はカートリッジ端子が何かグラグラでヘンなのでカートリッジを
分解します。下の写真はカートリッジをトーンアームから外して分解したところ。カートリ
ッジ自体のカバーの取り付けはネジになっていました。これは本来ハトメのはず。過去に自
分で分解したっぽい。分解して分かったのは、このカートリッジはクリスタル型では無くセ
ラミック型であると言う事。クリスタル型(ロッシェル塩)は湿気に弱く、溶けて分解して
しまいますからこれはこちらの方が良かった。それに今回の様に端子がグラグラの場合、ロ
ッシェル塩だと線の引の引き出し修理はまず不可能ですから、そういう意味でも助かった。
今回のセラミック素子と端子の接続はゴム製のパーツで挟んでいる構造でした。端子がグラ
グラになったのは、カートリッジハウジングの端子の上を抑えるパーツが無くなって、固定
が外れたのが原因の様です。そこで固定パーツを作ります。下の写真中にある黒いパーツが
制作し押さえパーツ(ゴム製)です。下の写真右は実際にセットしたところです。




それで再度組み込み、レコードを再生させると超安定動作!こりゃええで~。と喜んだのも
束の間、何か音が悪いぞ。何と言うかポケットラジオから出てくる様な、こもりきった音。
あまりにも音が悪すぎて常用には耐えられん。しかし使われているスピーカーから考えると
これが本来の音という感じもします。要は高音が出ていないと言う事なので、最初に取り付
けた高音減衰用コンデンサを除去して見ましたが大して変わらず。おかしい、そんなはずで
は・・・。と言う訳で再度カートリッジを分解します。それで分かったのは、カートリッジ
の端子を固定した事により内部のセラミック振動子全体が上に押され、セラミック振動子の
針が接触する部分(ゴム製ひし形パーツ)の反対側がカートリッジの金属製の蓋に強く押さ
れて高音が減衰したっぽい事(下の写真左)。ただ少しは接触する構造にして、これで周波
数特性の調整を行っていたのかも知れない。とにかく元の音の方が好みなので金属製の蓋に
スポンジ両面テープを挟んで(下の写真中)ひし形のパーツから離す様にして再度組み立て
ます。




それで改めてレコードを再生すると元通りの音質に。やっぱりモゴモゴ言ってるよりこちら
の方がいいね。元通りになった事で高音が出すぎるので高音減衰用のコンデンサも付け直し
ました。なおトーンアームを持った状態で手を滑らせ、針が本体にぶつかって折損するのを
今迄に3回ぐらい経験しました。なので本体パネルの一部にウレタン両面テープを貼って針
を保護する様にしました。カッコ悪いですが針を折るよりマシです。




タクトプレーヤーの修理は完了しました。なお、通常の使用で一部のレコード盤で高音がビビ
るのがあったのですが、これはレコード針とカートリッジのゴムがしっかり密着していないの
が原因でした。反対に低音がビビる場合もあったのですが、こちらはカートリッジ(はめ込み
式)がトーンアームにしっかり固定されていないのが原因でした。




■ タクトプレーヤーまた修理

修理が完了して、これでもう安定動作だ!と喜んだのですが、やっぱりダメでした。17㎝の
シングル盤を2枚再生させると、もう音量が小さくなります。30㎝のLPレコードだと片面持た
ずに小さくなります。小さくなった再生音は、実際にはスピーカーからでは無く針からジカに
聞こえている様です。こうなったらもう正常動作時に各部の電圧を測っておき、音量が小さく
なった時点でもう一度計測して確かめるしかありません。それで分かったのは、不具合時には
真空管のカソードの電圧がプレートと同じだと言う事。これでは音が聞こえないはずだ。それ
で犯人ですが、カソードに入っている60Ωの抵抗だった。これが温度上昇と共に抵抗値がガン
ガン大きくなり、結果プレートとカソードの電圧が同じになっていたのだ。




