AVファミコン仕様 赤白ファミコン
TVのアナログ放送が終わって、アナログチューナー内蔵のTVがお払い箱になり、アナログ
チューナーに接続するのが標準仕様の赤白ファミコンは、そのままでは使用できなくなりました。
赤白ファミコンを使用するには、DVDデッキなどのチューナーを経由するか、ファミコン自体を
ビデオ出力化しなければなりません。一般的にはファミコンのビデオ出力化が良く行われています。
主催者もコンパクトファミコンとか、液晶付きファミコンで何度か行っています。今回は筐体(ケース)
は赤白のままで、出力部をニューファミコンとかスーパーファミコンに使われているAVコネクタに
しようと思い立ちました。赤白ファミコンから銀色のRCAジャックが生えているのは、デザイン的に
どうも今一な感じがしていたのです。
まず最初に行うのは、ケースの加工です。RFモジュレーターの出力部に大き目の丸い穴があります。
その部分を四角く広げて、そこからAVコネクタを出す様にします。まずはヤスリでケースを加工。
ケースを加工したらAVコネクタをセットして具合を見ます。コネクタの固定方法を色々考えてみましたが、
コネクタを一旦小さな基板に取り付け、小さな基板をケースにネジ止めする、と言う方法がよさそうです。
RFモジュレーターはもう使用する事もありませんし、そこのスペースにAVコネクタを取り付けますので、
思い切って切断してしまいました。なお、RFモジュレーター基板の端にはファミコン本体の動作用電源が
付いています。この部分は残してそのまま使用する事にします。そうする事により、普通のファミコン用
ACアダプタがそのまま使用できて便利ですし、DCジャックもそのまま使えます。なお、RFモジュレーター
のシールドケースは、電源部の放熱板も兼ねていますから、この部分は切らずに残して使用しています。
AVコネクタを基板付きにしましたから、ここにビデオ出力回路とオーディオ出力回路を組み込みます。
どうせなら、AVファミコンの出力回路とほぼ同等の回路を組み立ててセットしてみました。
ううむ。せっかく出力コネクタと出力回路をAVファミコンと同様にしたのですから、ついでに画像処理IC
(PPU)もAVファミコンの物に交換して、より高画質を狙ってみました。なお、高画質を狙うと言いましても、
赤白ファミコンに特有の縦線は消えません。主催者は過去にAVファミコンからCPU及びPPUの両方を
赤白ファミコンに移植した事がありますが、消えませんでした。縦線はCPU、PPU及び出力回路以外に
原因があると思いますが、主催者自身があまり気にならないため、特に調査もせず経過しています。
元から付いていたPPUはRP2C02Eですが、これをAVファミコンで使われているRP2C02Hに交換します。
RP2C02Hはおそらく最終バージョンのPPUでは?と思います。ちなみにどのバージョンのPPUでも載せ
替えが可能です。バージョンがアップする度にノイズに強いとか、動作時の発熱量が少ない等の改良が
あると思われますが、詳しい事は分かりません。まあ、古い物よりは新しい物の方が有利なのは確かな
様です。PPUの乗せ変え自体は基板の裏側も含め、綺麗に仕上がりました。
各ユニットが出来たら、組み込みと結線を行います。コントローラー等の分解清掃も行っておきます。
めでたく完成。こうしてみてみると、なんだかスマートにまとまっています。しかも使い勝手もいいです。
左が今回カスタムした赤白ファミコン、右がAVファミコンの画面写真です。赤白ファミコンでは
縦線が確認できます。縦線は4本の並びの繰り返しの様です。ちなみに発色及び画面の
クッキリ度を比べてみますと、PPU及び出力回路が同じなのでほぼ互角でした。
任天堂AVケーブル中継ジャックの製作
任天堂のAVケーブルは結構使い勝手が良かったので、他にも流用できる様に、中継
ジャックを製作してみました。任天堂のケーブルは同じ接続コネクタでビデオ、S、RGB
の出力ケーブルに対応しますから、他にも使用できたら便利です。しかし受け手となる
ジャックは専用品なのでジャンクの機器から取り外すしかありません。
それでは具合が悪いので、ためしに中継ジャックを作ってみた、と言うわけです。受ける
接続端子は、なんとジャンクのファミコンカセットの端子がピッタリ。カセットのジャンクは
本体のジャンクより容易に入手できますから、こちらは気楽に使用できます。
