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センサー式ループレバー

SNKの怒IKARIなどに使われているループレバーは、レバー軸の末尾に12接点のロータリー
スイッチを付けた物で言わばメカ構造。以前製作した物もこのタイプです。しかしメカスイッチ
の変わりにセンサーを使用した物もあります。(株)セタの”CAL.50”(キャリバーフィフティ)に
使われているレバーがそうです。そこで今回はショット方向の決定にセンサーを使用した
”センサー式ループレバー”を製作してみました。

実は主催者、CAL.50発売から10年後に(株)セタにセンサー式ループレバーについて問い
合わせをした事があります。その時は一般からの問い合わせにもかかわらず親切に答えて
頂き、FAXまで頂きました。(株)セタの担当の方には今でも感謝しております。下の写真が
その時のFAXになります。”トラックボールのセンサーと同じ物”との事です。

(株)セタからのFAX

トラックボールのセンサーと同じと言う事は、要はパドルのセンサーと同じと言う事です。
出力信号のうち、ゲーム基板側がHi又はLoのどちらを有効にしているかと、パルス(回転)
速度の問題だけです。Hi有効又はLo有効と言うのは、たとえば無信号時にゲーム基板の
センサー入力部がHiだとするとLoが有効になります。その場合センサー基板はプルダウン
してはいけません。ゲーム基板でHi、センサー基板でLoと言う事はそこで電圧が分圧され
てうまく動作しない可能性があります。まあ、実際はプルダウンもアップもされてない基板が
あったり、バッファが載っていてどっちでも良かったりと色々あるのですが。CAL.50の場合
はプルダウン、Hi有効でした。また、回転速度は加減速無しのレバー軸直結でOKでした。

レバー本体には、今回もセイミツLS-32を使用します。過去にロータリースイッチ式で製作
していますから、回転止めの感覚などがほぼ分かっている分、スムーズに事が運びます。

まずはセンサーを取り付ける回転止め金具をステンレス板を切り出して製作します。
次はレバー軸の加工。末尾にドリルで穴を開け、M3タップでネジを切ります。

センサー式ループレバー金具加工

次に先ほど切り出した回転止め金具の上に樹脂(ジュラコン)を取り付け、軸受けにします。
横に並んでいるのは回転止めのステンレスパイプとセンサー基板。右側の写真はレバー軸に
取り付けた回転軸。こちらもジュラコンを使用して耐摩耗性とスムーズな動きを狙っています。

センサー式ループレバー回転部組み立て

ここでループレバー特有の?8角ノブを作ります。ノブはアクリルを積層して8角柱形に削り、
黄色に塗装。下の写真左は荒削り段階の物。センサー用のスリット板もこの時製作。

ノブ製作

下の写真はノブ、ステンレス基台、スリット板等を組み付けたところ。これでセンサー式ループ
レバーが完成。早速CAL.50基板に接続して動作テストを行います。CAL.50のセンサー入力
はJAMMAのPUSH4とPUSH5を使っています。別途コネクタが要らないのは便利だが、それ
用の配線の追加が要るのはやや面倒。

センサー式ループレバー完成

ゲーム画面でマイキャラを動かすと、きわめてスムーズな動作。一般的なループレバーの
ショット方向は8方向ですが、CAL.50では16方向にショットが可能です。今回のレバーでは
回転時のノッチ(カチカチと言うクリック感)は付けなかったのですが、ショット方向が細い
のでむしろスムーズな印象です。


主催者の場合、製作物を他の方に譲ったりする事も多いのでそれなりの加工をしています
が、自分専用の場合は動作する物がもっとラクに作れればそれでいいわけです。今回の
作例で考えると、最も加工が面倒と思われる回転軸の製作が簡略可能です。下の写真の
通り、ホームセンターで買ってきたスペーサーとワッシャーでOKです。ネジに赤いテープ
が巻いてありますが、スペーサーの中心にネジを持ってくるためです。スペーサーはネジと
一緒に回転する部分です。実際にセンサー部を回してみると、動作は全く問題ありません。

回転軸簡易製作

また、スリット板の製作も手間が掛かる気がしますが、要は光を遮ればいいだけで強度等
は必要ない部分です。そこでメーカー製のパドルのスリット版を0.2〜0.5mmのプラ板にあて
がってマジックで印を付け、カッターで切り取ります。そこにアルミテープを貼り付けて再度
カッターでなぞればOKです。まあそれ以外のレバー軸のタップ立てとか、回転止め金具の
製作などは簡略化出来ないのですが。

スリット板製作


■


さて、ここでオリジナルのセンサー式ループレバーについてなのですが、主催者が知る限り
では2種類ある様です。一つはCAL.50に使用されたタイプで、もう一つはSNKのタッチダウン
フィーバーに使用されたタイプです。CAL.50のは握り玉が8角形で緑色。センサー部の形状
は普通のループレバーに良く似た四角形、ノブを回すと回転時にクリックがあります。一方、
タッチダウンフィーバーのは握り玉が楕円(フットボール型)でセンサー部は小さい円筒形、
回転時のクリックは無し。接続さえ正しければ互いに使用する事が可能と聞いた事がありま
すが、操作感覚は今一らしい。センサーの回転に対するパルス数が異なるためでしょうか?