抵抗は同じものが無かったのでよく似たやつ(50Ω)に交換。これで音量が小さくなる不具
合は解決しました。

それで直ったと思っていたのですが、またすぐに音量が小さい不具合が。今度のはとにかく
最初から再生音が小さい。ボリュームを最大にしてもまだ小さい。これは実は最初の修理で
カートリッジをステレオからモノラルに変えましたが、その時点で「何か音量が少なくなっ
たなあ」と思ったのです。しかし「別のものに変えたのだからこんなもんか」と思っていた
のです。しかし今や視聴に不具合が出るほど小さいです。カートリッジの配線とかチェック
しますが特に異常はありません。そこで次にカートリッジの出力端子部分の抵抗値をテスタ
ーで測って見ます。すると抵抗値が異様に低い。1MΩ前後。そこでゴムと金具を取り去り、
素子だけで測ると抵抗値は無限大に。良く分からんがゴムの絶縁が低下したっぽい。ゴムの
絶縁処理は出来ませんから、セラミック振動子の写真の部分にメンディングテープを巻いて
ゴムと絶縁、セットしてみます。




すると・・・。おう、音量が回復した。いや~古いと色々な不具合が出るなあ。これで使え
ないような不具合は無くなりました。後はしいて言えばリムドライブのゴムの不具合のみ。
これは上の方に書いた回転速度が安定しないと言うやつ。アーマオールが効いて状態が良く
なってはいるのですが、やはり完璧では無く本来の回転速度になるのに5分ぐらい掛かって
います。速度が遅い内は回転速度の調整で本来の速度にするのです。上で書いた様にこの部
分のパーツは買ってありますからついでに作ってみます。買ったパーツは水道用具売り場に
あるOリング。これを自作のプーリーにはめ込んでリムにする訳です。




Oリングだと円周が綺麗な円なので、回転させた時にムラ無く回ってくれるので好都合と言う
訳です。プーリー本体はジュラコンを削りだして作ります。下の写真が出来たリム。オリジ
ナルより僅かに(0.7㎜ほど)直径が大きくなってしまった。しかしこれよりプーリーを小さ
くすると買ってあるOリングの内径に近くなるため、空回りしそうなのでこれで妥協。タクト
プレーヤーは回転速度調整が付いていますから、この辺りは融通が利いて便利です。




それで意気揚々とセットしたのですが、オリジナルのリムに比べてゴムの厚さがあるので45回転
の時モーターの回転軸下部にリムが接触、異音を発する事が判明。この部分はワッシャをかませ
て高さを調整します。それに併せて細かい調整をして遂にレコード盤の再生です。ふむ、特に回
転ムラも無く再生しています。ターンテーブルの回転トルクは明らかに強くなっています。それ
で次にトーンアームを外して10分間ぐらいターンテーブルを回しておき再度再生します。




それで結果ですが…。回転速度が速くなっている。要するに改善していない。どういう事だ?
犯人はリムのゴムではなかったと言う事か?それで次に回転をスムーズにするためリムのシャ
フトにシリコングリスを塗布してみます。それで再生した結果は・・・最悪。




ビビりまくりかつ、ふにゃふにゃな再生状態。全くダメだ。これだったら元のリムの方がまだい
いぞ。気を取り直して塗布したグリスを全て除去します。するとまだ若干ふらつきますが元に戻
りました。こんな僅かな粘りで回転ムラが変わるとは。やはりメカがボロいからなのか?それで
改めて起動直後とランニング後の再生速度を比べたところ、やはりランニング後は速度が速い。
しかしオリジナルのリムに比べると速度差は少ないですし、トルクも強くなっている事からリム
の滑り不良は改善している様です。なんか温度が上がると駆動系が軽くなって速度が上がのか?
完璧ではないが前よりはよくなったので、とりあえずこれで様子を見る事にします。




さてその後ですが、結局リムシャフトへの注油でした。グルスではダメで要するに一般的なミシン
油でよかったのです。

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