製作は、まずカセットをカチ割り、ROMを引っこ抜いてコネクタのサイズに切り取ります。
そして接続端子を覆うコネクタハウジングですが、どうせ作るなら任天堂のAVコネクタと
同じサイズの物にしてスマートに決めようと思い立ち、アクリルで製作してみました。
そして完成したのが下の写真です。なんだか妙に手間が掛かってしまった。
そして実験してみたら、音声が片チャンネル出ていない事が判明。どう言うこったい!と思い、
テスターで当たって見ると、なんとAVケーブルの音声端子が両チャンネル共、断線していました。
片方の音声が出ていたのはたまたまだったらしい。で、まずR側。プラグの根元で切れていた。
次にL側。RCAプラグの根元は良さそうなので本体側の方。被覆をはいで調べますが問題なし。
ううむ。殆どの場合プラグの根元で断線している物だが、今回はどこか途中で切れているっぽい。
こういう場合は、適当に目星を付けて針をケーブルに突き刺し、テスターで当たっていきます。
RCAプラグから20cmぐらいのところが怪しいぞ。芯線を出して見てみると、ホントに切れていた。
一本だけ短くなっては使いにくいので、この際3本とも加工して全部の長さを揃えます。
切り開いた本体側は接着剤で閉じます。コネクタハウジングからの保護チューブがかぶる部分
なので、少々の事では分かりませんし、もしめくれて来たら根元から接続しなおせばOKです。
またまたいらん仕事で手間取りましたが、AVケーブルも直った事ですし、改めてAVファミコン仕様
赤白ファミコンに接続してみる事にしました。今回作業したついでに、赤白ファミコンのビデオ出力
の部分の配線引き回しを変えてみました。そしてブラウン管TVに映してみると、なんと縦線が全く
分からなくなっていました。ちなみに上の方にある画面写真は、アップスキャンコンバーター経由で
液晶に映した画面を撮影した物です。下の写真では、片方がAVファミコン、もう片方が今回製作
したAVファミコン仕様赤白ファミコンなのですが、どっちがどっちだか分かりません。やはり初代
ファミコンはブラウン管のほうが相性がいいのかな。
プレイステーションAV出力端子仕様ファミコンの製作
主催者は部品取り用で初代プレイステーションをいくつか入手しています。そこでPSの基板に付いて
いるAV出力端子を、ファミコンに取り付けてはどうかと思い立ちました。これには理由がありまして、
主催者の周りでは任天堂のAV出力ケーブルの中古の販売は殆ど見かけません。それに比べ、PS用
はいっぱい売っています。それならば、入手性の良いPS用が使えれば便利だ、と思ったわけです。
とりあえずファミコンのケースの加工です。加工は上の任天堂AV出力端子の時と全く同じ。これは
RFモジュレーターの出力端子の穴と、チャンネル切り替えスイッチの穴をカバーして、四角い穴を
開ける事を考えると、おのずとサイズが決まってしまうためです。
次にPSの基板からAV出力端子を取り外します。まずコネクタ周りの部品を取り去ってから鋸で切断します。
次にファミコンのRFモジュレーター基板を、電源部分を残して取り去ります。変わりにPSのAV出力端子を
取り付けますが、丁度いい場所に固定できる様に現物合わせで位置決めを行い、取り付けを行います。
AV化の出力回路は、今回も純正AVファミコンと同じ物を作って取り付ける事にしました。実のところ、
わざわざ純正回路を付けてもそれほど画質に変化があるとも思えず、むしろ使用するファミコン基板の
バージョンの方が変化が大きい様な気がします。まあ、とりあえず実験と言うことで付けてみました。
下の写真左が出力基板、右がRFモジュレーターにセットしたところです。出力回路に供給される電源が
すぐ横から取れるので、ノイズに対しては有利かも?
AV出力部ができたら、ファミコン本体に取り付けます。ファミコン基板の方は出力基板から見て不要な
部品(抵抗2本)を取り去った以外はほぼノーマルです。ただ、ビデオ出力の引き出しは基板のパターン
を使用せず、じかにコードで引き出しています。この方が前回画質が良かったためです。
さあ、後は底のカバーをして完成です。下の写真左はPS用AV端子の収まり具合の確認です。右はPS用の
AVケーブルを接続したところ。う~む結構スマートにまとまっています。よかったよかった
下が今回作ったファミコンの画面。縦線は見えるがマイルド(笑)。
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