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ドリームキャストを修理

主催者はドリームキャストを入手しました。それも4台。全部ジャンク品としての入手です。
前回”SEGA chihiro を起動”をUPしましたが、その中でドリームキャストのGDドライブメカを
chihiroのGDドライブに移植しました。調べたところ、これらは全く同一の物だったのです。
載せ換えた結果、動作は良好。そこで今後の交換用メカを確保するのと、ドリームキャスト
自身の予備も確保する目的で入手しました。ジャンク扱いと申しましても、販売者がチェック
せずに売っているだけの場合が多いですから、今回もまあ動くだろう、と思っていました。

今回入手したドリキャス


ところが入手後起動すると、動かん!!具体的に申しますと、まず1台目は外観が一番綺麗な
やつなのですが、これはソフトをセットしても読み込みません。すぐにドライブのモーターが停止
してしまいます。2台目はケースの磨耗等は少ないが、やや黄ばんでいるやつ。これはソフトは
読み込みますが、コントローラーが全く反応せず。3台目はケースの黄ばみは少ないが、擦れて
テカッているやつ。これはソフトも読み込みますし、コントローラーも反応する様ですが、ディスク
が回転時にどこかに当たっている様で、回転時にガシガシと異音がします。それですぐに止めま
した。4台目はケースはまずまずの白さだが、擦り傷が多いやつ。これはソフトを読みに行って
いますが実際には読めない様で、しばらく動いた後初期画面に戻ってしまいます。この様な訳で
見事に全滅。いや~確実に動かんのを確認してジャンク扱いにするとは、正に管理に偽りなし!
逆に清々しい気分になったぞ。この野郎

なお、ここで動作確認に使用したソフトは”スペースチャンネル5”。このゲームの背景デザインは
見れば見るほどスペースエイジ!’70年に開催された大阪万博のパビリオン的な感じとでも申し
ましょうか。しかもゲームの実態はサイモン!!(コンピューターの指示通りに入力を行っていく
と言うもの)。下の写真左が大阪万博、右がスペースチャンネル5。殆ど同じ世界観。イカス!

大阪万博&スペースチャンネル5


動かんのを確認したからには、調べたくなるのが性分。早速分解します。もちろん2個1を目論ん
でいます。互いに使える部分があるかを比較する為、4台まとめてカバーを開けます。そして動作
をチェックすると、まず先ほどの1台目は、モーターとかピックアップは動作していますが、なぜか
すぐに停止。一見問題なく機能している様に見えるのですが。良くわからん。

2台目を確認すると1台目とはうって変わってスムーズに読み込みを開始。しかしコントローラー
はまるできかず。操作できない原因は上から見ただけでは分かりません。しかしここで先ほどの
物とは違う部分があるのに気づきました。1台目はピックアップが光っていなかったのです。光る
と申しましても、レンズ表面にごく小さい赤い点が見えるだけなので気づかなかった。レーザーが
出ていないのか。そこで2台目のドライブメカを1台目に移植すれば動くのでは?と考えました。
早速ドライブメカを交換すると、見事に復活!1台でも復活できれば入手した甲斐があります。

ピックアップのレーザー


さて次は3台目。ガシガシ音がする理由ですが、ディスクがドライブメカの黒い樹脂部分に触れて
います。更に回転する部分の根元には擦れた痕があります。他のと見比べると、ディスク取り付
け基部が沈んで低くなっています。これがぶつかる原因の様です。下の写真がドライブメカをバラ
いて比較したところ。矢印の部分が狭くなっています。片方はネジが見えませんが実際には付い
ており、ディスクのセット部分が沈んでネジとの距離が狭くなっているのです。

ディスクマウントが沈んでいる


ディスク取り付け基部を上に引っ張り上げれば良くなりそうですが、一度下がった物はまた下が
りそうな気がします。そこでこれを使用するのはやめて部品取り用にします。ディスク用モーター
はダメでもピックアップは使えそうですから、先ほど交換したレーザーが光らないやつにこちらの
レーザー部分のみを移植すれば動くのでは?と考えました。そこで改めて1台目のレーザー部分
を良く見ると・・・。チップ部品の半田が付いていません。テスターで当たっても明らかに導通なし。

レーザー基板半田不良


オイオイ例によってまた初期不良かよ、と言う訳で半田の付いてない部品を半田付けします。
そして光るか試して見ましたが、すでにお亡くなりになった様で光りませんでした。そこで当初
の予定通り、ピックアップ部分を移植します。左右の支柱の止めネジを2本外すだけで簡単に
交換出来ます。取り付け時にはグリスも塗っておきます。

ピックアップ部乗せ替え


交換した後、バラバラの状態で電源を入れるとピックアップが光っています。どうやらいけそう
です。そこで2台目のやつ(コントローラーがきかず、1台目とドライブメカを入れ替えたもの)に
セットします。なお、コントローラーがきかないのはコントローラーのインターフェイス基板に抵抗
(ヒューザブル抵抗、記号F1)が付いており、それが飛んだ為の様です。この部分を修理するな
ら、同じ抵抗(表示は3.9Ω、ただし実測は0.9Ω)を付けるか、小型のガラス管ヒューズを半田
で付ければいいでしょう。今回は部品取りがありますから基板ごと入れ替えました。なお、下の
写真右がヒューズに交換した場合。使用したヒューズは0.5A。アンペアは適当です。持っていた
ヒューズで一番小さいのを選んだだけ。基板の色が違いますが同じインターフェイス基板です。