■


今回作ったレバーはCAL.50専用です。もし一般的なループレバーとしても使用する事が
出来れば用途が広がります。そこで作ってみたのが下の変換基板。センサーからの信号
を12進のアップダウンに変換しています。変換基板はゲーム基板のすぐそばに置けば
いいのでゲーム基板との接続ケーブルは短め。その代わりセンサー式ループレバーへの
接続ケーブルは長めになっています。メカ式ループレバーはロータリースイッチの線の
数が13本もあったため、断線等のトラブルが多かったと聞きますが、センサー式は4本な
のでトラブルの頻度は少ないと思います。

ループレバー変換基板


■


ここでCAL.50について簡単に説明します。
下の写真がCAL.50の基板。さすが技術のセタ!基板のサイズはかなり小型。リチウム
電池が付いていますが、ハイスコアの保持用。主催者がソケットに変更しています。

CAL.50ゲーム基板

下はデモ画面。SETA PRESENTSの後、戦闘機が不時着、仲間の無事を確認するも、周り
を敵に囲まれてしまいます。そして朽ち果てた戦闘機をバックにしたタイトル画面が出ます。

CAL.50デモ画面

ショット方向です。16方向に射撃可能。写真では説明できませんが、後退しながら前に射
撃できるのはループレバーだけの特権。動きはリアル。アニメパターンは結構細かいです。

CAL.50ショット方向

ゲームをスタートして少し進むと、飛行機が見えます。試しに重なってみると・・・。おお!
飛行機が発進します。このゲームでは飛行機に乗れる様です。自爆民兵やら敵の大型
戦車も、飛行機だとへっちゃら。敵の戦闘ヘリも出てきて一戦交えます。しかしこの後、
飛行機は爆発、再び地上での戦いに逆戻り。実のところ飛行機はゲーム進行には特に
必然性は無く、単なるサプライズの様です。さすがセタ!遊びにも力が入っています。
地上を良く見ると、自らが乗ってきたかつての愛機も見えます。このゲームでは牛さん
豚さんも殺す事が可能です。牛さんを撃つと、よだれを飛び散らせてぶっ倒れます。

CAL.50ゲーム画面

このゲームの特徴として、倒した敵の死体が消えずに残る、と言うのがあります。敵を
倒し続けると回りが死体だらけになっていきます。ただし、死体を再度攻撃したり、スク
ロールアウトさせると消えてしまいます。たくさん表示させるには死体を避けて敵に命中
させる必要がありますので、おのずと限度があります。これは戦車でも同様で、戦車の
残骸の山を築く事も可能です。(試しに主催者は戦車を30両ぐらい積み上げた)。倒し
た敵を表示し続けるのは技術的にも面倒だと思いますから、普通は手を抜いて?すぐに
消してしまいますが、手を抜かずにそれを行ったセタはすごい!と当時思ったものです。

CAL.50敵残骸

このゲームは面のボスキャラを倒した後、なんと歩いてスタート地点まで戻る事が可能です。
敵キャラももちろん出てきますので、延々と稼ぎ続ける事が可能。さすがセタ!細かい事は
気にしない太っ腹のシステムです。こう言う個性的なのスキ。なお、戻ると先ほど倒したはず
のボスまで復活するので戻るのはお勧めできない(笑) 。なお、この後のゲーム展開ですが、
マイキャラが川に入ったら川岸360度から敵に狙い撃ちされた上に戦闘機に狙撃されるとか、
洞窟に入ったら同じく回り360度から敵に狙い撃ちされた上にロケット弾や火炎放射器まで
繰り出してくる始末。一人の捕虜に対してなぜそこまで!と言いたい。しかし敵は8方向にしか
撃てないのに対し、こちらは16方向に撃てますから、無茶な展開でもこの点はアドバンテージ
があると言えます。このゲームのプレイの基本は、立ち止まらずに銃やら手榴弾をドカドカ投
げ続け、敵弾がまだ少ない内に倒してしまう事。爽快感はかなりあります。最大の敵は、洞窟
の終点にいるメチャ硬い巨大なサル3匹(石を投げてくる)と、その後の面のボスであるやたら
動作の速い大型コンバイン(ひき殺そうとしてくる)。この2つが理不尽に強くてかなわん。




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