ヒューザブル抵抗の修理


これで2台直りました。最後の1台ですが、読み込んだり読み込まなかったりします。恐らくドラ
イブメカのモーターかピックアップが悪いと思われますが、もう部品取り出来る部材がありませ
ん。モーターがヘタっているのかも?と思い、物は試しにディスク取り付け基部が沈むモーター
と入れ替えてみましたが、変化なし。(なお、モーターは接着剤で固められており交換は面倒)

モーター乗せ換えたが直らず


残るはピックアップ。モーター軸が緩い事を利用してディスクとピックアップとの距離を変えて動作
させてみましたが何も変わらず。ピックアップと言えば上の方に掲載している写真を見ると基板に
半固定ボリュームが付いています。もしかしたらレーザーの強さが変えられるのかも。レーザー系
の調整が可能ならばそれを操作する事により動作が改善する可能性があります。しかしもうヤメ
ときます。訳分からんボリュームを訳分からんまま触って動作しても釈然としませんし、それにより
ソフトが痛んではダメですからね。そもそも訳分からんボリューム等は触らないのが吉です。

なお、今回まとめて分解したので個体により色々違う所があるのが良く分かりました。ケースの
内側にフェルトが付いていたり(下の写真左)、コントローラーのインターフェイス基板やその横
のファンが変わっていたり(同中)、GDドライブメカのメーカーや、それに伴う取付け板金の形
が変わっていたりします(同右)。大体は互換性がある様ですが、ドライブメカの取付け板金とか
クーリングファンのコネクタは穴の位置が合わなかったり、コネクタのピン数が違ったりするので
融通が利かない場合があります。

バージョン違い


さて、今回久々にスペースチャンネル5をプレイしたのですが、思いの他ヘタになっていま
した。なんつーかこの、ボタンを押してるのにエラーになってる。「パッドじゃやりにくい!」
と言う訳でジョイスティックでプレイしてみました。結果はパッドより若干成績が上がった。
(要は単にヘタになっていたのだった)それよりジョイスティックでプレイできるんだな、これ。

ジョイスティック対応していた


ジョイスティックが出たついでに、専用ではない、一般的なアーケード用スティックでプレイ可能
になるか調べてみました。ボタン等のデジタル入力に関しては、パッドのパターンから配線を引
き出せばOK。問題はアナログ。プレステでは超小型のボリューム式アナログスティックが付い
ていて要はアーケード用と同じ構造。しかしドリキャスはチガウ!
基板にチップが付いていて、スティックの裏には磁石が・・・。どうやらホール素子の様。要は
この部分をボリューム式アナログスティックに置き換える事が出来るかどうかなのですが、ホ
ール素子は特性上オペアンプを介して出力します。しかしこのパッドはホール素子から直に
制御ICに入っている構造です。残念ながらパッドを利用してアーケード用アナログスティックに
繋ぐのは無理っぽい。ううむ残念だ。しかしなぜホール素子を使ったんだろう。ボリューム式の
方が性能はいいはず。やはりコストの問題なんだろうか。

パッド基板


さて、ドリキャスと言えば業務用のNAOMIと互換性があります。家庭用と業務用の連携も結構
行われていました。連携はもちろんバーチャルメモリを介して行われるのです。そのためバー
チャルメモリ用スロットの付いたゲーム筐体がゲームセンターにありました。それとは別にドリ
ームキャスト用コントローラーの差込口が付いた物もあり、これはドリームキャストのコントロー
ラーをバーチャルメモリスロットとして使用できるものでした。

今回ドリームキャストのコントローラーをいじくったついでに業務用ドリームキャストであるNAOMI
に接続してみたいと思います。なお、コントローラーが使える接続パネルを作っていたのはカプコ
ン。C型パネルと呼ばれていた物です。主催者はC型パネルは持っていないので同様の配線を
製作します。なお、今回の接続を利用してバーチャルメモリ等を使う場合、NAOMIソフト側で対応
している事が条件になります。下の図が接続図。電子部品等は無く、ただの配線です。

接続図面


で、作ってみたのが下の写真。コントローラーとの接続には昔発売されていたドリームキャスト
コントローラー延長ケーブルを改造して製作。

製作した接続ケーブル


NAOMIへの接続はCN6(1P用)。ゲームテストモードにてVM KIT TYPEをCAPCOMに設定。
テストモードにこの項目が存在しないゲームでは、この接続はたぶん使えないと思う。ちなみ
に今回起動したゲームは カプコン 燃えろ!ジャスティス学園。

NAOMIにパッドを接続


ゲーム画面に戻るとバーチャルメモリ対応表示が!それだけではありません。なんとドリキャス
コントローラーでプレイが出来ます。I/Oボードを使用せずゲームを操作できると言うことです。

バーチャルメモリ&パッドプレイ!




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